愛は自尊心を高めるもの

愛は自尊心を高めるもの

最後の更新: 12 10月, 2017

誰かを愛するという事は、エゴを満たすのとは違います。互いを励まし、サポートし、尊重する心のつながりなのです。賢い愛情は盲目ではなく、共に分別と自覚がある大人として認めあい、相手の自尊心を大切にし、羽を折るのではなく高く舞い上がれるよう願うものです。

愛は、優雅さ、エロチックさ、神聖さ、世俗的なもの全てが織り込まれたミステリーが存在する芸術だと言われています。非現実的な愛の形やイメージを与えてくれる文化の遺産に心を奪われる事もあるでしょう。なぜならこの芸術は、熟考ではなく、創造と努力と互いへの誓いの元に成り立っているからです。

「人を愛するためには 自分を愛せなければならない」

- エクハート・トーレ -

 

人は詩や映画、文学などに愛のイメージが作り上げられるのを委ねてきました。なぜならこの広大な海では誰も船長になどなれず、厳しい台地では誰もがただの探検家だからです。例えば、愛は時に苦しいものです。本来ならば痛みのないものでなければないのにも関わらず、繰り返しこの苦しみはやって来ます。

愛の中で幸せを感じる代わりに、尊厳という葉が一枚一枚舞い落ちていくのをただ見ているだけなのです。まるで使い古したコートが薄汚れダメになってしまうように、自尊心をボロボロにしてしまう事もあります。もっと賢い視点から、これについて見てみましょう。

自転車に乗るカップル

 

飽くなき探求、愛を求めて

りんごを食べたいと欲する人がいます。りんごの木を植えてすぐに果実がなり始めます。快楽に終わりはなく、何週間もその実を食べ続けようとするでしょう。すると今度は、働くことなく食べるという事に喜びを感じるようになります。ですが次の季節が来る頃には、美しかったりんごの木は枯れ始め、その実をつける事はなくなるのです。

これは人間関係における感情にも同じことが言えます。愛をどこまでも探し求め、常に必要とし、快楽に溺れる人がいます。ですが、この素晴らしくもデリケートな関係の根っこに栄養を与える事を忘れてしまいます。自尊心や誠実さ、互いへの誓いを破壊してしまうのです。

彼らは寂しさを満たすものを探し続けています。愛が安心感と同じだと思っているのです。愛という糸を使って、破れた心を縫い合わせる事が出来る人を求めているのです。ですがこれは良い事ではありません。愛の芸術は、相手の自尊心を無慈悲に破壊してしまう事に喜びを感じるものではありません。

操り人形の二人

エーリッヒ・フロムはかつてこう言っています。「もし愛がただの感情や感覚なら、永久の愛など存在しない。なぜなら感情は常に現れたり去ったりするからだ。」愛は、自分やパートナーに対しての尊厳が第一でなければなりません。

自分の欲求や恐れ、孤独を満たすものとして考える代わりに、素晴らしい出会いだと考えてみてください。そうすることで、この予期しなかった出会いは本物の愛へと変わっていくのです。

 

愛は自尊心を高める

幸せで、分別があり、自覚のあるカップルは、2人であると同時に1つになる事が出来ると言います。これは疑う余地もなく、全ての人が達成するべき愛の形です。ですがどうすれば良いのでしょうか? 誰でも出来る方法があります。それは、2人が1つになる前に、あなたがあなた自身である事が出来るようになるという事です。

恐れることなく自分を愛しましょう。利己主義に陥ることなく、自分が自分であることを愛おしく思い喜びを感じるべきです。それが自尊心を守る事となり、ひいてはパートナーの自尊心をも高める事になるのです。

理想的な愛の形を作り上げるヒントをいくつかご紹介しましょう。

 

「2人の人間の出会いは、まるで化学反応のようである。そこに反応があるなら、互いが変化するだろう」

- カール・ヤング -

 

抱き合う宇宙と地球のカップル

 

恋愛関係で自尊心を高め、敬うヒント

健全な愛は、常に自分自身への愛から始まります。自分自身が大嫌いだという人と一緒にいる事を想像してみてください。あなたを24時間絶えず喜ばせようとし続ける人と一緒にいる事を想像してみてください。あなたが息をしたい時その人が空気を与え、あなたが怪我をするとその人は喜んであなたの代わりに血を流そうとするでしょう。

こういう2人が築き上げた関係性は、本当のあなた自身の根っこにあるものを隠してしまいます。あなたの弱点、空虚感、不安は以前にも増して大きなものとなっていくでしょう。

自己愛と互いへの愛を結びつける事が出来るようにならなければなりません。2つがバラバラではだめなのです。なぜなら恋人同士でいる事は、互いを思いやり、息が詰まらない関係でなければならないからです。片方の心が弱まれば、エネルギーと勇気と、愛情を持ってもう片方の心がそれを支えるのです。

2人の関係の中に毎日愛情が生まれるという事は、自分の人格を失う事も、相手のために自分自身を放棄する事もしなくて良いという事なのです。互いの違いを認め合い、それでいて1つになることが出来 るのです。


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