双極性障害のさまざまな種類について知ろう

双極性障害は、よく見られる深刻な精神疾患の一つです。様々な種類があり、それぞれ精神状態や症状が異なり、患者と近しい人の両者が影響を受けます。
双極性障害のさまざまな種類について知ろう
Valeria Sabater

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Valeria Sabater.

最後の更新: 21 12月, 2022

双極性障害にはさまざまなタイプがありますが、どれも患者の精神状態と周りの人に大きな影響を与えます。これはうつ状態と躁状態を行き来するとうな心理状態です。そのため、患者は激しい陶酔感や極端な自信を感じる状態から、深い落ち込みや苦しみ、ネガティブさを味わったりするのです。

「あの人は双極性気味だ」「今日は嫌な日だ。躁うつっぽいかも」という表現は、日常的に使われています。これらの表現は、人がよく抱える変わりやすい気分を指すのに軽く使われますよね。

ですが、私たちは誰でも時々感情の浮き沈みを感じることがありますが、双極性障害を抱える人は、それとは全く異なる経験をします。この複雑な状態に非常に苦しんでいるのです。

まず、双極性障害は人によって様々です。同じケースは一つとしてありません。

治療がうまくいき、完全に日常生活に戻れる人もいる一方で、リスクの大きな行動をし、医師の指示に従わず、社会的、個人的、職業上の生活がうまくできないという人もいます

では、双極性障害の様々な分類について、少し詳しく見ていきましょう。

双極性障害

 

双極性障害の種類5つ

双極性障害は最も多い精神障害の一つで、最も深刻な病気の一つでもあります。世界人口の約5%が双極性障害を患っており、大人の方が一般的ですが、幼少期に発症する人もいます。数年持続し、しばらく症状が出ないケースもあります。そして、後に再発することもあります。

すでにお話ししたように、双極性障害は人により異なります。重いうつ状態と軽い躁状態が現れるという人もいれば、非常に強い躁状態やその影響に苦しむ人もいます。あるいは、数か月同じ状態が続く人もいれば、うつと躁を頻繁に繰り返す人もいます。

そこで、できるだけ早く診断を受けるだけでなく、自分がどの種類の双極性障害に当てはまるかを知ることも重要です。次で、双極性障害の種類を見ていきましょう。

気分循環性障害

気分循環性のものは、最も軽い双極性障害です。思春期に発症することが多く、この時期は行動変化が見られるため、診断が難しいものです。中には、家族が対応しきれない状態になるケースもあります。症状の特徴は次の通りです。

  • 精神不安定:本人はこの状態を認識しています。
  • 軽いうつエピソードの表出(メランコリー、悲しみ、苛立ち、睡眠の変化、食の変化など)
  • 陶酔感、過活動、興奮のフェーズがありますが、これらは極端ではない軽躁状態に分類されます。
  • 感情、行動、気分が安定し均衡がとれた状態が数か月続くことがあります。しかし遅かれ早かれ、うつ状態やリスクを伴う行動、大胆な行動が表出します。
  • 激しい怒りや不機嫌さが目立ち、非常に困難な性格であると家族は感じるかもしれません。

双極Ⅰ型障害

躁状態が2週間以上続き、かつ精神的爆発が見られた場合、このタイプに分類されます。大抵の場合、入院が必要となる深刻な症状があります。

  • 最近まで躁うつ病と呼ばれていました。自殺行為を含む攻撃的行動が特徴の躁状態が主な症状です。
  • 双極Ⅰ型障害は、軽度から重度まであります。深刻なケースでは、患者は自立した生活(勉強、仕事、経済面など)を送るのが困難になります。

双極Ⅱ型障害

このタイプの主な特徴は、躁状態でも軽度の軽躁病です。しかし、大うつ病の繰り返されるエピソードもよく見られます。次の症状が見られる場合、Ⅱ型に分類されます。

  • 軽躁病エピソードが1つ以上、大うつ病エピソードが2つ以上ある
  • 睡眠障害:不眠症や過眠症(ハイパーソムニア)
  • 極度の疲労
  • 理由もなく泣く
  • 自殺念慮
  • 自尊心およびモチベーションが低い

急速交代型双極性障害

平均4つのエピソードが1年で見られる場合、急速交代型双極性障害と診断されます。このエピソードにはうつ状態、混合うつ、躁状態、軽躁状態などがあります。また、Ⅰ型およびⅡ型の人で急速交代のケースもあります。

ですが、このタイプはあまり多くありません。双極性障害でこの分類に当てはまるのは10%のみです。

双極性障害

他の障害や薬物乱用による双極性障害

他のタイプの双極性障害と比べ、この種が最もあいまいです。それは、これまで説明した特定のパターンを示さない人がいることが理由になっています。気分の変化や病歴、行動からこの診断名が付きます

この場合、原因は大きく二つに分けられます。何らかの病気(統合失調症など)を患っていること、あるいは薬物の依存です。

まとめると、双極性障害は種類により特性が異なりますが、どれも同等に深刻です。

ここで、いくつかポイントを挙げておきます。まず、適切な治療により気分の変化はコントロール可能だということです。これにより、患者はクオリティオブライフを高めることができます。

次に、職場や家庭における関係を良くするため、また新しいスキルを習得するために、心理的サポートが役立つということです。医療と心理カウンセリングを受けることで、自律し満たされた生活を送ることが可能になります。


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