心身症とストレス

· 2017年10月2日

私達が送っている加速したリズムでの生活は、多くのストレスを生み出しています。毎日、自ら受け持った義務によって生まれたストレスにより苦しむ人が増えているのです。私達は多くを同時にこなさなければならず、手いっぱいになり、その上、全てをうまく早くこなそうとします。こうしたレベルでの要求は、あまりに多くの責任を担うプレッシャーと伴って、私達に代価を払わせます。

近年、長期のストレスが体に及ぼす影響を調査する研究が、一段と多く行われてきました。その研究結果は、長期のストレスにさらされることが、私達の健康にとても危険であることを示しています。悩み事のない生活を送ることは大変難しいことですが、ストレスに対する姿勢が人生を大きく変える秘訣となります。そして私たちの精神状態と体の結びつきを物語る一例が、心身症なのです。

デスクで頭を抱える女性

多くの病の原因、コルチゾール

コルチゾールは私達がストレスを受けた時に副腎によって分泌される甲状腺ホルモンです。コルチゾールが長期間分泌されると、私達の体にとって危険なことになります。コルチゾールは血中に糖を放出し、筋肉にたくさんエネルギーを送れるようにします。それは、私達が緊急事態を対処できるように十分なエネルギーを送ることが目的です。

ある程度時間が経ってストレスがなくなると、体はホルモン値を通常値にリセットします。しかし、緊急時が長く続くと、以下のような副作用が生じます。

  • 行動の変化(イライラ、怒り、悪い機嫌)
  • 高血圧
  • 頭痛
  • 消化器系の異常
  • 食欲の減退、または異常なまでの空腹
  • 筋肉痛
  • 記憶の減退
  • 免疫機能の異常

これらのコルチゾールによって引き起こされた症状は、全て時間と共に疾患となり得ます。コルチゾールは、痛み、甲状腺機能亢進症や循環器の病気(狭心症や心臓発作)、皮膚感染症(ヘルペス、乾癬、湿疹)、そして消化器系の不調(胃潰瘍、胃炎)と関連しています。

心身症とストレス

心身症はストレスによって発生する病気、または精神的苦痛が身体的な病気として表れるものです。精神障害の診断と統計マニュアルであるDSM-5は、心身症を精神症状と関連した障害としてまとめています。こういった身体的または生物学的証拠がない症状は効果的な治療法を見つけることを困難にします。

症状は様々ですが、苦痛から通常の生活を送ることが困難になります。症状を説明できる身体的原因はありません。そのため、まず症状が心身症によるものなのかを見極めることが重要です。そうすることで、患者が治療法を見つけることができ、メンタルヘルスの専門医を紹介してもらうことができます。

肩こり、首の痛み

また、症状は体全体であったり、部位的だったりします。時に普通の感覚(空腹の感覚など)であったり、軽い病気(普通の風邪など)の特徴的症状と間違われることもあります。しかし、中でも心身症患者が最もよく訴える症状は痛みです。

心身症とストレスの関係を証明する科学的研究

テキサス・ハート・インスティチュートによると、ストレスは循環器系の病気の確率を最も上げる要因の一つです。テキサス・ハート・インスティチュートは、ストレスが心拍数と血圧を上げるため、心臓の酸素必要度を上昇させると論じています。

一方「ネイチャー」誌は、ストレスとガンに直接的な関係があることを述べた記事を発表しました。このティアン・シュー氏が行った実験では、ストレスを受けた細胞が腫瘍を誘発するシグナルを発し、周囲の健康な細胞に影響を与えることが分かっています。この発見は、細胞同士が送り合うこのストレスシグナルを完全に遮断することで、ガンと闘うための新しい方法を得られる可能性を示唆する大きなものです。

またアルゼンチンの研究者グループは、研究の中でストレスが認知症の発症を引き起こす原因となることを認めました。ライヒ博士率いるこのグループによると、ストレスは脳内で退行性のプロセスを誘発し、そのプロセスが神経内分泌系と免疫系へと送られます。これは直接的な因果関係をほのめかすものではありませんが、どの範囲まで二者に関係があるのかを調査し続けるに値する興味深いものです。

どのような形にせよ、体内で活動過多状態が続くことが防御機能を奪い、病気にかかりやすい体質にしてしまうことは明白です。心身症はMRIやその他の映像法には映りません。そのため、その根源を認識することは大変複雑であり、患者が頻繁に診断を拒否されてしまうのです。