テロと組織犯罪の違い
組織犯罪とテロには似たようなところがありますが、まったく別のものです。組織犯罪は犯罪を犯すひとつの方法です。これにはある程度の計画、複数の調整された参加者を必要とします。
一方で、テロは、非常に暴力的な事件が特徴です。政治的反応を得るため、市民と闘うために暴力を使います。また、市民やその指導者を刺激し、恐怖を与え、混乱させようとします。国際的な注目を集め、政治体制の正当性への疑いの種をまき、危うい社会に内なる衝突を生み、また、自分に従う人を支援し、動かそうとします。
「人はなぜ、暴力が好きなのか?それは、気分が高まるからだ。人は暴力を非常に満足できるものだとしている。しかし、その満足感を除くと、その行為に内容はない」
テロと組織犯罪
何より、組織犯罪は利益を求めます。犯罪集団は、できるだけ多くのお金を欲しがります。一方でテロは体系の変化、独立、何らかの政治的または宗教的利益を求めます。
この2つには、類似点もあります。テロリスト集団も、資金を必要とします。例えば、武器の購入、人員の募集や宣伝、攻撃の行使、攻撃に備えなければなりません。これらすべてにお金が必要です。
テロは、存在する組織を不安定に、あるいは変化させ、代表者の原則や関心に反する手段を取らせますが、組織犯罪ではそれを変えようとはせず、利用します。
犯罪行為の頻度
簡単に言うと、テロも組織犯罪も、政治的活動に影響を与え経済的利益を求めます。大きな違いは、組織犯罪は利益が最終目的で、テロには政治的目的があるという点です。この違いはありますが、どちらも犯罪行為に関わります。
組織犯罪はテロより頻繁に行われます。つまり、テロ集団より犯罪組織の方が犯罪を犯しやすいということです。これは、組織犯罪は資金を得るために安定性を犠牲にしやすいためです。一方で、テロ攻撃により資金を得ることはあまりありません。その反対です。そのため、テロ集団は安定性を好むのです。
「暴力が広く日中に行われ、人を愛するために隠れなければならない世界に私達は生きている」
-ジョン・レノン-
暴力の行使
テロと組織犯罪の最後の大きな違いは、暴力の使い方です。テロ攻撃の効力はその衝撃によって変わります。多くの人を威圧するために、テロ集団が小さな集団を攻撃することがあります。とっぴな攻撃ほど反応は大きいものです。しかし多くの死者が出ると逆効果です。支持者を得られません。
組織犯罪は、名乗ることなく行われます。自分の犯罪の歴史を危険にさらすことをさけるため、犯罪は内密に行われます。組織犯罪はあらゆる注目を避ける傾向にあります。
最後に、テロと組織犯罪には共通点もありますが、あらゆる面で異なります。組織集団は経済的利益を求め、テロは政治的変化を求めます。さらに組織犯罪は無名で行われ、テロ行為は表に出ます。
「私が暴力に反対するのは、暴力で良い面が表われたとしても、それは一時的に良いだけであって、悪は永久的だからだ」
-マハトマ・ガンジー-
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- De la Corte, L., & Giménez-Salinas, A. (2010). Crimen.ogr: Evolución y claves de la delincuencia organizada. Barcelona: Ariel.