テクノロジー時代における、"接続しない"という挑戦
携帯電話やコンピューターが近くにある状態で、テクノロジーから自らを実際に切り離すことは可能なのでしょうか?デバイスを機内モードに設定し、最新テクノロジーに触れない休息時間を設けることはできるのでしょうか?そもそも年中無休で連絡が取れる状態にしておく必要などあるのでしょうか?近年、私たちを取り巻くあらゆるものの中で、最新テクノロジーは常に革新的であり、人間に無限の可能性を見せてくれる存在です。しかし、多くの人がオンラインの世界に接続されている状態であることに必死過ぎて、現実を忘れてしまうほどの状態になってしまっています。このボーダーラインを超えてしまった場合、一体何が起こるのでしょうか?
現在では、常にワンクリックでコンタクトを取れる状態(メール、ソーシャルメディア、あるいは電話で)でいることが、気配り上手や働き者、寛大な人、あるいは理想的な恋人のはっきりとした特徴としてさえ見なされています。他人のために力を貸すことは確かに大切ですが、実際には、あなたの人生の主役はあなた自身です。従って、自分にとって何が本当に重要なのかを忘れてはなりません。
オンライン上で個人が描く自身の人物像は、実際の彼らの顔とは異なっていることがあります。オンラインの世界というのはシアターのように、表面的な舞台設定なのだという事実に気づくことが大切です。つまり、オンラインでの自分から時折距離を置くことで、本当の自分とネット上の自分とを切り離して考えることができるのです。
テキストメッセージを送る際、私たちは皆即座に返事が来ることを期待します。これがある意味で日常的なことになってしまうのです。しかし、これがいつでも健全というわけではありません。恋人や友人たちがその日何をしているのか、毎分ごとに把握するのは、悪影響を伴いかねない行動です。友人たちに迅速な返信を期待することはかなり不健全でしょう。これまでに、そういったことについて考えてみたことはありますか?
私たちは皆、自分自身でいる権利があり、どんなに外向的な人であっても、全員がプライバシーを必要としています。だからこそ、時々オフライン状態になることが重要なのです。我々には非接続状態となり、瞳を閉じて深呼吸し、自身の精神状態に意識を集中させる権利があります。
オフライン状態になると何が起こるのか?
常にオンラインでいることこそが重要である、と考える人々も中にはいます。しかし、それが必ずしも正しいわけではありません。最新テクノロジーの進歩は恐るべきものであり、スマートホンを一日中触っていることがいかに健康へ悪影響をもたらしかねないかについて、メンタルヘルスの専門家たちが話題にするほどです。
ある人物の現実の生活は、その人がソーシャルメディアで見せているものとは全く異なるかもしれません。たくさん写真を投稿しているからといって彼らが幸せであるとは限らず、即座に返信をくれる人が、しばらく経ってから返答してくるような人より優れているというわけでもないのです。
最新テクノロジーと付き合うための健全な形とは、個人的な能力を高めるためにこれらを使用し、それが真逆になってしまわないようにすることでしょう。テクノロジーの奴隷になってしまってはなりません。いつテクノロジーを使うか、どのように使うかは、あなた自身の意思で決めて良いのです。何を公開するか、そして何時に、いつメッセージに答えるかは、自分で自由に決めることができます。また、あなたを大切に思う人々は、あなたのプライベートな生活を評価し、尊重してくれるはずです。
一般的に、インターネットや最新テクノロジーにより、私たちにはテクノロジー使用に関して責任感を持ったり、子どもたちに手本を見せたりする機会が増えてきます。人々をさらに密接に結びつけるようなあらゆる潜在能力が、我々をデジタルな世界の奴隷にさせてしまう罠でもあるという事実に、問題が潜んでいるのです。
“テクノロジーが我々の人間性を超越してしまっているという事実は、驚くほど明確になりつつある”
-アルベルト・アインシュタイン-
最新テクノロジーと新しい生活スタイル
最新テクノロジーはしばしば、周囲の人々との新たな関わり方や新しい生活スタイルまでをも象徴していることがあります。現代社会では、この現実に順応する以外の選択肢はないのです。
例えば、もし誰かから距離を置きたくなったら、ソーシャルメディアでその相手をブロックしたり、電話番号を削除して着信を拒否したりすることが可能です。同じことが、新たに出会った相手にも当てはまります。たった一回のクリックで相手に関するたくさんのことを知ることができ、時にはその人物が知られたくないと思っている情報まで手に入れることができるのです。
そのため、ソーシャルメディアやテクノロジー全般をどこまで利用すべきなのかを把握しておくことが、私たちの義務であると言えます。あなたは、どのくらいの量の情報をオンラインでシェアするつもりですか?どのくらいの時間デバイスをいじって過ごすつもりですか?こういった部分を明確にすれば、テクノロジーからコントロールされることなく、健全に活用することができるはずです。
最近では、遠く離れたところにいる人々ともたった一度のクリックでやり取りをすることができるようになっています。しかし、愛する人々が近くにいるのなら、遊びに出かけたり、実際に顔を合わせて会話をするなど、現実世界でともに時間を過ごすことほど素晴らしいことはありません。直接のやり取りの大切さを忘れないようにしましょう。
最新テクノロジーは、諸刃の剣となりかねません。いつオフライン状態になって現実世界を生きるべきかは、あなた次第です。”接続しない”状態になる勇気はありますか?
” 本当の疑問点は、機械は考えることができるのか、というものではなく、人間は頭を働かせているのか、というものである”
–B・F・スキナー–