疾患は心と体の葛藤である

疾患は心と体の葛藤である

最後の更新: 11 9月, 2017

私たちの体は常に症状を通して私たちに話しかけています。そして疾患や痛みは、 私たちの体内で異変が起こっていることを示唆しています。

多くの場合、その「異変」は、私たちの感情と深く繋がっています。このアプローチは精神分析学者とし て有名なフロイトが唱える抑圧の理論と密接に関連しているように見えますが、決してそれだけではありません。マインドフルネスヨガ、細胞再生療法、生化学、量子物理学などを一括りにした第三世代の認知行動療法も、心と肉体は直結しているという考えの上に成り立っているのです。

身体からのサイン

私たちが痛みや疲労を感じたり発病する時、私たちの肉体は私たちに緊急連絡をしています。そして同時に私たちのはその状況に結びついた感情を解釈しているのです。

常に脳は休むことなく様々なことを分析していますが、何か予期せぬことが起こった時、なぜ自分がこの状況になり、それがどれだけ自分に影響を及ぼしているかということをひたすら考えてしまう場合があり、注意する必要があります。

伝統医学では痛みの治療の際、 思考の力を使い治療の効果や自己治療力を倍増させることができる、と言われています。私たちがその思考の力を活かす為には、まず自らに十分な時間、許可、忍耐力の3つを与えることから始めます。

「疾患は本質的に言えば理性的な頭と感情的な心が対立した結果であり、精神的努力 なしに根絶することは不可能である。」

ーエドワード・バッチ(イギリス、ウェールズ出身の医者、細菌学者、ホメオパシー実践家)ー

女性の体と花

思考が持つ力とは

私たちは常に何かを考えていて、日々頭の中を通り過ぎる思考は、どんなに小さいものでも影響力を持っています。そしてそれらは私たちの肉体や目の前に広がる現実だけでなく、人生そのものに深く関わっているのです。

私たちの思考の中で一番影響力を持っているものは、一番多くの時間を費やして考えているものです。日々言葉で表したり、行動を起こしたり、反応したりしているものです。仮に思考が私たちの肉体や目の前の現実に影響を与えているとしたらどうでしょうか。

物事を前向きに捉えることができれば疾患を治すだけでなく様々な問題を解決できると思いますよね。ですがここで注意しなくてはいけない点は、前向きに考えるだけでは足りないということです。私たちが「善」だと思うことのみを考えることには、批判的な面があります。それは前向きに考えすぎることで、何ら行動を起こさなくても必要なものが手に入ると思い込んでしまうことです。

このような思考と解釈の癖に気づき変える為には、私たち自身が心の奥底にある感情の海に潜ることが必要となります。感情と向き合うことは自分自身と向き合うことであり、やがて感情をコントロールする力を身につけることができるようになりま す。

現実の指標としての疾患

疾患は、私たちが本心とは異なることをしていることを知らせるものです。この状況を変える為には、私たちの頭や心がどのようにプログラムされているのかということだけでなく、どこでそのプログラムを取り込み、どのようにしてそのプログラムが私たちの素行に影響を与えているかを観察しなければいけません。多くの場合、 私たちが感情を処理する方法は私たちが育った環境や家族から受け取ったものです。

不安、憤り、憤怒、悲しみ、疑いの感情は、私たちが長い間抑圧してきた叫びを表していて、主に人と信頼関係を築くことが苦手だったり、人に期待しすぎてしまうことから生まれます。急性的・慢性的な痛みは、私たちがそれらの痛みが表面化する前に、不満や怒りの原因を突き止めることができなかった・しなかったことの結果なのです。痛みの原因となる出来事は、私たちの心の中で眠ったふりをしながらゆっくりと疾患として姿を現すのです。

蔦に絡まった女性

要約すると肉体的な疾患は惨めさ、人や物に対するこだわりや支配することへの欲望、抑圧されたまま・誤解されたままの気持ちなどを持ち続けることによって表面化します。もしも心が傷ついていて怒っていたら、肉体はどうにかしてその痛みを私たちに伝えようとするのです。私たちの肉体は私たちが普段何を感じ、考えているかを直接見せてくれる鏡のような存在かもしれません。

感情と疾患のつながり

1999年にスペインの大手出版社であるEditorial Ariel から出版された Emociones y salud (英訳すると Emotions and Health) には、感情と素行は人々の幸福度に結び ついているだけでなく、心理学的・生理学的にも疾患の形成に多大な影響を与えて いると書かれています。こうして考えると、私たちが普段社会から当たり前のように強要されている精神的な圧力や要求などが、私たちの物事の見方を左右していると言っ てもよいのではないでしょうか。それ故に私たちが常に自らの感情を観察し、溜め込まないことが大切なのです。

女性の肩にとまる蝶

思考を変えれば、人生も変わる

アメリカ、ロス出身の演説家であり、出版社「ヘイハウス」の創業者であるルイー ズ・ヘイは、人生のほとんどを「思考が人生を作る」という考えを人々に広めるために尽くしてきました。これまで数々の本を出版し、一人でも多くの人が真の自分に気づ けるように手助けてしてきたのです。

彼女は私たちが幼い頃から思考の力に気づくことで、その後の人生が幸福に満ちたものになると言っています。私たちが普段無意識に考えていることや使っている言葉が持つ影響は計り知れないからです。私たちが自らの習慣に気づき、悲観的な言葉や思考を楽観的なものに変換することができれば、私たちの生き方は見違えるものになるでしょう。

すべての源は今この瞬間にあるのです。

ールイーズ・ヘイの言葉ー

物事に偶然はなく、私たちはすべての経験から学ぶ能力を持っています。自らを理解する為の機会として日々の経験が用意されているのです。そして自らを受け入れ愛することにより、人を受け入れ愛することができるようになるのです。

私たちの周りにいる人々が私たちの鏡であることを理解すれば、自らを卑下したり、苦しめることはしないのではないでしょうか。今目の前にある世界に感謝し、自らが楽しむことを許してください。そしてこの地球という宇宙が、私たちに必要なものをすべて与えてくれているということを信じてほしいのです。

私たちが自らの感情に敏感になり労ることができれば、私たちの肉体がある日突然緊急連絡をしてくることはありません。私たちが疲れていて体調が優れない時は、自らの感情を無視している証拠です。逆に私たちが幸福な状態にある時は、体全体が活気に溢れ私たちの毎日を陰から支えてくれる相棒となります。どちらを選ぶかは私たち次第なのです。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。