断る力:職場でのアサーティブネス

断る力:職場でのアサーティブネス
Gema Sánchez Cuevas

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Gema Sánchez Cuevas.

最後の更新: 28 8月, 2019

アサーティブネスとは自他を尊重した自己主張のことを意味し、職場でもきっぱりと「ノー」と言える重要なソーシャルスキルです。これが出来る人は健全な自尊心の持ち主です。自分自身を信頼していて、他者との境界線を引くことが出来る人です。一方で、すべての人に「イエス」と言う人は低い自尊心の持ち主と言えるでしょう。あるいは、誰にでも好かれたいという不健全な欲望の現れかもしれません。

職場で「ノー」と言えることは、長期的に多くのメリットをもたらします。「ノー」と言うことで、プロジェクトから外されたり上司や同僚からの評価が低くなってしまったりすることもあります。しかし、断るということは、周囲の人に「私は自分で決断を下せる」ということを知らせているのです。

嫌われたくないからと誰にでも「いい顔」をしている人がいます。彼らは、上司や同僚に受け入れられたいがために、言いなりになっている人です。このような状況を避けるためにも、職場で「ノー」と言えるようになるポイントを詳しく見ていきましょう。

アサーティブネスを取り戻す方法

今日、世の中は失業率の高い労働社会と化しています。結果がすべてであり、生産性に焦点が当てられています。このような社会では、プロジェクトを断り、参加を拒むような人は肩身が狭い思いをするでしょう。

断ることが出来ない人は、それをいいことに上司や同僚から利用される場合があります。上司や同僚はあなたのその弱みに付け込み、業務外の仕事を押し付けてくるのです。さらに、「ノー」と言えないことで興味のないプロジェクトに巻き込まれてしまうこともあるでしょう。もちろん全ての人が悪意を持っているわけではありませんが、いずれにしても責任のないことまでやらされてしまうことは多くなるでしょう。

会議中の女性

職場でのアサーティブネスを向上させるには、次のことをヒントにしてみましょう。

1.問題を明確にする

職場で断ることを難しくしている原因は、コミュニケーション不足かもしれません。あるいは、整理整頓されていない環境かもしれません。また、上司の中には仕事の優先順位を付けるのが苦手な人もいます。このようなことは、すべて職場でのストレスに繋がります。

2.考えを整理する

職場で「ノー」と言うには、自分の考えを明確に、簡潔に表現することが重要です。これには、自分の中で自分の視点や意見を明確にしておく必要があります。当たり前のようなことですが、これが出来ない人は多いのです。

3.自分の仕事スタイルを知る

職場の内部組織を知ることも大切です。内部組織を知っていれば、同僚と問題が起きたり、あるプロジェクトに時間を割きすぎたと気が付いたりしても一度立ち止まり、全体を見渡すことができます。それから必要に応じて他者との境界線を引き、アサーティブネスを実践するのです。

また、職場での業績を把握することも大切です。こうすることで、自分の仕事スタイルを理解でき、上司から反対意見を言われても対処することができます。

考える女性

4.慎重に話す

職場で「ノー」と言う時、必要以上な弁解や正当化は服従しているかのような印象を与えかねません。上司が攻撃的な場合はなおさらです。弁解や正当化をするのではなく、プロジェクトを断る正当な理由があれば、それが何かをしっかりと確認しましょう。そして、断ったことが正当であることを証明する理由をアサーティブネスを実践しながらはっきり伝えるのです。こうすることで、周囲の人があなたに対してイライラしてしまう可能性も軽減できます。

5.自分の都合を優先する

最後に、私たちは上司や会社の都合を優先させてしまう傾向にあります。しかし、私たちはそれぞれニーズのある個人だということを忘れてはいけません。どのような仕事に就いていても、どのような職場環境であってもそうです。

そして、何があっても自分の健康を二の次にしてはいけません仕事にはチームへの貢献と犠牲を伴うものですが、どこまで相手の要求を聞くのか、どこまで自分を優先するのかというバランスは見つける必要があります。ビジネスのニーズだけでなく、自分のニーズをも満たす妥協点を探しましょう。

 

職場で断ることができないと、同僚や上司はその弱みに付け込み、必要以上のことをやらせようとすることもあります。

 

職場でアサーティブネスを実施し「ノー」と断ることで、同僚・上司・後輩はあなたの権利を尊重してくれる可能性が高まります。業務外の仕事をこなそうと燃え尽きるより、「ノー」と断り上司を落胆させる方が大きな目で見ると良いのです。このような姿勢は、長期的にはあなただけでなく、上司にもポジティブな結果をもたらすことでしょう。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。