気分変調症:うつ病との違い
私達は皆、日によって気分の落ち込みや悲しみを感じる事はあります。これは私達の人生を改善したり、見直したり、問題を克服する機会として必要な事です。しかし、このような気分の変調が継続的に2年以上起こっている、と想像してみてください…それが、どれだけ苦痛なことが分かると思います。その痛みはとても酷いものです。これが気分変調症(持続的なうつ病障害)の症状の一部です。今日はこの病気についてもっと学んでいきましょう。
「私はとても悲しい。表現できないほどの悲惨を感じる。そして、自分がどこにいるのかも分からない。何をすればいいのか、何を考えればいいのかも分からない。しかし、絶望的ながら、私はここを離れたい…私はまるで、そのような悲しみを感じる。」
-ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ-
気分変調症とは?
気分変調症はうつのような気分に最低2年以上脅かされている人に対して使われます。この症状を患っている人、又は、その周囲の人達の両方が、この症状に気づく事があります。うつ病と気分変調症は似ていると言えますが、全く同じ病気ではないのです。
過去2年間の間、下記の症状の少なくとも2つを抱えていなかった期間が2ヶ月以下の場合、人は気分変調症があると言われています:食欲不振、不眠症、過眠症、体力の欠如、疲労の欠如、自尊心の低下、決断力の低下、絶望感の増加。
この事から分かるように、気分変調症を患っている人は思っているほど症状も少なく、うつのように激しいものでない事がわかると思います。問題はどれだけ長くその苦しみが続いているのかという事です。気分変調症になると憂うつな気分を持続的に抱えてしまいます。そして、もし十分な治療を施さず放っておくと、他の精神的な病気の原因となってしまう事があります。
「憂うつは悲しみであり、痛みの無い欲望だ。霧が雨に似ているように、憂うつも悲しみに似ている。」
-ヘンリー・ワーズワース・ロングフェロー-
他の病気の原因となるという理由もありますが、気分変調症は患者に大きな苦悩を生み出すのでしっかりとしたセラピーや治療が必要です。結果として、この症状を抱えていると、患者は精神的により貧しい人生を歩むこととなり、どこに行っても心理的な苦悩を感じる事になります。
うつ病の痛みと気分変調症の違い
上記にある、これまでの説明を踏まえた上で、「気分変調症とうつ病は何が違うの?」という質問があっても驚きはしません。確かに同じような症状があり、そのせいで複雑にはなりますが、これらは別の病気です。
うつ病患者はほぼ毎日、一日の大半の時間を憂うつな気分で過ごします。そして、気分変調症と同じように、患者本人や周りの人に気づかされる事があります。ここでの大きな違いは、うつ病は最低2週間続き、気分変調症は最低2年以上続くのです。
「苦しみや呼吸の震えの中に、辛うじて耐える事の出来る、大きな悲しみを抱えている。私の憂うつがこぼれている音が聞こえますか?」
–ルベン・ダリオ–
他のうつ病の症状として睡眠障害、食欲不振(うつ病患者は特別な食生活の有無関わらず体重の増減が起こることもあります)、疲労(うつ病患者の方が体力や活力の欠如がより見られる)、そして決断力の低下(思考力の継続的低下に伴う)などがあります。
このように違いや共通点は微妙な点がありますが、うつ病には、毎日の行動における興味や喜びなどの感情に目立った低下が見られます。
また、うつ病患者には日々の持続的な動揺や緊張、自身への過度の思い込みや罪の意識、そして自殺や死への考えを繰り返す、又は実行するなどがあります。気分変調症にはこのようなものは見られません。うつ病と気分変調症の両方に見られるのは、苦しんでいる人に引き起こされた苦痛と劣化です。そして、そのような人は助けを求める事や、その状況から抜け出すことが大切なのです。
画像 Xavier Sotomayor, Priscilla du Preez and Patryck Sobczak