過剰空想とは

過剰空想とは

最後の更新: 21 4月, 2019

過剰空想は、変わった症候群です。これに苦しむ人は、 自分の空想に多くの時間を費やし、完全に現実から断絶されてしまいます。誰しも空想に浸ることがありますが、極端に行ってしまう人もいるのです。この極端な白昼夢のせいで孤立して、食事、責任、人間関係などをおざなりにしてしまうかもしれません。

病気についてお話しする時、少し警戒して、普通の行為を病気かのように扱っているのではないか、と疑う人もいるでしょう。この点についてはっきりさせておきたいのは、人としての日常生活に支障をきたし始めた時点で、全てのふるまいは臨床的な視点から分析されるべきだということです。

空想や夢を利用して自分自身を何時間も現実から孤立させてしまったり、自己ネグレクトの段階までに感情的な対立やトラウマから逃げてしまったりしている場合、心理学的に病的なふるまいと言えます。

白昼夢自体は問題ではありません。きちんと機能した一日を送っていれば問題ありません。95%の人がこの分類に入ります。さらに、誰だって空想します。空想を通じて、頭の俊敏性を高めてくれる様々な脳の部分を活性化します。そのため、感覚的情報に関係している前頭前皮質、大脳辺縁系、皮質領などの構造が、自分の生活について考えたり、新しいプロジェクトを発展させたり、気分を改善するのを助けてくれるのです。

一般的に、白昼夢は、精神が「リセット」をする、1日の中の小さな瞬間です。自分の福祉のための一瞬の退避です。しかし、これらの自分だけの世界を現実世界より好むようになってくると、問題になります。極端な白昼夢の問題の裏には、根本的な問題が存在しているものです。これは、様々なトラウマ、強迫性障害、対立などです

データを詳しく見ていきましょう。

 

考え


過剰空想障害:特徴

過剰空想障害は、精神障害の診断と統計マニュアル (DSM-V)にはまだ組み込まれてはいません。より多くの研究や治療法が確立されてから、今後組み込まれていくことが予測されています。2002年、ハイファ大学の精神科医のイーライ・ソマーがこの病気に関して言及しています。彼のおかげでこの病気は名前を得て、関連症状が説明されました。症状には次のようなものがあります。

  • これらの患者は、夢見る者である。彼らは、自分のキャラクターを作り出して、複雑、詳細かつ鮮やかな話に没頭することができる。
  • これらの空想が現実世界へ介入する。日々の刺激が、新しい物語を生み出すきっかけとなる。つまり、今実際に何をしているかということを考慮せずにのめり込んでしまう、新しい内的な物語のこと。
  • 食事や衛生など基本的なことを怠る。
  • 夜眠れない。
  • 起きている時は、表情を含めて繰り返しの定型化された動きを行いがち。
  • 空想中は、低い声で話したり独り言を言ったりして、自分の空想に浸る。
  • これらの空想は数時間にわたる。これを終えて現実に戻ることで、中毒のように高い不安を覚える。
クロースアップ

過剰空想障害の裏にあるものとは?

すでに示唆してきたように、この障害はまだ分析がされている途中です。しかし、多くの精神科医や心理学者が、これらの患者を日々治療しています。データや治療のアプローチ法などが頻繁に発表されているようです。そのため、この障害は益々解明されていて、専門的な実験などで今ある情報が証明されています。

過剰空想障害が単体で現れることはありません。別の障害や問題が伴います。その例を次に見ていきましょう。

  • 虐待に苦しんだり、その他のトラウマ的な出来事を経験した人。
  • 鬱を抱えた患者も、過剰空想障害を見せることがある。
  • 強迫性障害。
  • 境界性パーソナリティ障害や解離性障害。
  • また、自閉症スペクトラム障害でもこのような傾向を見せる。

過剰空想障害の治療

過剰空想障害を抱える患者を治療している専門家は、まずこの障害の根本的な問題の原因を正確に特定しようとします。治療の戦略は、鬱を抱えている人や強迫性障害を抱えている人のものとは異なります。これこそ挑戦であり、この障害に立ち向かう際のスタート地点です。

精神科医のイーライ・ソマーは、このタイプの臨床的な病気を診断するための基準を考え出しました。「過剰空想障害基準(MDS)」には、この病気を定義する4つの基準があります。これは、統合失調症や精神異常などの別の病気との差別化に役立ちます。

一方、心理的治療法であるEMDR (眼球運動による脱感作および再処理法)は、この病気の治療に大きな効果を見せています。これは、トラウマ的な出来事によって引き起こされる感情的な困難に対処するための面白いアプローチです。1987 年にフランシーン・シャピロによって提唱されました。

「時に、精神は大きな打撃を受けて隠れて孤立する。現実には、痛みしかないこともある。痛みから逃れるために、精神は現実を諦める。」

-パトリック・ロスファス-

セラピー

同様に、認知行動療法も効果的な治療です。この治療では、次のようなことを目的とします。

  • 患者と現実をつなげる。
  • 活動や時間のコントロールを促進する。
  • 白昼夢を生み出す刺激を特定する。
  • 意識を改善する。
  • 健全な生活習慣を身に付ける。
  • 患者を日々の生活に組み込んでいけるような関心を促進する。

あるふるまいが、充足した幸せで責任のある生活を存分に送る機会を奪い去ってしまことがあるということを覚えておきましょう。過剰空想は、自分自身を辛いまたは意味のない現実から孤立させるために利用する「薬」なのです。

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