チャンスを逃したとき…
逃したチャンスについて何度も考えることがありますか? 目の前で電車が通り過ぎた時のような感覚です。いなくなってしまった好きな人や採用されなかった仕事、行かなかった旅行など、過去について話す人がいます。これらの話は「今」に、あまり良い影響を与えません。
私達は、過去を元に自分の信念や世界観を作り上げます。自分の周りで起きることを反映させ、自分という人間のカタチができます。また、身の回りで起こる様々な出来事は、自分に責任があることが多いものです。人生において、たくさんの選択肢があります。職場で、家で、友達との間で、様々な選択をします。日々の生活で、どれだけの選択、決断をしているか考えてみましょう。
私達は、常に選択、決断しています。少し人生経験のある人であれば、イエスかノーかを選択した時点で、世界が止まってしまったかのように感じた経験もあるでしょう。
チャンスを逃したら
さいころやあみだくじ、物事がうまくいかない時、様々な方法で対応できます。あれが悪い、これが悪いと言ったり、因縁であるとか運が悪かったと思うこともできます。
「あなたの言った通り、断った」「あなたのせいで自信がなくなったから、面接には行かなかった」「勇気がなかった」など心の罠にはまってしまい、チャンスを逃したことについて文句を言い続けます。
そこで、チャンスを逃したと思ったら、まず、自分の決断に責任を持ちましょう。自分の決断からくるネガティブな感情と向き合い、物事を分析します。それに対し、意見を言う友達もいるでしょう。それでも良いのです。人は意見を持つものです。ただ、それにより偏見を持つのは良くありません。
今自分がどこにいるか見極め、「今」に集中することが大切です。逃した電車が地平線へ消えていくのが見えたなら、それは過去のことであり、変えることはできないものだと理解しましょう。今が、怒りなどネガティブな感情で満たされないようにしなければなりません。
変えることができない事実に焦点を当てる時、問題になるのは感情だけではありません。最大の問題は、そこに立ち止まってしまうことで、それと同等、またはより良い新たなチャンスを逃してしまうことです。
チャンスは一度だけ?
優柔不断な人は、この状況について考えすぎます。物事に対する自分の反応ですべてが決まるのであれば、人は自分を見失い、感情に動かされてしまいます。そこで、知恵をもって、自分を持ち直し、現実をコントロールすることが必要なのです。ここで、現代文化の知恵の一部をご紹介します。
- 「自ら求め、チャンスをつくる」シャクティ・ガワイン
- 「成功するためには、結論と同じように、チャンスに素早く飛びつくことだ」ベンジャミン・フランクリン
- 「チャンスは夜明けのようだ。長く待ちすぎると見逃してしまう」ウィリアム・アーサー・ワード
- 「困難を操れる人は、チャンスを勝ち取る」ウィンストン・チャーチル
チャンスは一度だけではありません。
今まで、チャンスは一度しかないと聞いたことがある人もいるでしょう。あなたに決断を迫るために放たれた言葉だったのかもしれません。決断するにあたり、社会的なプレッシャーがあなたを動けない状態にすることもあります。気を付けましょう。
「私は時間を無駄にしてきた。今、時間が私を無駄にする。」
-ウィリアム・シェイクスピア-
大きなチャンスは、すぐ足元にあるかもしれない
ナポレオン・ヒルの言葉です。彼は自己啓発本の先駆者です。これは、誰にもどんな状況にも当てはまる訳ではありませんが、頭に入れておきたい言葉です。電車―チャンス―を乗り過ごしたからと言って、世界が終わることはありません。だから、ただそこで苦しみ待ち続けていてはいけません。出発する電車をただ見送るのではなく、到着する電車を見つめ、自分の乗るべきものを探しましょう。
例え一つのチャンスを逃したとしても、全てを失うわけではありません。以下のものが存在するのです。
- 他の選択肢
- 人からのアドバイス
- 自分の決断に対する価値
- 自分の行動に対する責任
- 空虚感、逃してしまった後の気持ちを再構築する力
- そこから学んだこと
- 将来、同じような状況に置かれた時への期待
これらは、そこから得たものです。
誰もが電車を乗り過ごすことがあり、その理由は様々です。他の選択肢を選んだから、他に考えるべきことがあって間に合わなかった、電車に乗ろうとした時転んでしまった、寝過ごして早朝の電車に乗れなかった…。
大切なのは、行ってしまった電車ではありません。大切なのは、電車が出発した後、そこにいてくれる人やそこにあるもの、そこからどうするかです。
「指揮者の目は、地面でなく、地平線を見る」
-ウォーレン・ベニス-