自尊心と家族

自尊心と家族
Valeria Sabater

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Valeria Sabater.

最後の更新: 21 12月, 2022

育てられた家族により材料が(一部)与えられ、自尊心は構成されます。後に印が残るものであり、また、治りにくいものです。父親または母親が、自分を愛せない、ニーズを満たせない、心を通わすことができない人だった場合、特に難しくなります。

人生を機能させるには、自尊心の「タンク」を燃料いっぱいに満たしておかなければならないと心理学者は言います。ただ、決断力や、自信、自分の価値感など燃料となるものは多くありません。さらに、タンクがほぼ空の状態で生活している状況がよくあるのは、皆さん同じじゃないでしょうか。これを解決するのに、エンジンを再始動させるのも不可能なくらいの低燃料です。

「拒絶への恐怖心のほとんどは、人に自分の価値を認めてほしいがために生じている。人の意見に自尊心を左右されるな」
-ハービー・マッケイ-

有名な文化人類学者マーガレット・ミードが大切なことを言っています。家族は人が最初に出会う社会集団であり、その中での交流の仕方が、自分とは何か(少なくとも大部分)を決めることになる、ということです両親が十分な栄養と豊かな素材を与え、「タンク」を満たす必要と義務を担い、安心や愛情、関心が欠けることのないようにしなければなりません。世界共通、価値のある存在であると感じることができるよう、活力と勇気を与える必要があります。

 

自尊心の構成において、何かしら困難があった場合、必ずしも質の高い燃料が得られるわけではありません。そんな時、私たちは、自分の存在価値を見出そうとします。さらに、子どもの頃に足りなかった何かを探そうとします。

犬の中の少女

自尊心の構成と親との繋がり

自尊心の構成は幼少期に始まります。それでは、幼少期の経験で、私達の性格すべてが決まってしまうのでしょうか。心理学や科学の世界に、 「決定論 」という言葉があり、これは、危険で、人間の心の奥に潜んでいるといわれています。

心理学的に言うと、幼い頃に起こったこと全てが、大きく影響するわけですが、自分がどういう人間であるかをすべて決定づけるものではありません。人間の脳について、一つ言えることは、発達の領域と自由度には大きな幅があるということです。しかしながら、子どものしつけの重要性を忘れるわけにはいきません。自分を愛してくれる人からの愛着の質は重要です。親は食物など最低限のものと、さらに、感情や教育に関する知識を与える必要があるのです。

分かり合うこと

この話題に関するお勧めは、ハーバード大学の小児科教授であり、児童発達の専門家であるエド・トロニック氏の記事です。自尊心を助長し、子どもに質の高いケアを与えるためには、分かり合うことが必要だと言います。良い親であっても、40%は子どもと分かり合えていないということが彼の研究によりわかっています。

海と少女

大袈裟に、私達をおどかそうとしているだけでしょうか。トロニック氏はさらに、こう言います。子供の感情的欲求を100%受け入れられていないのは、親自身が自分に同じことをしているからです。

ストレスを抱え込み、自分の感情がもつれ合っている親は、無意識のうちに、子供にそれを伝えてしまっているのです。その結果、子供も、その状況に浸かってしまいます。親自身の自尊心が十分でない場合、子どもに自尊心をうえつけるのが難しいのは当然です。子どもが、親に自尊心の基礎を見出せなければ、子どもは安心できません。

 

家族の影響と自分

幼い頃の自尊心の構成には、まず、3つの要素が関わります。身体的外見、行動、学習の成果です。この3つの特性を親がどのように示すかにより、安心と自信の成長度に影響します。親がこれを示せない場合、無力感、孤立、恐怖を生み出してしまいます。

「最大の孤独とは、自分自身と付き合えないことである。」
-マーク・トワイン-

これに関し、多くの親がまだ未熟であることが、大きな課題となっています。親の言葉とコミュニケーションのとり方が問題となっていることに気付いていないのです。校門での会話を聞いてみたらわかります。気付かぬうちに、子どもの自尊心の羽をひとつづつ取り払っているのです。

 

比べること

比較と否定は子どもの自尊心に悪い影響を与えます。算数ができない、テストで合格するはずがないなど、自尊心をズタズタにします。こういったことをしてしまう親は、子どもの隠された気持ちに気付かず、自分が落ちた自尊心の底に子どもを陥れてしまうのです。

姉妹

自尊心の構成における家族の影響は大きいですが、過去に起こったことで、人生が決まるわけではありません。自尊心が低くなっていくのを止める力が私達にはあります。周りの人にもらえなかったものを補い、子どものころに欠けていたものを修復できます。自分自身で燃料を入れ、他人が何をくれるか、何ができるか気にしないことです。毎日、自尊心へ働きかけましょう。変えたいという気持ちと勇気を持ち、自分を愛しましょう。過去に関係なく、いつでも変えることはできます。自尊心を自ら成長させましょう。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。