神経科学に学ぶ、望んだ結果を手にする方法

12 11月, 2020
頭脳の働き方を理解することで、欲しいものを手に入れやすくなるかもしれません。その全ては、自らの潜在能力を最大限に活かすために、脳内の精神生物学的プロセスを調和させられるかどうかにかかっています。

欲しいものを手に入れるためにしなければならないのは、流れ星にお願い事をしたり幸運を祈ったりすることではありません。願望とは果たすべき目標です。そして努力と真剣な取り組みとほんの少しの熱意があればその目標は達成することができます。神経科学を学ぶことは脳の働き方や自分の持つ潜在能力を発揮する方法の理解に繋がり、結果として目標達成までの道のりにおいて私たちを導いてくれるような魅力的で有益な見識を手にすることができるでしょう。

専門家たちは、人間の頭脳に魅了されています。事実、脳の働き方を知ることは、私たちが自分自身をよりよく理解し、その働きに逆らうのではなくうまく活用するための最初のステップなのです。

カール・セーガンが著書『サイエンス・アドベンチャー』の中で語ったように、理解という言葉は幸福と同義であり、有用な物事を学ぶこと以上に満足感を得られる行為などほぼ何も存在しません。したがって、望みを叶えやすくするためのアプローチや戦略、そしてキーポイントを把握しておくことは素晴らしいアイディアだと言えます。そうすることで、人生を一変させられるかもしれませんよ!

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頭脳は、望んだ結果を手にするための手伝いをしてくれる

人間にはパワーがあります。それは超自然的なパワーではなく、自分の手で発達させ、採用することのできる技術によって培われる能力のことです。具体的には、クリエイティビティや何かを信じる力、夢を抱いたり辛抱強く粘ったり、計画を立てたりする能力、そして何より頭脳が自分にもたらしてくれる全ての利点を有効活用する力を指します。

そのため、これらのプロセスを最大限に活かす方法を知っておくことは望みを叶えるに当たって非常に有益な戦略だと言えるのです。自分でも気づかないうちに、私たちは脳の自然な働きに逆らった振る舞い方をしてしまっているかもしれません。そのような習慣が体内バランスに有害であることは明白でしょう。しかし頭脳とうまく調和した状態を保つことができれば、目標を達成するための備えをより強固にすることができるのです。

遺伝学者のフランシス・コリンズは、頭脳こそこの世で最も複雑な器官であると述べました。脳は何十億ものニューロンを有しており、各ニューロンはおよそ一万もの神経接続を司っています。この驚異的な容量を自分自身の利益のために使わない手はないですよね?幸せになるために、そしてもっと満ち足りた生活を送るためにこれらの自然がもたらしてくれた機能を利用できると考えるとワクワクしてきませんか?

ではここからは、願望を成就させるのに役立つ戦略をいくつか見ていきましょう。

実現したいことがあるのなら、計画を立てて健康的な習慣を取り入れよう

頭脳は、時間を管理し、安全を保証してくれるような習慣、ルーティーン、そしてアクティビティを必要としています。これらの要素を取り入れることで、ストレスを減らして無数の脳内プロセスを調整することができるのです。これらの習慣を採用した結果として集中力を高めてくれる脳領域は、線条体と呼ばれています。

ルーティーンは、身体と頭脳とが目標達成に向けて協調して働くのを助けます。決まった時間に何を行う予定かが分かっていることで、やるべきことを遅らせたり先延ばしにしてしまう回数も減らすことができるはずです。

欲しいものを手に入れるための最初の一歩は、計画を立ててスケジュールを組むことです。

運動や音楽でネガティブ思考を無効にしよう

望みを叶えるためには、私たち人間の最大の敵、敗北主義とネガティビティの二つに立ち向かわねばなりません。こういった思考態度は、「そんなことは忘れよう、自分にできるわけがない」、「そんなの不可能だよ」などという心の声として現れます。

この敵との戦いに挑むに当たって試していただきたい戦略が二つあります。一つ目は体を動かすことです。散歩をしたり踊ったり、あるいは自転車に乗るなどの身体活動を行いましょう。どのアクティビティを選んでも構いません。重要なのは、身体と心臓を活性化させることで脳内にエンドルフィンとセロトニンを提供することです。ほんの30分ほどの運動であっても、行なった後には違った視点から物事を考えられるようになるでしょう。

そして二つ目の戦略は、音楽を聴くことです。音楽は気分を上げてくれるだけでなく、選択的注意能力(たくさんの情報がある中で自身にとって重要な情報だけを選び、それに注目する能力)も向上させてくれます。ジュネーブ大学によって行われたこちらの研究などがこの仮説の正しさを証明しました。

自分自身を信じよう

ウェルカム・トラストというロンドンにある生物医学研究センターの科学者たちは、2012年にとある興味深い研究を行いました。この研究の目的は、なぜ一部の人々は普通の人よりも適切な選択や判断を行うことができるのか、なぜ望んでいる結果に合わせて動くことができるのか、そしてなぜその目標を達成できる傾向が高いのかを理解することでした。

そしてMRIスキャンによって明らかになったのが、意思決定が行われる前の頭脳では、前方部分、具体的には左腹内側前頭前野がかなりの度合いで活性化しているという事実です。このことは何を意味するのでしょうか?この事実は、脳のこの領域こそがあらゆる選択肢の吟味を助けているということを示唆しています。これを適切に行うためにもう一つ別のプロセスが機能しているのですが、それがまさに自分に対する自信なのです。

私たちは自分自身を信じなければなりません。自分が望んでいるものと調和できて初めて、そして自分の能力を信じることができて初めて、私たちは優れた決断を下すことができるのです。人間には、自分にとって何を行うのが最善なのかを理解する能力があります。恐れを感じ、確信が持てない状態のままでは正しい道を歩んでいくことは難しいでしょう。

神経科学に学ぶ、望んだ結果を手にする方法

疲れている時にはクリエイティブなことをしよう

目標達成に向けて懸命に努力していると、精神的にヘトヘトになってしまいやすくなります。精神的疲労に対する反応として多くの人はテレビを見るなどの当たり障りのない活動を行います。労力の要らない、ただ受け身な観察者でいられるようなものを求めるのです。

常識に反しているように思えるかもしれませんが、疲れている時にはクリエイティブなことをする方が実はよっぽど脳を喜ばせることができます。落書き、彫刻、作曲、絵を描くこと、頭脳を活性化させてモチベーションを上げてくれるようなものなら何でも構いません。ミハイ・チクセントミハイによれば、これらの活動を行なっている時、人は「フロー」という状態に入るそうです。これが、ウェルビーイングや幸福感に繋がります。

不安を強みとして活用しよう

最後にもう一つ、望みを叶えるために知っておくべき大切なことをご紹介します。おそらく皆さんが考えていらっしゃる以上に、目標達成のためには適切な内部活性が必要となるのです。言い換えると、このプロセスにおいては不安が非常に重要な役割を担っています。

結論に飛びつく前にまずは、健全なタイプの不安についてお話ししておきましょう。これこそが、モチベーションを活性化させ、行動を起こさせて周囲の刺激への反応を行わせてくれる要因なのです。この健全な不安により注意力が高まり、潜在的なチャンスを掴み取りやすくなります。

もちろん、身体と心との調和を保つことができていれば、不安感に自らを支配されてしまう恐れなどないという確信を持つことができるでしょう。しかし不安に主導権を奪われてしまうようでは、脳はもはや味方になってはくれません。夢は懸念へと変わり、目標を達成するのが非常に困難になってしまうはずです。そのことを忘れないでおいてくださいね!

最後になりますが、今回紹介した戦略は全て、望んだ結果を手にするためのスタートポイントです。また、メンタルをセルフケアする方法としても素晴らしいものばかりですので、ぜひ今日から試してみてください!

  • Benedetto De Martino, Stephen M Fleming, Neil Garrett, Raymond J Dolan. Confidence in value-based choice. Nature Neuroscience, 2012; DOI: 10.1038/nn.3279
  • Fernandez, N. B., Trost, W. J., & Vuilleumier, P. (2020). Brain networks mediating the influence of background music on selective attention. Social Cognitive and Affective Neuroscience14(12), 1441–1452. https://doi.org/10.1093/scan/nsaa004