買い物依存症をコントロールする方法とは?
買い物依存症をコントロールすることは、一部の人にとって大きな試練となっています。買い物を楽しむ人々にとって、本来必要ではないものを衝動買いしたくなる衝動を抑えることは、困難に感じられることもあるのです。物を買うことで不安感をコントロールできるからです。しかし、そのせいで衝動買いが非常に不健全なコーピングメカニズムになってしまっています。
買い物によって得られる安堵感を感じた直後に、買い物依存症(CBD)の人々は大抵、強烈な罪悪感や苦痛を経験します。その結果最高レベルの不安感が再び蘇り、それが買い物前より悪化している場合もあるのです。これは本人だけでなくその人物の身近な人々をも大きく傷つける悪循環だと言えるでしょう。だからこそ本日は、買い物依存症に対処するための戦略をいくつか紹介したいと思います。
衝動買いの特徴
買い物依存症は衝動制御障害に関連している傾向があります。オニオマニア(乱買癖)としても知られており、背景には気分障害や摂食障害、パーソナリティ障害などが潜んでいる場合があります。以下が、買い物依存症の主な特徴です。
- 余計な、不必要なアイテムを購入する。
- そのアイテムを所有できるかどうか極度に不安がったり心配したりする。
- そのアイテムを購入することに関する強迫観念によって引き起こされる不眠。
- 買い物をしたいという制御不能な欲求。
- 何かを買うことで当面は満足感を感じられ、一時的に不愉快な症状から解放される。
- その束の間の高揚感の後には、罪悪感や不満を感じる。
欲しかった商品を入手すると、その瞬間は満足感を感じることができます。しかし前述の通り、CBDの人々はしばしば、必要ではないものを買いたいという衝動を抑えられなかったことを恥じたり、罪の意識を抱いてしまうのです。そしてその罪悪感は購入が予算内に納まらなかった時や、自分自身に対して抱いているイメージに一致していなかった時(自己概念の不協和)にさらに強まります。
「悪いことをしている」という感覚から、自身の行動を隠すようになります。時には、そのアイテムの入手先や値段について嘘をつくことすらあるほどです。そして結果として生じる他人を騙すような振る舞いをしていることへの羞恥心が不安を作動させ、さらなる衝動買いまでをも引き起こします。何かを買った時に得られる安堵の感覚があまりにも魅力的であるために、その結果抱くことになる罪悪感や羞恥の存在が薄れてしまうのです。この悪循環から抜け出すのは簡単なことではありません。
衝動買いに関連する感情と、長期的な影響
買い物をする前まで、オニオマニアの人々は極度の心地悪さを感じています。そしてそこから自らを解放してくれるのは物を買うという行為のみです。その結果、買い物を自分の問題を解決してくれる「魔法」のような行為だと見なすようになります。
しかしすでにご覧いただいた通り、この「魔法の薬」にはそれなりの副作用が伴います。まず、衝動買いは長期間に渡ってかなりの罪悪感を生み出すため、そのせいでさらなる買い物行為が引き起こされます。これは、どんな依存症でも見られる悪循環です。
また、買い物に依存する人々は時間とともに体制をつけていきます。これはつまり、それまでと同じ安堵感を得るためには、購入しなければならない分量がその都度増加していくということを意味するのです。買い物依存症によって引き起こされるもう一つの悪影響は、金銭トラブルが起こりやすくなるということです。買い物をし続けるのに十分なお金を得るためにローンを組まなければならなくなったり、自分の持ち物を売らなければならなくなる恐れがあります。
買い物依存をコントロールするための戦略
乱買癖を抑える上でカギとなるのは何よりもまず、心理療法です。専門家であれば特に、リスクの高まる時期に注意を払うことができます。それは例えば、買い物依存症を抱える人物が長時間インターネット環境の整った自宅で過ごしている時期などです。オンラインでの衝動買いを抑え込むのは、入手可能商品の豊富さゆえ、店頭での購入の場合よりもさらに困難なのです。また、実際にお金を使っているという感覚を忘れがちになってしまうために、オンライン決済も衝動買いを助長する要因となります。
また、家族にこの病気の症状を理解してもらうことも重要です。買い物への依存と戦う上で、家族からのサポートは非常に大切なのです。そのサポートが得られない場合、家族自体が不快な感情の源となってしまう恐れがあります。例えば配偶者があまりにもお金を使い過ぎていることを発見すると、家族の金銭問題をその人のせいにして責め立てずにいられなくなるかもしれません。しかし依存症を非難の的にして諸悪の根源のように扱っても結局は何の意味もないばかりか、さらなる衝動買いを引き起こしてしまいかねないのです。
以下では、買い物依存症をコントロールするためのガイドラインを紹介しています。
クレジットカードやデビッドカードの使用を避ける
本物のお金を使うことで、自分が消費している金額への意識を高めることができます。クレジットカードでささっと決済するよりも、大量のお札を手渡すことの方がハードルが高いですよね。そのため、衝動買いへの応急処置としては、ギフトカードの使用だけを許す、というものが挙げられます。そうすることで現金を持ち運ぶ不便さから解放されるだけでなく、決めていた予算以内の金額しか使わずに済むようになるはずです。
1ヶ月の最大支出額を予測する
生活必需品以外の買い物に使う予算を設定しましょう。その金額以上の買い物をして自分にご褒美を与えるのは避けてください。目標を達成した時にお祝いをするのは良いことです。しかし買い物依存症に苦しんでいるのであれば、そのお祝いのためにさらに何かを購入するというのは止めるべきです。代わりに誰か他の人と目標を共有し、それを成し遂げた時にその人物から認めてもらえることを励みにすると良いでしょう。
ショッピングモールに行く際は、自家用車ではなく公共交通機関で
こうすることで買い過ぎを思いとどまることができます。買いたいという衝動を感じていると、買い物にかける時間はさらに長くなり、そのせいで不快感も強まるはずです。列に並ばなければならない、人混みの中に行かなければならない、と想像するだけで、不要なものを購入する意欲を削ぐには十分でしょう。
消費額を記録する
週の終わり(あるいは月の終わり)に消費額を記録しましょう。これにより、不必要な商品に対して自分がどれくらいお金を使っているか把握することができます。また、気分が落ち込んでいる時に自分がどんなタイプのアイテムを買っているのかを特定することにもつながります。
必要なものを買うのに十分な金額だけを持って外出する
必需品を買うのに必要な金額ぴったりを持って出かけるようにしましょう。そうすることで余分な買い物を防ぐことができます。何が必要不可欠で、何がそうでないかをじっくり考えることは常に効果的です。嫌な気分に陥っている時には、買いたいものイコール絶対必要なもの、と安易に考えてしまいがちだという事実を覚えておいてください。
買い物依存症をコントロールするのは容易なことではありません。しかしこの問題に対処せずにいると、この悪癖に人生を左右されてしまう恐れがあります。また、買い物依存症は周囲の人との関係性にもダメージを与えかねません。心理療法が、この悪循環から抜け出す手助けとなってくれるでしょう。
引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。
Black DW. (1996). Compulsive buying: a re – view. Journal of Clinical Psychiatry, 57: 50-4.
Echeburúa, E. (1999). ¿Adicciones…sin drogas? Las nuevas adicciones: juego, sexo, comida, compras, trabajo, internet. Bilbao: Desclée de Brouwer.
Gándara, J. J. (1996). Comprar por comprar. Madrid, Cauce editorial.
Monahan, P. , Black, D. W. & Gabel , J. (1995). Reliability and validity of a scale to measure change in persons with compulsive buying. Psychiatry Research, 64: 59-67.