母親になる時に現れる感情

母親になる時に現れる感情

最後の更新: 04 10月, 2017

新しく母親になることは、感情の激流を伴います。赤ちゃんの顔を見た瞬間、幸せ、怖れ、なつかしさなど様々な感情がおそってきます。その瞬間からあなたの人生の中心になるであろう人に出会って、まだどのように感じたらいいかがわからないのです。

出産してからはじめの数週間は内分泌レベルで様々な変化が起こります。「ベイビーブルー」や 産後鬱と呼ばれる状況になる人もいます。

出産後、オキシトシンの分泌量が増えます。オキシトシンは、子供を見るたび感じる責任感や保護感だけでなく、子供に感じる愛情をつかさどっています。

赤ちゃんが生まれた際に起こる大きな変化は、精神的なレベルで、自らが持っていた母親になる期待を満たさないものである場合もあります。

子供を産んだら、幸せに、きらきらしなくてはいけないと感じます。そしてもちろんこれは素晴らしい経験です。ただ、少し時間が経たないとそのように感じられない母親もいます。

産後は新しい状況に慣れる必要があります。しかし、「悪い母親」であることで罪悪感を感じたり、自分を責めたりする必要はありません。また、他の人もそのようにお母さんたちを扱うべきでもありません。パートナー、家族、友人からのサポートを受けることが必要不可欠です。

産後の精神

未来の母親、特に初めての子を出産する人は、母親になることに対する非現実的な期待を抱きがちです。私たちの母親、祖母、おばさん、隣人が、母親になるのがどれだけ素晴らしいことか、どれだけ輝かせてくれるか、と9カ月にわたって話を聞かせてくれます。そのため、世界で一番幸せな人になる瞬間を心配しながら待ちます。

突然子供を持ち、話に聞いたような幸せを感じていないことに気づきます。悲しくなって、混乱して、変な気持ちになって…どうしてでしょう?世界で一番幸せな人間であるはずなのに?

覚えておいてください。母性は魔法のようにあらわれるわけではありません。子供を産むことが人生の中で最も素晴らしいと言っていた人たちはうそをついているわけではありません。ただ、新しい状況に慣れるのには時間が必要で、そのように混乱したりするのはふつうのことなのだ、ということを忘れているだけです。

 

女性の顔半分

こういったネガティブで自然発生的な考えに強い罪悪感を覚えるかもしれません。例えば、「私はいい母親ではない」「私がちゃんとしていないから、子供がトラウマになってしまう」「私の人生は完全に曇ってしまった」などです。

そのような負の考えを見逃さずにいることが大事です。どうやってそれに打ち勝つかを学び、もっとポジティブで現実的な考えと差し替えることができるからです。そうでなければ、罪悪感は深い悲しみにかわり、下手をすれば鬱になります。自分の赤ちゃんや自分の面倒が見れなくなるくらいの負のサイクルに陥り、はじめ感じた罪悪感はさらに強くなり負のスパイラルが続いてしまいます。

このような状況に陥ると、ネガティブな考えを強め始めます。「授乳すらできない。私はなんてひどい母親なんだろう。」この負のスパイラルは、産後鬱を引き起こします。

産後起こるホルモンや精神的な変化に加え、たくさんの生活の変化があります。 睡眠不足、自分の時間の減少、パートナーとの親密感の不足、病院の予約に続く予約など。すべての変化が、はじめの数週間に感じるポジティブではない感情に加算されます。

ポジティブに母性を体感する

一つ良いことは、そういった負の感情はそのうち過ぎ去るということです。はじめは、母親になることは不可能に思われ、悪く感じますが、ホルモンシステムと慣れの力で、地獄はパラダイスにかわります。 しかし、自然の技がなすのと同じくらい、あなた自身も努力しなくてはいけません。

はじめに、今生きている瞬間と感情を受け入れなくてはいけません。人生の大きな変化であり、矛盾した感情を持つのは普通のことで、問題はないのです。

そういった感情を受け止めてありのままでいましょう。その感情と戦おうとしたり、無理に幸せを感じようとしないでください。不安や悲しみ、混乱、世界に対する怒りも、あなたは自分で処理することができます。心配しないでください。人間であれば、感情があります。ただ受け入れてください。

一度感情を受け入れたら、感じたことを分析し始めてください。そうすると、自分は母親であり、今までになかった責任があることに気づきます。紙にこれらの思いを書き出してみましょう。そして、他の言語であるかのように、その気持ちをポジティブな考えに翻訳しましょう。

草むらの母と娘

例えば、「若くして子供を持ったことで自分の人生を棒にふるった」と思っているなら、それを「若いから子供と遊ぶエネルギーがあって、他のこともできる人生が待っている。」と翻訳してください。

少しずつ、自分の考えが誇張されていて、自分に厳しすぎたと気づきます。現実には、おそらくあなたの子供にとって最高の母親で、子供たちはあなたにその笑顔を見せてくれるはずです。

最後に、頼んでもいないのに与えられたアドバイスは気にしないでください。子育てに介入したがる人はたくさんいます。授乳するべきと言ったり、しないべきと言ったり、子供は子供部屋で寝るべきと言ったり、親の部屋で寝るべきと言ったり、おしゃぶりがあったほうがいいと言ったり、なかったほうがいいと言ったり…

自分たちの経験に基づくこのアドバイスは、ほぼ絶対に役に立ちません。自分の子供にとって何が一番いいかを知らないと母親を心配させてしまうだけです。専門家や、小児科の医師、助産婦、児童心理家のみを信頼しましょう。彼らだけが、きちんと子育てに関してアドバイスできる人達です。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。