一時的な感情に支配されていませんか?
一時的な感情は、非合理的、原始的なところから生じます。それはまるで野獣を飼いならすようなものです。普段は大人しいようですが、ある状況になるとその特性を発揮します。この時、その動物の行為がプラスになるものであるかは関係ありません。簡単に言うと、一時的な感情により、あなたの自制心が試されます。一時的な感情に支配されていませんか?一時的な感情をコントロールするための方法や解説を参考にしてみてください。
支配的・一時的感情は、多くの心理学的問題の根源になります。中毒や依存症ははっきりとした例で、コントロールされていない一時的な感情は、過食症や境界性パーソナリティ障害などの特性でもあります。
人生で、ある程度の一時的感情をもつのは異常ではありません。しかし、それに支配され自分の道を失ったとき問題となります。一時的な感情は、自分の価値や目的、信念と合わない行動をもたらします。
一時的な感情のコントロール問題は、振り払うことが難しい、感情的緊張を生みます。これに屈すると、緊張からの解放を経験します。この解放が、一時的な感情を強化し、よりコントロールしづらいものにします。これは壊れやすいもので、一度冷めると、罪悪感や後悔という、より深く気落ちする感情が残ります。
時間とともにこの嫌な感情を忘れ、また同じ過ちを繰り返すかもしれません。瞬間的な満足への欲求により、自分の一時的な感情に抵抗することができないと感じるでしょう。一時的な感情に対し自分には力がないと感じます。これは破ることが難しい悪循環になりかねません。
一時的な感情はどこから来る?
一時的な感情の正確な発生源はまだ分かっていませんが、ケースに応じてみていくことで、より可能性のある概要を得ることができます。
一時的な感情の決定には、遺伝が大きく関わります。親が衝動的、神経質、感情的であれば、あなたもその特性を継いでいる可能性が高いのです。
また、真似ることで衝動的にもなります。親が衝動的、感情的に問題に対応しているのを見て育つと、子どももそうなります。しかし幸いなことに、このパターンは変えることが可能です。
脳内のセロトニンの欠乏は、人を衝動的にするという研究結果があります。このような障害を抱える人に選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が有効だと科学者は考えます。
それでも、このような薬の効果にも限界があるということを頭に入れておきましょう。SSRIは初め有効かもしれませんが、代わりとなる機能的な行動を学ぶことにはなりません。また、薬の耐性ができ、副作用が出ることも考えられます。
幼少期の心の傷が、大人になってからの衝動的な行動に一部関係しているかもしれません。病理学的に衝動性のある人の過去を見ると、親の不在や注意や感情調整の欠如など成長過程での何かしらの欠陥が見つかります。人はこの「欠陥」をできるだけ早く、強く満たそうとするのです。
感情的依存、飲酒、ギャンブル、衝動買い、その他自己価値への疑念を抱くもののに引っ掛かりやすくなるのはこの時です。
一時的な感情に支配されていませんか?どうしたらコントロールできるでしょう?
あなたを支配する一時的な感情をコントロ―ルするのは簡単ではありません。先にも言ったように、一時的な感情は野獣のようで、野獣を慣らすことは簡単ではないとお分かりでしょう。忍耐、意志、持久力が必要です。
一時的な感情すべてをコントロールしようというのは、非現実的です。そうではなく、道中にある小さな勝利を祝いましょう。
考える
一時的な感情から解放されるための第一ステップは、その感情のきっかけとなった状況から自分を離すことです。短時間でも、一歩下がると、自分の衝動を休めることができます。
一時的な感情は強いこともありますが、長くは続きません。意識を向けると、自分優位に動かすことができます。衝動にかられないよう長くいればいるほど、問題を正しく解決できるようです。
一時的な感情を分類する
一時的な感情を分類し、それが何であるかはっきりさせることが重要です。「これは単なる一時的感情で、衝動にかられるままに動かなくて良い」と自分に言い聞かせましょう。自分からそれを分離することがカギです。自分を攻撃する敵としてではなく、一時的感情は自分の一部だと考えましょう。
他のことに五感を働かせる
今の感情の強さが弱まるのを待つ間、心をそらすために何か他のことをしましょう。例えば、一時的な感情とは関係ないものを買いに買い物に行ってみます。
そうすると、何を買うか、レジの人に何を言うか、いくら必要かなどに集中します。どうでもよいことのようですが、集中した状態や時間が過ぎるのを待つのに役立ちます。一時的な感情を他の一時的な感情に置き換えないよう気を付けましょう。飲酒や喫煙をするために衝突性の高い状況を離れるのは健康的ではありません。
目的と結果を考える
この一時的な感情に流されたらどうなるでしょう?気分が良くなるでしょうか?解放感はどのくらい続くでしょう?自分をコントロールできない人になりたいですか?自分の信念や価値観と合っているでしょうか?人生における自分の目的や価値観がはっきりしていながら、すべきでないと分かっていることをすると、認知的不協和を生むことになります。
認知的不協和は、「したいけど、しない方が良い」という不快な精神状態で、避けるべきです。自分の行うことが自分とは何か、そして自分の目標と合っているか考えましょう。
問題の解決(解決法がある場合)
その問題に解決法があるのであれば、それを解決するための選択肢を考えるのは悪いことではありません。そのためには、問題解決テクニックを使う必要があります。心の中から問題が生じていて、解決法がないのであれば、そのようにラベル付けし、気にしないようにしましょう。
不快感に耐える
一時的な感情をコントロールするには、初めは不快なある程度の緊張感と向き合わざるをえません。この不快感により、多くの人は一時的な感情に自分を支配させてしまいます。
たとえ、痛みを伴い不安の原因になっても、一時的な感情を支配することがカギです。不安や精神的ストレスは、単に脳内の化学反応によって起こった感情です。これにより、殺されたり大惨事の原因になることはありません。耐えることを学ぶとその強度がすぐに失われるのを感じるでしょう。
一時的な感情に支配されると、すぐ罠にはまってしまいます。自分の感情をコントロールするためにその仕組みを意識することは大きな一歩です。何が起きているか、それに対しどうしたら良いかが分かると、あと難しいのはそのコントロールの維持です。ストレス受け入れ、耐えることにより、自分が人生の先頭に立つことができ、一時的な感情に支配されることはなくなるでしょう。
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