受動的暴力:浅く見えて本当は深い傷

· 2018年3月12日

受動的な暴力は一見矛盾しているように見えます。暴力は私達を活発的にします。ですので、原則として受動と暴力の組み合わせとしては成り立たないのです。しかし、世の中には声を荒げたり、酷い言葉を使うことなく攻撃してくる人が存在します。そして、受動的な暴力を受けた被害者はその痛みに対して曖昧さを感じるのです。

「この世界には2つの力しか存在しない。それは剣と精神だ。長きに亘って剣を征服するのは、いつも精神である。」

-ナポレオン・ボナパルト-

受動的な暴力や受動的かつ攻撃的態度は、いくつかの有害な状況の中で、権力によって争いを解決できないことへの結果として生まれます。そして、そこにある無力や無防備の感情が諦めに変わるのです。しかし、この諦めは怒りやストレスなどで満ちており、いずれ何らかの形となって現れるのです。

日常にある受動的な暴力

受動的な暴力の最も明確な例は10代の人に起こります。彼らの両親が部屋を掃除するように言いますが、それに対して「やるってば!」と声を荒げ、最終的に掃除を行わないのです。

パソコンに向かう10代

この現象は小さな子供にもよく見られます。相手が譲歩しないと彼らは怒りを示し、自らを傷つけようとする、または「意味もなく」高価な物を壊すことがあります。

もちろんそれは子供に限った話ではありません。大人にも多くの例が挙げられます。誰かと話している時、聞こえないフリをする、アドバイスや提案を与えるように見せて、嫌味な批判をする、そして、選択肢の無い状況にいるのに、優しく決断を迫ることなど、たくさんあります。あなたもこういった例をたくさん知っていると思います。

受動的な暴力と権力

一般的に、受動的な暴力は力関係が存在する状況で膨らんでいきます。その権力が攻撃的な感情表現を防いだり、制限するのです。そういった際に、偽りの尊敬を持ち、それが受動的な暴力に繋がるのです。

日の出と座る男性の影

権力者はよくこの被害者となります。親、上司、教師、医者などがありますが、時には公式な権威が無くても、相手に対して何らかの役割を持った人間も被害者に成り得るのです。それは交際関係などで、片方がより決定権や影響力を持つなどの例があります。

また、このような権力者はその受動的な暴力の原因にもなります。彼らは自分より下の人間が、自分の態度を自由に反映出来ないことを知っているのです。例えば、上司があなたに毎日1時間残業するよう促したり、恋人があなたは一人では何も出来ないと嫌味を言うことがあります。

受動的な暴力は間接的ではありますが、罪悪感を生み出す、拒否する、屈辱を与える、そして他人を利用することによって生み出されます。それは柔らかい口調や良いマナーで包まれている為、発見するのが難しい時があります。そして、この暴力はいつも無意識に起こるのです。

社会の輪における受動的な暴力の影響

この暴力的態度の多くは、私達の社会で伝達され膨らんでいます。外国などで道を歩いているとホームレスにお金を要求されることがあります。お金を与えたくない、または与えられない時もあるでしょう。すると、ホームレスは「神のご加護を」とあなたに言います。彼は本当に神のご加護があなたに舞い降りるように言っていないかもしれません。そして、そこにはあなたに罪悪感を与えるようなメッセージも含まれているかもしれないのです。

直接的な暴力、そして受動的な暴力の態度も両方同じ方法で反応を生みます。上司がイライラして特定の誰かだけに残業を強制する、権力主義者の教師が抑圧的態度をとる、支配的な母親が問題のある子供に育てる、そして、票を買うような政治家が言い訳をするといった例です。

この暴力で最も痛々しいのはそれが直接的、そして明らかではない為に混乱を起こしてしまうことです。あなたが上司に評価が公平でないと伝えた時、彼はおそらく規律と効率について説教してくるでしょう。また、あなたが恋人に馬鹿にされているように扱われていると伝えたら、彼は驚いたり、被害者のような態度をとるでしょう。

私達はこの人を操るような行為を止める方法を学ばなくてはいけません。このような争いに対処することで、このタイプの暴力を止めるのです。それは、思ったことを全て伝えましょう、という意味ではありません。これは、シンプルに私達のコミュニケーション能力を明確にそして穏やかに改善を試みることなのです。