短気な人:怒りとコミュニケーション

短気な人:怒りとコミュニケーション
Valeria Sabater

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Valeria Sabater.

最後の更新: 21 12月, 2022

短気な人はいつも怒りを感じています。テーブルに怒りをぶつけ、ドアをバタンと閉め、癇癪を起します。いつも声を荒げ、平静を失います。このような行動の裏には、怒りを防衛機能とする弱い人が隠れています。

誰でも平静を失ったことはあるでしょう。何が起きているかわからないまま怒りに支配され、誤った方法、礼儀のない方法で振舞ってしまいます。この経験から学びましょう。感情の成長度が試されるような複雑な状況にあるとき、コントロールしようという態度が重要です。

短気な人は怒りを通して世界と繋がり、怒りを使って欲しいものを手に入れる方法を学んできた人である

ここで考えなければならない重要な側面があります。それは、現在、怒りはまだよく解明されていないということです。自分の感情バランスと健康を守るため、日々の生活で短気な人を避けた方が良いことは間違いないでしょう。

それでも、理解することはとても大切です。心理学を見てみると、癇癪をおこす子ども、気性が激しい家族、いつも人にあたる上司の裏には、他の方法を知らないという事実があります。自分と戦うこともできず、怒りや否定的な感情がどこからきているか、どうしてよいかも分からないのです。

怒る上司

短気な人:行動の理由

フランスには、怒りを使いコミュニケーションをとるこの攻撃性の高い行動を現す言葉があります。「sous-entendu」直訳すると「裏にあるもの」という意味です。オオカミの皮を被ったその下にある何かが激しい感情の元になっているのです。オオカミの皮の下にもう一匹のオオカミがいます。傷ついたオオカミです。

短気な人の激しさを理解するのに役立つ特徴をいくつか見てみましょう。

  • 過度の恐怖。人に対し、怒りで答える人は大きな恐怖を抱えています。子どもの頃あらゆる刺激に恐怖心や警戒心をもって反応してきた人は、小さなことにも警戒しやすくなります。大人になり、自分でコントロールできないものは好まず、それが怒りへと変わります。怒りは、全ての人や物事から自分を守ろうとしてきた防衛機能です。
  • ネガティブな感情への反応がすべて怒り。このタイプの人は、悲しみ、失望、恐怖、不穏、驚異、羞恥の違いが認識できません。これら全てがある一つの方法として処理されます。それが怒りです。
  • 累積した感情。どうにもならなかった感情、理解されず、処理できなかった感情は累積します。短気な人は長い間不満をためていたということも珍しくありません。そのため、些細な事がきっかけとなり、怒りが爆発してしまうのです。
  • 怒りと被害妄想。この関係は重大です。短気な人は、自分で理解できない激しい感情や恐怖を抱えています。短気な人の深い所にある怒りが被害妄想を起こすのです。すべてが脅威で、誰も信じられず、皆自分を傷つけ、馬鹿にすると思い込みます。これが、困難な状況を作ります。
叫ぶ人

怒りをコントロールする

短気な人の生活の質は高くありません。臨床的な視点でみると、これは無視できない問題です。このタイプの人は心臓疾患や痙攣、呼吸器系疾患、免疫機能の悪化などを患う可能性が高いという研究結果があります。怒りが愛する人との距離を離すこともあります。

居場所のなくなった怒りと呼ばれるものに苦しみます。ある人や出来事に怒りを感じていても、そのネガティブなエネルギーを別の人に向けてしまいます。子どもやパートナーなど関係のない人です。このような場合、怒りは適切なコミュニケーション方法ではないと理解してもらうための情報や方法を与えることが重要です。より良い方法で状況へ対処できるようになります。以下に、感情の処理に役立つシンプルな方法をご紹介します。

  • まず、怒りの意味と目的の理解。本質は、脳の危険回避、攻撃に対する反応です。生物学的・生理学的働きなのです。
  • 次のステップは、自分の感情を明確にし、その原因を理解することです。これは悲しみなのか?何でそう感じているのか?それが羞恥だとすると、原因は何か?
  • 呼吸法。体や心へ影響を与える怒りを他の方向へ変えるため、リラックスしましょう。緊張した筋肉や鼓動に集中し、呼吸することで、ペースを落とし、リラックスできます。落ち着いて初めて考えることができ、適切に反応することが可能になります。
  • 怒りを主張に。短気な人は、主張をコミュニケーションの方法とすることを目指しましょう。怒りをそのまま言葉にするのではなく、主張として発言できれば最良です
人と夕日

最後にもうひとつ考えなければならないことがあります。短気な人は言葉の暴力だけでなく、繰り返される身体的な暴力を行使することがあります。あなたが暴力の被害者であれば、自分を守るため措置を講じましょう。また、その原因になっているのであれば、今すぐ対策を取ってください。

 


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。