オーガズムを感じるときに起こる脳の動き

オーガズムを感じるときに起こる脳の動き
Gema Sánchez Cuevas

によってレビューと承認されています。 心理学者 Gema Sánchez Cuevas.

によって書かれた Sara Clemente

最後の更新: 21 12月, 2022

神経システム(もちろん脳を含め)は、体の中でも最も重要な部分です。これなしには人間は生きれず、セックスにおいても大きな役割を果たす部分です。オーガズムを感じるとき脳の中ではいったい何が起こっているんでしょうか。また、男性と女性の間に快感の度合いに違いがあるのはどうしてでしょうか。

脳には、肉体的・性的刺激やクライマックスの際に活性化するたくさんの領域や構造があります。性器からの神経的な感覚に襲われると、脳の報酬回路を刺激します。これがオーガズムを感じる理由です。

ベッドの女性

 

人間の性的反応のサイクル

マスターズ・アンド・ジョンソン(Masters and Johnson)モデルによれば、人間の性的反応は4つの異なるステージにわけることができます。

  • 興奮:性器への血流の増加が起こる瞬間であり、性的反応の始まりです。男性であれば、勃起、性器の濡れが起こります。女性は、性器の濡れやクリトリスの肥大を経験します。
  • 安定:刺激が続いた場合起こります。男性であれば、ペニスや睾丸がさらに肥大します。さらに、心拍数があがり体温も上昇し、呼吸も早くなり、筋肉の緊張を経験します。女性の場合は、心拍数があがり、性器に血流が集まり、クリトリスがさらに肥大します。他の生理的反応は、男性のものと似ています。
  • オーガズム:生理的活動と大きな快楽を得る瞬間です。男性は括約筋、前立腺、ペニスの筋肉が収縮します。射精と共に精子が放出され、3~10秒続きます。女性の場合は、リズミカルな収縮が膣、子宮、骨盤筋、肛門に起こります。女性のオーガズムは、20秒ほどまで続きます。
  • 解消:基本的な生理状態に戻ります。いわゆる鎮火期で、肉体的にもう一度オーガズムを感じることができなくなります。

神経回路、脳、オーガズム

肉体的な反応を様々ご紹介しましたが、オーガズムを感じられるかどうかのコントロールは脳にあります。脳には、その他の神経システムが備わっています。脊髄や脳に送られる神経インパルスがなければ、人はオーガズムを感じることができません。それでは、オーガズムを感じるときに脳で起こる現象を見てみましょう。

オーガズムに関係する神経終末

性器の周辺にはかなりの量の神経細胞が集まっており、この神経は経験している情報を脳へ送り込みます。神経終末は、それぞれ人間の体内で異なる反応を起こします。クリトリスだけでも、なんと8000もの神経終末が存在するそうです!オーガズムが起こると、たくさんの異なる感覚を女性は経験することができ、たくさんの処理が脳で行われるということです。

性器の神経はより大きな神経と交信し、情報を脊椎に送り込みます。そこから脊髄、脳へと送られます。それでは、オーガズムを伝達するために重要な役割を果たしている神経を見てみましょう。

  • 下腹部神経:女性の子宮や男性の前立腺から送られる合図。
  • 外陰部神経:同じく、女性の子宮や男性の前立腺から送られる合図。
  • 迷走神経:子宮頸部、子宮、膣から送られる合図。
    脳

脳の喜び回路

興奮ステージが始まると、脳は性器に血を送り込みます。神経システムの副交感神経が担当している性的、肉体的、生理的刺激への反応です。だから、オーガズムにはリラックスが絶対条件です。

男性でも女性でも心拍数と呼吸数があがります。この段階(安定期)では、男女共に似たような生理的変化を起こす交感神経活動が多く起こります。

同時に、前述したように性器の神経終末は脳の喜び回路に合図を送り始めます。これが、脳の報酬回路と呼ばれるものです。ふるまいを喜びやモチベーションを生み出すものと分類するメカニズムです。もし刺激が続けば、たくさんの脳の構造が活性化します。

影響を受ける脳の部分を見てみましょう。扁桃体 (感情的制御)、側坐核(ドーパミンの放出)、小脳(筋肉のコントロール)、脳下垂体(エンドルフィンとオキシトシンの分泌)などです。

脳の活性化

しかし、活性化するのは報酬システムだけではありません。スキャナーを利用した研究によって、オーガズムの際の脳の特定の部分を観察してきました。30年以上にわたって続いたこの研究のお陰で、脳の活動は男女ともにとても似ており、性的反応に関しては大きな違いはないということがわかりました。

どちらの場合も、理性とコントロールを担っている眼窩前頭皮質が抑制されます。オーガズムの際に、脳はその部分を完全にオフにしてしまいます。

しかし、女性は男性よりも機能が停止する部分が多いことはわかっています。それによって、快感を感じる長さが男女で異なるのかもしれません。女性の場合、躍動を感じさせたり躍動反応をつかさどる中央灰白質の活性化が重要です。これによって痛みの感覚に関係している皮質も刺激されます、つまり、痛みの感覚と快楽の感覚には関係性があるかもしれないということです。

また、オーガズムをコントロールしている特定の脳の部分を発見した研究が存在します。脳幹にある背面橋被蓋です。この研究では、男女ともにこの部分が射精とオーガズムをつかさどっていると結論付けています。面白いですよね?


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