自分を信じることができれば、人は成長し続ける!
私は自分自身を信じられている時、より良い決断を下すことができます。自分の経験を信頼し、自分の価値やニーズを思い返せていると、我が道を進む糧になるような強さが覚醒するのです。これにより、自分の望む現実を構築して成長し、前進することができます。それができて初めて、障害物を乗り越え、重荷を肩から下ろし、自分を傷つけるような物事を捨て去って、我が身に降りかかる良いことばかりに集中することができるのです。
上記の文を読んでいただくと、一見簡単そうに思えるかもしれません。そうだったらいいなと思えたのではないでしょうか。結局のところ、個人的な成長や自己啓発などの分野で 最初に命じられるのが、自分自身を信じられるようになれ、という指令です。しかし、多くの人々がこのトピックに関する記事をいくつも読んだことがあるにも関わらず、それを自身の生活に取り入れられていない人もいます。
多くの気分障害の背後には、信頼の欠如や自己賛美の欠如といった要因が潜んでいます。これが自尊心に悪影響を与え、自分を制約するような批判的な内的対話に頭の中を支配されてしまうのです。
実際には、ある日突然自分を信用するのをやめてしまうというわけではありません。これは何年にも、あるいは何十年にもわたる過程なのです。実は、幼少期および思春期の間に、人々は一連のネガティブ思考あるいは自己肯定感のどちらかを受け入れ始めます。
“自分が羽ばたけるかどうかに疑いを抱いた瞬間、それを実現する力は永久に奪われてしまうのだ”
-J・M・バリー-
成長への道のりに必要となるのは、自己変革
20世紀における最も高名な心理学者の一人であるアブラハム・マズローは、人生において、人には二つの選択肢が用意されている、と述べました。一つ目は安全な道のりを進むこと、そして二つ目は成長に向かって進んでいくことです。
満足感や自己実現といった境地を目指したいのであれば、成長への道のりを選ばなくてはなりません。ただ、そのような選択には恐怖心を退けて立ち上がることが求められます。
そうは言っても、これは簡単なタスクではありません。自らの夢や目標、そしてニーズに応じて成長し、発展していくためには、自分に制約を与えるような数多くの思い込みを無効化する必要があります。また、非合理的な考えや恐怖心も捨て去らなければなりません。
実は、たくさんの人々がその低すぎる自尊心の問題でセラピーに通っています。自分自身を制限し、本来持つ人としてのポテンシャルをかなり引き下げてしまっているのです。
では、なぜこのような事態が起きてしまうのでしょうか?
あなたの潜在能力を最小化する初期の経験
自分自身を信頼できている時、私は普段よりも幸福でより安全な気持ちでいられます。しかし、私は自分に関する何か特別な点を認識することができません。私には優れた技術があるわけではないですし、誇りに思えるような偉業を成し遂げたわけでもありません。私はいつも、自分のことを自分自身の肌の内側にいる見知らぬ誰かのように感じてしまいます。
このような思い込みは、幼少期から明らかに情緒面のサポートを受けて来られなかったような人々には非常によく見られます。このような場合、周囲からの承認や、安定した、頼ることのできる愛情に飢えています。こういった人々には、自分にはどんなことができて、どのように自分自身を表現できて、決断できて、自律的になることができて、自己の価値を認識できるのかを伝えられるような相手がいなかったのです。これが、あまりにも低い自尊心と自信とに現れ出てきます。
とどのつまり、誰からも「心の存在」を認めてもらえなかったような人々にとっては、自分自身を信じることは非常に困難なのです。
信念に関する心理学
2016年に、『Scientific Reports』誌で非常に興味深い研究が発表されました。ジョナス・カプラン博士と彼の仲間のチームが核磁気共鳴画像法(MRI)によって発見したのは、脳内で信念が持つパワーです。それが政治的な信念だろうと根拠のない考えだろうと、どの信念も複雑な神経網によって安全に守られていたのです。
さらに、この神経の結びつきは情動機能に関連する領域により強化されます。この仕組み全体が、自尊心の低い人々のネガティブな思い込みを強め、自分には素晴らしい潜在能力があることや、意思決定をする際には自分自身を信じるべきであることを理解するのがより難しくなっているのです。
したがって、他人からあなたには価値があるのだ、と主張されてもそれだけでは十分ではありません。なぜなら、本当の変化が起こるのは自分自身でその有害な考え方や信念を「組み立て直せ」た時だからです。
私は自分を信じており、今こそ成長すべき時だとわかっている
自分を信じられている時、私はより良い決断を下すことができます。ついに勇気を出して自分の中に浸透していた古い信念や考えに疑いの目を向けられた時、私は自分に制約を与えるような恐怖心や自分を蝕んでいた不安を排除することができるのです。
心の内側を洗浄し、他人から刷り込まれた批判的な考え方や、気づかないうちにゆっくりと自己価値を侵食していた思い込みなどを排除するのは容易なことではありません。
どんな人にでも潜在能力は備わっており、誰もが人生の中で適切に自らを主張できる能力、そして自分を制限するような信念を捨て去る能力を有しています。今こそ成長し、アブラハム・マズローが指摘した自己実現の道のりを選択すべき時なのです。
私は自分自身を信じ、私の持つ価値を信じています。これから先私は、自分を取り巻く条件からは影響を受けないようにし、自らの決断こそが私という人間を形作るのだという事実を理解していきます。その決断が、困難を乗り越えさせてくれ、私に真に見合った幸福を見つけさせてくれるでしょう。
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- Kaplan, J., Gimbel, S. & Harris, S. Neural correlates of maintaining one’s political beliefs in the face of counterevidence. Sci Rep 6,39589 (2016). https://doi.org/10.1038/srep39589