チェロキー族の2匹のオオカミの伝説

チェロキー族の2匹のオオカミの伝説
Valeria Sabater

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Valeria Sabater.

最後の更新: 21 12月, 2022

チェロキー族の2匹のオオカミの伝説は、人の内面にある2大勢力の絶え間ない戦いの話です。暗い部分(黒いオオカミ)ともっと明るくて気高い部分(白いオオカミ)です。良きものと悪しきもの、喜びとプライド、罪悪感と謙虚さは、自分という人間を定義する要素です。

このお話を聞いたことがある人もいるかもしれません。ただ、南アパラチア山脈の小さな社会グループの口頭伝承にも似たような話があるため、これがチェロキー族の伝説かどうかははっきりとはしていないのが実情です。

 

読み進めて、このお話とその面白いバリエーションを学びましょう…

エンブレム

チェロキー族の2匹のオオカミの伝説:内面的な力の戦い

チェロキー族は、いわゆる「文明化五部族」と呼ばれる民族のひとつです。文化的な豊かさ、言語、伝統などで知られ、間違いなく西洋社会に大きな影響を及ぼした先住民文化のひとつです。彼らの話や神秘主義の多くが知られており、それらはドナルド・パンサー・イエーツ博士によるチェロキー族などにまとめられています。

膨大な遺産の一部として、2匹のオオカミの伝説は人気のお話のひとつです。元戦士の年長者から子供へ賢い教訓として伝えられています。年長者によれば、2匹のオオカミの間のひどい戦いは、すべての人間の心の中で日々起こっていることだと言います。

この2匹の動物は、相反する2つの力を表わしています。ひとつは、邪悪な力です。怒り、嫉妬、強欲、傲慢、悲しみ、劣等とエゴの感覚です。もう一つの力は、優しさ、喜び、愛、希望、うららかさ、共感、平和を象徴します。

先住民

チェロキー族の子どもは、どちらのオオカミが戦いに勝利するのかと尋ねます。ほとんどのバージョンでは、年長者は「自分が勝つと選んだほう」と答えています。しかし、それとは違うバージョンもかなり面白いものです。

一つのバージョンでは、年老いたチェロキーの戦士が幼いチェロキー族の子に、どちらも勝利する、と答えます。戦いは力の問題ではなくバランスの問題だからです。 どちらも必要な力であり、どちらも育てなくてはいけません。正しい道を行くには、どちらも導く必要があります…

片方のオオカミだけを養わないこと:どちらの存在も必要

ジェットコースターに乗っているように感じる瞬間が人生にはあります。すべてが浮き沈みです。表せないほどの喜びの瞬間もあれば、なぜかも分からないけれど逆境、悲しみ、怒り、絶望に襲われる瞬間もあります

人生は幸せなことも悲しいことも、情け深いことも容赦ないこともあります。人間は複雑な愛と憎悪のストーリーを紡ぎだすものです。完璧にはコントロールできない二つの力が常に内面に存在するということに、みなさん気づいているのではないでしょうか。この2つの力は、人間の内面で激しい戦いを繰り広げます。

チェロキー族の2匹のオオカミの伝説は、1匹のオオカミを養ってもう1匹を飢えさせるということではありません。人間は、本質的に陰陽からなっています。それは、自分の一部を隠したり捨てたりすることとは程遠く、バランスを持って生きるために、考慮して可視化しコントロールしなければならない二面性です。

じゃれ合い

内面的な調和を見つける

年老いた戦士は、白いオオカミだけを養っても、身を潜めて弱っているときやガードを下ろしているときに黒いオオカミは現れると言います。夜のように闇深いこの動物を侮ってはいけません。

信じられないかもしれませんが、黒いオオカミだってたくさんのいい性質を持っているんです。決断力、粘り強さ、勇気、戦法的思考など、白いオオカミが欠いているような能力です。どちらも養うことで、どちらのいいところも生かすことができます。お互いのベストな状態を高め、ニーズを認識し、調和の中で生きていけるように特訓すべきです。

自分の恐怖を餓死させないでください。それを認識、理解して、変身させることことが大事です。怒り、いらだち、悲しみも養いましょう。これらを追いやらないでください。何かわたしたちに教えてくれることがあるかもしれません。毎日、昨日よりちょっとだけ良くなるための貴重な教訓を与えてくれます。

お分かりいただけたかと思いますが、チェロキー族の2匹のオオカミの伝説は、バランスや感情マネージメントにおける貴重な教訓を教えてくれます。うまく力を分散しどちらも養うことで、より良い人生を送ることが可能です。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。