完璧主義にとらわれていませんか?
完璧主義にとらわれている人がいます。自分で課した独房に自らを閉じ込め、鍵を投げ捨てている状態です。 理想の世界に思いをはせることだけに没頭しています。さらに、自らそこに閉じこもっているだけでなく、自分が始めたことをやりきらなかった場合は自分に罰を与えます。
それでも初めから終わりまできっちり計画を立てないと気が済みません。でも、どんな計画にも完璧は存在しないため、一生完璧には届きません。自分の脳内に作り出した独房に自分を閉じ込め、報酬システムを変えることができずに苦しみます。目標の達成の仕方はわかっていますが、達成の喜び方を知らない人たちです。
さらに、彼らの厳しさと柔軟性のなさは、家族やパートナーなどのと人間関係にもあらわれます。他人に距離を置き、孤独に生きることを好み、他人と親密になることを避けます。他人に心を許し自分の姿勢を変えるべきであるのに、それができません。このような理由で、他人から冷たい、無関心、と思われがちです。
すべてうまくいくわけではない
彼らの自己認識は、自分の仕事から発生します。しかし、仕事自体に対してストイックに完璧を追い求め、間違いを許しません。この要求は自身のみならず、同僚にも課されます。そのため仕事場で問題を引き起こす可能性があります。
どんな問題にも関係なく、すべてを指揮し、自分の意見が正しく正当であると信じている人がいます。もっと困ることは、プロジェクトを期限までに提出することができないことです。細部までこだわり、自分が理想とするものと全く同じものを作り出すために、時間厳守を犠牲にしてしまいます。
何度も何度も同じ方法で物事を行うミスにも陥りがちです。自分の考え方にとらわれ、今していることがいい結果を全く導き出していないとしてもです。 彼らは頭が切り落とされた鶏のように走り回り、結局目標を達成することがありません。
その考え方や行動の方法を変えるのはとても難しいです。「対象者の文化的な期待からかなり逸脱した、柔軟性のない行動パターン」化しているためです。
このような理由で、何をしても完璧主義者にとって満足に行くことはありません。完璧主義がすべてを左右し、彼らをとらえます。事態が悪化した場合、環境に適応するために専門家に相談する必要さえでてきます。
強迫性パーソナリティ障害
強迫性パーソナリティ障害とOCDとして知られる強迫性障害の区別をしっかりと理解することが大事です。おそらく、強迫観念と強迫行為が特徴のOCDのほうがよく知られているかと思います。
強迫観念とは、精神的な苦悩を生み出す浸食的かつ再発的な考えです。強迫行為は、自身の強迫観念が生み出す苦痛を回避するための振る舞い、または精神的な行為です。例えば、「部屋に入る前に3回ライトをつけないと家族に悪いことが起こる」(強迫観念)と繰り返し思っていたら、その悪いことを避けるためにライトを3回つけるようになります。(強迫行為)
強迫性パーソナリティ障害を持つ人には、現実レベルでも精神レベルでも、強迫観念的な症状や強迫行為が見られません。この障害は、完璧主義や精神的な厳格性などのOCDの特徴も見られますが、程度は軽めです。OCDにおいて、強迫観念や強迫行為はもっと拘束的です。
この記事を読んで、自分が完璧主義にとらわれていると気づいたら、躊躇せず専門医に相談してください。そうすることで、解放されます。また、完璧ではない世界に生きることは可能であるだけでなく 、厳格な生き方よりも健康的な生き方であると気づくことができます。