建設的な批判が人を成長させる

建設的な批判が人を成長させる

最後の更新: 20 9月, 2017

褒められるのも批判されるのも、どちらも受け入れるのは難しいものです。事実、褒められる事に関して、あまり居心地良く感じない人もいます。正しく行動しても、それに対する見返りを求めてはならないと私たちは教えれてきました。

また褒め言葉や批判に自尊心が左右されるというのはとても危険なことです。なぜなら、それは他人の意見に自分の自尊心が支配されているという事になるからです。褒め言葉は時に悪い影響を及ぼします。他人から褒められることによって自己愛が強くなりすぎると、人は自分に酔ったような状態になります。一方、批判された時の影響は全く反対のものです。自分に対する不信感が沸き、自分を責める傾向があります

何をするにせよ、必ずそこには成功と失敗、勝ち負けが存在します。問題はそれをどう受け止めるかです。目的に向かって歩む時、威厳を持って進むことが肝心です。周りからの批判を受け入れる事は、状況を良い方向に転換させる助けとなります。一方褒められると、人は努力することを怠ったり弱くなったりします。

叫ぶ手と聞く手

 

「生きていると批判されることは必ずある だが考え方次第で 傷つけられる事はなくなる」

 

批判は必然

評価する事は人間の思考の自然なプロセスです。これまで、肯定的な側面よりも否定的な側面に注意が向く事が多い文化に私たちは身を置いてきました。良い物事よりも悪い物事の方により敏感なのです。

批判に対する反応は人それぞれです。その批判が建設的な物か破壊的な物かというのは関係ありません。別々の人から全く同じ批判を受けても、その反応が違う時もあります。同じように批判されているのに、言われた側の心の中には全く正反対の感情が生まれたりするのです。

人が批判を受け止める時、それは相手がどう言ったかではなく、自分がどう解釈するかに左右されます。批判の内容やそれを言った相手に関係なく、受け止める側によって違った反応が生み出されるのです。批判の重要性をしっかり受け止め解釈する、そしてそれに対してどのような態度や言葉で反応をするかは、全て言われた本人次第なのです。

批判を聞かない男性

 

「批判は事が行われている時にするべきである;事が済んでから批判する癖をつけてはいけない。」

-毛沢東

 

褒め言葉を上手に吸収する方法

誰かをほめる時に大切なのは、その人そのものについてではなく、その人の行動や態度について褒めるべきです。そうすれば、その人がうぬぼれることなく考え方そのものに影響を与えることが出来ます。また同時に挑戦、辛抱強さ、学業における達成などにも素晴らしい効果を与えたりします。そこには静止と進化という2つの精神、心理があります。

逆に自分が褒め言葉を受ける側だった場合は、その言葉に肯定的な要素があるかどうかを考えてみましょう。もし仕事などがその言葉によって上手くいく場合は、肯定的だったと言えます。人間は認められるために生きているという作家もいますが、これは限られた人のみの真実だという事も否定できません。人によっては褒め言葉がプライドを築く基盤になる人もいます。プライドは身の回りに起こる出来事の現実と、その中で起きる行動の価値を捻じ曲げてしまいます。

 

建設的に褒めるとはどういうことか?

具体的にその事実と結果を褒めることで、その人をより一層強くすることが出来ます。「よくやっているよ」とか「頭がいいね」などという一般的な褒め言葉ではあまり効果がありません。「この問題の解決法はとても良かった」とか「好きではない仕事のはずなのに、しっかり達成する事が出来て素晴らしい」などと言う方が効果的です。

相手を褒めまくる男性

否定的な面のみを指摘すると挫折をまねき、肯定的な面のみを指摘すると心地よさをもたらします。問題はほとんどの人が、批判を受けることで自分を向上させるより、褒められることで堕落する方を選びがちだという事なのです

 

「穏やかな人の大いなる美徳とは、全ての批判に耳を傾け、真実を正し、嘘に惑わされないことだ」

 ― J.W フォン・ゲーテ

 


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。