不眠症を解消する効果的な方法
良い1日の始まりは、質の高い安眠から得られます。多くの人が不眠症に悩む現代社会では、このせいで欲求不満などの問題も多く起こります。夜間に十分な睡眠が得られないと、日中に昼寝などで足りない睡眠を「回復」させようとします。その結果、夜間になると寝られないという不眠症の悪循環が続きます。
質の高い睡眠は、私たちの生活習慣や心身の健康にとって非常に重要な役割を果たします。そのため睡眠を促進する生活や習慣を実践することで、健康維持に高い効果を発揮します。 就寝前に健康習慣の実践方法を練習することはその一つです。 これは睡眠衛生と呼ばれる技法で、質の良い睡眠を得るために推奨される行動や環境を調整する方法です。
1日8時間以上の睡眠が必要だと耳にしたことはありませんか?
しかし現実的に考えると、現代社会において8時間睡眠は簡単なことではありません。忙しい毎日の暮らしの中で、多くの人は自由な時間を楽しんで過ごしたいと考えます。そのため、自由な時間ができるとテレビを見たり自分の好きなアクティビティーを行なって過ごします。その結果、忙しく過ごした状態のまま睡眠時間に突入することになりますが、実は質の高い睡眠のためには、睡眠前の準備が大切です。
本記事では睡眠問題の専門家のアドバイスをもとに、睡眠の質を向上させながら不眠症を解消する方法をご紹介します。
1. 睡眠−覚醒スケジュールの設定
正常な睡眠を得るためにもスケジュールを確定することが大切です。毎日同じ時間に就寝し、同じ時間に起床するという生活習慣を確立することで、入眠が容易になり、就寝時間になると自然に眠気が襲うようになります。自分が設定した就寝時間に就寝できなかった場合でも、設定した起床時間に起きることで、その晩は時間通り就寝できます。
2. 就寝前の飲酒を避ける
アルコールは中枢神経系の抑制剤であり、眠気を引き起こしますが、良質な睡眠を提供するものではありません。 アルコールは、睡眠の中断により睡眠の質が低下し、REM睡眠の時間が通常よりも減少します。また摂取したアルコール量が多いと、睡眠が中断されるだけではなく、過度の発汗が起きたり鮮明な夢を見る可能性が高まります。
3. 適温の暗い部屋での就寝
表示灯をはじめとする私たちの知覚を刺激するタイプの電灯など、寝室に睡眠を妨害する光があってはいけません。また時間を知るためのデジタル時計を近くに置くと、眠れないと感じる時に繰り返し時間を確認してしまい逆効果です。室温もまた良質の睡眠には大切な要素の一つです。寒すぎず暑すぎない適温を心がけてください。
4. 毎日の運動、しかし就寝前は厳禁
運動は私たちの健康維持に欠かせない大切な要素ですが、就寝3時間前には運動を終えるように心がけてください。夜遅い時間に運動をすると、運動に使ったエネルギーをそのまま寝室に持ち込む、つまりエネルギーが上昇した状態のまま就寝してもなかなか寝付くことができないという結果になります。
5. 寝室で電子機器を使わない
寝室は休息をする場所であり、自由時間を満喫する場所ではありません。タブレット、携帯電話、テレビなどを寝室で使用しないように心がけてください。新聞や本を読んだり、テレビを見るのが入眠を促進する効果があるように見えますが、 実は逆効果で、睡眠を妨害する原因となります。テレビやコンピューターなどの 画面を見つめることが睡眠障害を発症する原因の一つになります。また寝室を寝る場所と考えることができないことが、不眠症の一因となります。
6. 目が覚めた状態で30分以上布団の中で過ごさない
ただ寝られない!と言う夜を経験したことはありますか?目が覚めて寝られないまま世が明けてしまったことがあるかもしれません。もしも30分以上寝られない状態が続いたら、一度布団から出てリラックスを心がけてください。眠れない状態のまま布団の中で長時間過ごさないことが大切です。寝られないまま布団の中にいるとイライラして逆効果になります。
7. 就寝前のリラクゼーション法
就寝前のリラクゼーションは高い効果を発揮します。呼吸法や軽めのストレッチ、そしてリラクゼーション音楽を聴いたり温かいお風呂に入ることをお勧めします。またこれらのリラクゼーション法には、心身をリラックスさせて心配事を取り除く効果があります。
8. 午後からはカフェインを摂取しない
就寝前にコーヒーを飲むことは睡眠に悪影響を及ぼします。また就寝前ではなく午後にコーヒーを飲むだけでも睡眠を妨害します。 カフェインは中枢神経を刺激し体内に4〜9時間留まるため、睡眠を妨げる直接的な要因になります。またコーヒーだけではなく、お茶や清涼飲料、そしてチョコレートなども睡眠を妨げます。
9. 朝日と共に目覚める
一部の専門家は、朝日と共に目を覚ますことを推奨しています。 これは私たちの概日リズムを調節し、体内で自然にメラトニンが生成されるのに役立ちます。 メラトニンは、松果体腺から分泌される神経ホルモンであり、睡眠 – 覚醒サイクルを調節する働きがあります。
10. 布団の中で深刻な問題を考えない
何か心配事が心の中にある時、布団の中で考えないように心がけてください。布団の中で過ごす時間は、心配事に最も敏感になる瞬間であるため、これは難しいアドバイスかもしれません。しかし、就寝時間が来たら心を無にするように心がけてください。また自分が抱えている問題を解決してから就寝することが大切です。就寝時間前に解決できなかった時は、心配事を解消するためには翌日に何をするべきというリストを作り、心に抱えている問題を解決する準備を整えてから布団に入りましょう。
11. 昼寝に要注意
昼寝をするなというわけではありませんし、昼寝をすることで大きな健康効果を上げている人も多くいます。エネルギー補給のために昼寝を行うのはとても効果的ですが、昼寝は30分以内にしてください。これ以上長くなると夜間の睡眠の妨害となります。普段は昼寝をしないけれど、不眠症に悩まされているから昼寝を続けているという方は、その昼寝がさらに夜間の睡眠を妨害している可能性があります。
推奨されている1日8時間の睡眠は、8時間眠るだけではなく、質の高い睡眠を8時間行うことです。睡眠衛生を維持することで、日中のエネルギーを補給しながら健康を促進します。今回ご紹介した生活習慣を取り入れて健康維持を心がけながら不眠症を簡単にそして効果的に解消しましょう。