分離不安:愛着が子どもにとって健全である理由
分離不安は、どんな子供にも起こりえます。そして、その子供の日々の生活の形成に大きく影響します。大人に起こる不安障害を引き起こす問題を考えてみてください。メンタルヘルスだけでなく、肉体的なレベルでも影響があります。
子どもは、まだ自分の感情を制御する能力が発達しきっていないということは、皆さんお分かりかと思います。
残念ながら、子どもは自分の幼少時代を悲しい時に変えてしまう習慣的な感情の状態から抜け出せなくなることがあります。しかし、全く逆の可能性も彼らの中には存在しています。
子どもが内面化させてしまう真実のひとつは、彼らにとって大事な人が自分のそばを離れるとき、捨てられてしまったと感じることです。
「幸せな子ども時代を送るのに遅すぎることはない」
-トム・ロビンズ-
分離不安とはなにか?
分離不安とは、親や自分が愛着を持つ人から離れるときに子どもが感じる不安です。小さい子どもにこのような感情が現れるのは普通ですが、すぐになくなってしまうことも普通です。
これは、親が自分から離れてもいつも戻ってくることで普通になっていきます。もう捨てられたかのようには感じず、一時的な不在と見ます。それでは、これはいつ問題になってくるのでしょうか?
この不安は、激しすぎたり分離が正常化されないときには危険です。最終的に病気に発展します。分離不安障害です。
分離不安の診断基準
分離不安と診断されるには、子どもが次の症状の中から最低でも3つを見せる必要があります。
- 家や愛着がある人との分離を予測したり経験した時の異常な慢性的不快感。
- 家以外で寝たり、自分が愛着を持つ人がそばにいないで寝たりすることに対する反抗や拒否。
- 最も愛着を感じる人を失う、あるいは、それらの人に病気、けが、自然災害、死など何か起こるのではないかという異常で慢性的な不安。
- 何かが愛着を抱く人から自分を引き裂く可能性への異常で慢性的な不安(迷子、誘拐、事故、病気など)。
- 学校、仕事、他の場所など、家から離れることに対する恐怖からくる反抗や拒否。
- 家でも別の場所でも、ひとりでいることや愛着を持つ人がいない状態への異常で慢性的な恐怖。
- 分離に関する悪夢。
- 分離が疑われたり経験したりするときの頻繁に起こる身体的な症状。頭痛、腹痛、吐き気、嘔吐など。
それに加えて、恐怖や回避がコンスタントに見られ、4週間以上にわたっていることが条件です。子どもの人生が大きく影響を受けるのはこのためです。
これを経験する子どもは、かなりの不快感を感じます。苦しむのは子どもだけではありません。自分がそばを離れるために子どもが苦しむのを目撃する親も苦しみます。
「常に子どものために未来を構築できるわけではない。しかし、未来のために子どもを構築することはできる。」
-フランクリン・ルーズベルト-
分離不安の原因とは?
分離不安は、社会的孤立、成績の低下、他の心理的・感情的問題を引き起こします。しかし、それだけではありません。
睡眠障害を引き起こしたり、家族の間に対立を生み出したりすることもわかっています。だから、分離不安に子どもを陥れてしまう要因を知っておくことが重要です。
まず初めに、親と常に一緒にいることは子どもにとって有害です。子どもとの時間を過ごすべきではないということではありません。しかし、子どもと親が別々に過ごす時間があるべきだということです。なぜでしょう?
短い分離の時間がなかったら、子どもが慣れることなんてありません。そのような状態では、分離が避けられないときは恐らく大げさに反応するでしょう。
別の言葉で言えば、分離不安へ習慣的に「はまって」しまうのは、そういう機会を子どもが持っているからです。一番いいのは、短い不在の時間からはじめて、それを延長していくことです。
「子ども時代には、ドアが開いて未来を受け入れる瞬間がいつでも存在します。」
-グレアム・グリーン-
予期しないトラウマ的な状況は、子どもの不安症を条件付け、感情的に抑制させます。例えば、学校へ行くこと、病院へ行くこと、家族の死などです。
親がすべきこと
最後に、その瞬間に不安を増幅させ、子どもの依存的ふるまいを強化してしまう親がいます。今回お話ししてきたのは子どもたちについてです。しかし、分離不安をもった親が子どもに不安を感染させてしまうこともあります。
だから子どもは自立できないのです。親のコンタクトや保護に依存しすぎるようになります。愛着を感じている人たちが、自立を促していくことが重要です。
あなたがそれをできれば、子どものそばを離れたときに子どもが不安症でいっぱいいっぱいにならないようにするための親の役目が果たせます。