心のおもりから解放されよう
この世界では、誰もが異なる大きさ・重さの心のおもりを背負って生きています。 きっとこの記事を読んでいるあなたもその一人ではないでしょうか。
そのおもりは過去 に経験した出来事そのものだったり、様々な経験が折り重なってできたものだっ たりするのですが、その大きさに関わらず共通している点があります。
それは私たちがその経験により傷つき、心を痛めたということです。このおもりは心に溜まれば溜まるほど重くななり、私たちが思っている以上に日常生活や人間関係に深く 影響していきます。
心のおもりは、私たち一人一人がその原因を知り、軽くする努力をしなければ、後に大きな傷となり得るえるのです。
心の錘は軽くできる
私たちは日々生きる中で自ずと負担をかけすぎる癖がついています。移り変わりの早い現代だからこそ体力的にも精神的にも自身の限度を超えやすいのではないでしょうか。
そして私たちが経験するすべてのことは、良し悪しに関係なく私たちの心に痕跡を残します。しかしここで覚えておきたいのは、どんなに辛い経験も私たちを高めてくれる材料であるということです。
決して私たちを過去に縛り付けておくための鎖ではあ りません。
ことあるごとに傷つきながら過ごすことと、傷ついた原因を探りその経験から学びながら過ごすことには、大きな違いがあるのです。
生きていると罪悪感を持ったり、裏切られたり、見捨てられたような気持ちになっ たり、虚無感に襲われたりすることがあります。しかしそれらの感情は、私たちが生きていく上で持ち続ける必要がないものです。
辛いことがあるとどうしても心が凍り付くように感じ、気がつくと私たちの記憶はその辛いことがあった日で止まってしまっています。ではどうすればこの心のおもりを軽くすることができるのでしょうか。
それは、私たちが自分の心のおもりの中身を見つめることから始まります。
まずそれが自分で作り上げたものなのか、それとも他人が植え付けたものなのかを見分けます。目には見えなくとも、感じることはできるはずです。
そこには言葉、 風景、音といった様々な要素が相まっているのではないでしょうか。これまでずっと背負ってきているものですから、ゆっくりと自分のペースで整理する必要があります。時間をかけて整理することで、自分の感情が長い間背負ってきたおもりと強く繋がっていることに気づくはずです。
そしてこれから先、何を受け入れて何を受け入れないのか、自分の中ではっきりさせておくことが大切です。おもりは、気を抜くとあっという間に重くなってしまい、常に自分と向き合うことが求められます。
心のおもりを受け入れる
生きていると色々なことがあります。しかし、心のおもりが重くなりすぎて、前に進めなくならないように注意しなければいけません。もしも歩き続ける気力が無くなりそうになったら、立ち止まって深呼吸をしましょう。周りの人が早歩きをしていても走っていても気にしないでください。
目の前の現実が混沌としている時は、過去に戻りたいと思うこともあるかもしれません。そんな時は自分を責めずに受け入れてみるのです。
ある出来事を忘れようと必死になる必要もありません。大事なのは忘れたくないことを無理に忘れようとするより、自分を苦しめている原因に気づき受けいれることなのです。
心のおもりを軽くしようとしたり受け入れる過程で、自分が自分でないような気持ちになることもあるかもしれません。なぜなら、自分の感情だけでなく物にも当てはまる様に、長い間溜め込んでいればいるほど手放すのに時間がかかるからです。
不思議なことに、長い間溜め込んでいるとそれが重荷だと思わなくなることもあります。そして気づかないうちにおもりとなるのです。 私たちは知らないことよりも知っていることを好む傾向があり、おもりにも同じことが言えるのです。
それは、背負うことに慣れてしまうと、背負っていない自分を想像することができなくなる、ということ。未知への不安は誰もが感じるもので、少しずつおもりを軽くすることに気を使いながら過ごしましょう。
私たちを苦しめるものはすべて手放すことができます。私たちが自分を受け入れることができれば、心のおもりが軽くなるだけでなく、蓄積しにくくなります。
特に大切なのは、喜怒哀楽の感情を無視しないこと。嬉しいことや楽しいことがあっ たら思いっきり喜び、怒りたかったら怒り、哀しかったら思いっきり哀しむのです。 その場の感情を常に抑えてしまうと、表現したくても出来なくなっていきます。
誰かに伝えなくても自分の中で感じきることはたくさんあります。親しい友人などと共有することも良いですが、自分一人でも感情の海に浸ることはできるのです。その場で思いっきり感じ、それを溜めこまないことで、精神的に楽になることができます。
最後に、自分の感情を受け入れることは、自分自身を受け入れることに繋がることを忘れないでください。少しずつ、時間と共に感情の波が安定していくことに気づくでしょう。
何ら変化のない毎日に思えても、私たちの目の前の景色は常に移り変わっています。だからこそ、どんな時も自分の感情に向き合うことを忘れないようにしたいものです。自分と向き合うことに慣れると、将来心を揺るがす出来事があっても、そこから学び活かしていくことができるようになるのです。
水が流れ続けることで透明度を保つように、私たちも流れるように感情を受け入れ手放すことが大切です。感情は私たちに備わっているガイドのようなもので、無視せずに感じ続けることで人生に豊かさを運んできてくれることでしょう。