始まりの為の別れ:悲しみのプロセス
人生のチャプターを終わらせる時、それは物語のエンディングです。私達がお別れを告げる時、それは最終章を書いているのです。何かに終わりを見つけられない時は、前へ進めない時で、それは、あなたをずっと追いかけます。物事の終わりにしっかりピリオドを打たなければ、同じことを繰り返してしまいます。この悲しくもあるプロセスを実行する事で、新たなスタートとなり、次のページへと進むことが出来るのです。
悲しみは、何かを失った後に起こる感情の適応プロセスと定義されています。喪失は必ずしも死を指しているわけではありません。私達は潜在的に、失うという言葉に死を一番強く感じるものですが、分裂、新しい仕事、大きな行動を示す言葉としても使われています。
悲しみのステージ
エリザベス・キューブラー=ロスは、悲しみには異なる段階が次のようにあると言ってます。
- 否認:悲しみを抱えた人は、喪失を受けいれる事を拒否します。また、ショック状態にあり、新しく進まなければいけない道を妨げているのです。
- 怒り:ここでは、悲しみを抱えた人は怒りや、フラストレーションを表します。喪失によって引き起こされた状況や、自分自身、他人などにこの感情をぶつけることがあります。
- 交渉:喪失に直面した後、その解決策を見つけようとします。愛する人を亡くした場合、この段階は、何かにすがろうという気持ちから、亡くなった人が行った行動を起こす事も含みます。
- 悲嘆:この段階では、悲しみのある人が喪失の痛みを経験し、悲しみの感情と向き合うようになります。そして、自分自身を引き出す段階でもあります。
- 受容:ここでは、喪失や自分が現在いる状況に気づく段階です。受け入れる事が次に繋がると挑戦し、落ちているピースをまとめようとします。
これらのステージは全ての人に同じように起こるわけではありません。順番や一つの段階にかかる時間が違ったりとバラバラです。このリストはこのプロセスの理解を役立てるもので、大事なのは、悲しみを抱えた人がどのステージにいて、その悲しみにどのような態度をとっているのかを知る事です。これが、私達のすべき対応の仕方を決定するのです。
正しい別れができないと、全てのプロセスを繰り返したり、停滞、又は、退行する傾向があります。私達が無視したり、相手にしなかった他人の欠陥は、私達を同じ方向に導きます。私達は喪失の痛みを経験しなければならないのです。自分達は誰なのかを理解する一環として、どういった感情を抱くのかを知り、怒りからくるエネルギーを、悲しみを受け入れる事へと変換させるのです。
良い別れが出来ないのは、血の流れる傷口に絆創膏を貼るようなもので、自分を傷つけている事に対して表面的なカバーをしているだけなのです。これだと、癒えるのは一時的で、長期的なものとは言えません。
苦しみを放棄して痛みと向き合う
ホルヘ・ブカイの「The Path of Tears」という本の中では、次の事を綴っています。
「苦しむ事は、痛みをもっとひどいものにしている。瞬間的なものを持続的なものへと変換し、その記憶を抱え込んでいる。そして、それは私を涙させ、止めさせない。そうして、私は忘れなくなる。それが私を苦しめようとも、私は手放すことをしなくなる。私達は、存在しないものに不思議な忠誠心を持っているのだ。」
-ホルヘ・ブカイ-
私達が感じなければいけない痛みというものは、健康的な感情です。それは、傷が癒えているという感情で、痛みは自分自身と繋がり、喪失のプロセスを助けてくれるのです。私達に時間を与え、取り除き、ニーズを満たしてくれます。
喪失は、悲しみや痛み、距離、怒りなどをほのめかします。これらはあくまで一つの段階ですが、もし必要以上に長引いたり、これ以上生きていられないなどと思うようになれば、それは助けを求める時です。悲しみが憂うつに変わったり、怒りが理由もない攻撃に、ただの距離が疎遠に、痛みが苦悩へと変化した際は、治癒するプロセスで何かが起こっており、誰かに助けを求める必要があります。
悲しみのプロセスでは、私にはどのような役割がありますか?
「悲しみのプロセスは、あなたの心の中でかけがえのないものとして、あなたの愛する人の場所を見つけることが出来ます。悲しむということは、あなたが過ごした彼、又は彼女との時間という大切な贈り物を、優しく思い出し、感じることです。あなたの心は愛は死によって終わることはないと理解しているのです。」-ホルヘ・ブカイ-
一つ一つの段階がなぜ終わったのかを知り、自分をより知ることの出来るポジティブな出来事を見つけましょう。何が間違っているか、どんな間違いを自分が起こしたのかを理解することは、どのように自分が立ち直ったかを見いだす手助けをしてくれます。私達は、何を変えたい、何を残したい、又は、何を上手く出来たかを理解することで学ぶことが出来るのです。
悲しみのプロセスは特別なエンディングへ導いてくれます。それは物語の終わりを指し、決して受動的なものではありません。それには感情、行動、望み、そして強さを必要とします。良いエンディングを書くには個人的な反応が求められ、過去から学んだ事、楽しんだ事を持って、次の章へと進められるのです。