買い物で幸せは得られない

2017年9月8日 in 心理学 0 シェア済み
カラフルな影のカップル

消費者主義の問題は、その中に「欲しいものを買えば、幸せになれる。」という嘘のメッセージが隠れていることです。

これは第二次世界大戦以降押し進められてきた考え方に基づいており、また現在の社会の基礎に確実に組み込まれています。それは、幸せは、ものを買うことができるキャパシティーに密接に関係している」という考え方です。つまり、買い物ができるだけのお金があるということに関係しています。

また、買い物の結果幸せが得られる、という考え方を助長してもいます。「今より良いテレビセットを買えばもっと幸せになれる」、「 高価な服を着れば自分にもっと価値があるように見える」、「最新の車を購入すればもっと敬われる」などがその例。

この考え方の最も悪いところは、少なくとも表面上は実現してしまうところです。実現するからと言ってこれが正しいとは限りません。それよりも、こういった考え方に価値を与える人たちがそれを現実にしてしまうのです。

「必要のない金を稼ぐために好きでもないことをして人生を過ごして、

好きでもない人を感心させるために欲しくもないものを買う。彼はそういうタイプの人だ。」
-Emile Henry Gauvreay-

言い換えれば、スーツを着てもっと品位が上がると思っているなら、簡素な服を着ているときには品位が下がったように感じでしまう、ということです。他にも、新しいテレビが娯楽の幅を広げてくれるなら、自分のリビングに新しいテレビを置くまではつらい思いをする、などなど。

いずれにせよ、1カ月もたって絶対に必要だと思っていたものを手に入れると、実はこの考え方が間違っていることに気づきます。なぜなら、あなたはまだ退屈で、不幸せで、価値がないと感じるからです。そのため、またこのサイクルにはまってしまうのです。

物を消費するということは、ある意味、私たちを大きな問題から解放してくれます。それは、人生に意味を持たせるという必要性から「解き放って」くれるということです。自分自身の内を探るのではなく、目を外に向けさせます。世界の中で自分のおこす行動の意味や価値を考えるより、どうやって時計を買うか考えるほうが簡単なことなのです。

買い物と自己嫌悪

現在の社会では、高い服を着ていたり、豪華な車を運転したりしてる人は別格とされます。こういう人がすぐに特別扱いされたり、よりよい配慮を受けるのは良くあることです。しかも、直接話しかけたり、どんな人であるか知る前からそういう扱いをされます(そういうことをする人は、周りから金持ちに取り入ろうとしていると思われるでしょうが…)。つまり、お金が尊敬されることを保証するようになってしまったのです。

買い物かごキー

逆の場合も同じことです。簡素な見た目のひとは軽視されがちです。特定の場所への出入りを拒否されたり、悪ふざけや噂話の対象にされてしまうかもしれません。

しかし、誰だって思いやりをもって扱われたいと思っています。そのため、そのように扱われるように買い物をして服を変えることが必要、むしろ必要不可欠だと思う罠にはまってしまいやすいのです。

このメカニズムの難しいところは、精神的にとてももろいということです。高い洋服を脱いだら、また恥ずかしい思いをします。洋服をもう一度身にまとえば、価値が戻ったように感じます。自尊心はまやかしとなり、全てが他人次第になります。このパターンにはまってしまうと、自己嫌悪を肯定していくのと同じです。 自尊心が全くないことを認めてしまっているのです。それはとても危険です。

受け入れることで幸せに

強迫観念にとらわれたように買い物をすることで心配なのは、それが中毒へと発展する可能性があることです。買い物をすることで、とりこになっている物質を消費するときに中毒者が得る、しあわせに似た感覚を得ることができてしまいます。薄れていくばかりの悦びを持続させるには、さらに多くの買い物をする必要が出てきます。

男性のシルエットを抱く女性

幸せを感じていないひとにはコンスタントに買い物をする傾向が見られます。虚無感に満たされていて、安心感を得られることができていないひとです。買い物は、ちっぽけな存在という感覚への一時的な解毒剤なのです。

しかし、そこに幸せはありません。様々な研究によって、本当の幸せを生み出すのは物や物質主義ではなく、経験に関係していることが証明されています。 経験はあなたの内なる世界を刺激し、いきいきと感じさせてくれます。一方、買い物も経験だとはいえ、表面的な一時の興奮を与えてくれるだけです。

何かを買った瞬間のことを思い出すことはほとんどないでしょう。しかし、ファーストキス、面白かったこと、いい仕事をして褒められた日のことは、いつまでも覚えています。

周りの人と親密につながっていると感じることで、人は喜びと幸せを得ることができます。地域の行事、家族や周りとのコミュニケーションに意欲的になることで、様々なことが得られます。友人と時間を共有したり、世界に興味をもってみてください。幸せと喜びは世界と人生そのものを受け入れることで得られるのです。

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