わたしはわたし自身の本:自分で描く物語
わたしたちは自分自身の本そのものです。自分を書き直し、自分のアイデンティティを書き直し、うまくいかないページを引きちぎることもできます。痛みを伴い、わたしたちの人生のストーリーに重くのしかかるページです。
そして、空白のページを残しておきましょう。新しいチャプターを始められるように…
ホルヘ・ルイス・ボルヘスは、鳥のいない世界を想像できない人、水の存在しない世界を想像できない人、本のない世界を考えられない人がいるという言葉を残しています。
わたしたちが読んだすべての本が、わたしたち自身がストーリーだと教えてくれます。存在は魔法のようなものです。毎日描かれるストーリーの著者に自分自身をすることもできます。
「人生のアドベンチャーは学ぶことだ。人生の目的は成長することだ。人生の性質は変わることだ。」
-ウィリアム・アーサー・ワード-
しかし、ここで最大の問題が浮上します。起承転結の古典的で予想が付きやすい構造に加え、ナレーターが一人しかいないのです。
現実には、わたしたちの人生のストーリーには必ずしも論理的な順番があるわけではない、ということは誰も教えてくれません。途中で終わってしまう章もあります。書き直さなくてはいけない段落もあります。なくしてしまったほうが簡単なページがたくさんあります。そうすることで、物語が意味をなしてくるからです。
一方で、絶対に覚えておくべきなのは、わたしたちの人生のストーリーはたった一人にのみ意味をなすものである、ということです。それは自分自身です。
どんな経験も、どんなふれあいも、どんな決断も、どんな感情・愛撫・震えも、わたしたちが経験することには個人的な意味があり、他の人には完全には理解されないのです。
わたしたちのカオスにも理論が存在します。一人一人の物語の中には秩序が乱れた章があります。しかし、何度も何度も始めなおすことで、今まで書かれた中で最高の小説が出来上がります。自分自身のものです。
自分の人生のストーリーを書き直さなくてはいけないとき
ジョーン・ディディオンは、多くの人が「アメリカエッセイの白鯨」と呼ぶ有名作家です。彼女は現在82歳で、面白いことのために執筆活動を利用しています。亡くなった愛する人たちが生き返るように物語を作っているのです。
2003年12月、病気の娘を見舞った病院から夫と共に帰宅しました。すると突然、ディディオンの夫のジョン・グレゴリー・ダンが彼らの家のリビングで急死してしまいました。
数か月後、肺炎が悪化し娘も夫のあとを追いました。それからジョーン・ディディオンは、88日間描き続けました。ノンストップで執筆し、最も有名な『悲しみにある者(原題:The Year of Magical Thinking)』を書き終えました。
心理学者・人類学者がともに、自分の思考が現実に起きることに影響を及ぼすと人が信じ始める精神的なふるまいを『マジカルシンキング」と定義しています。ジョーン・ディディオンは、自分の家族がもう一度戻ってきてくれるように望みました。生き返ってくれるように望みました…
実際にはどれも起こりませんでした。でも、本が出版された後、ディディオンは自分の人生の新しいチャプターを始めるときが来たと理解しました。本物のチャプターです。執筆活動がカタルシス的効果、痛みを処理する方法として働いたのです。
人生は続きます。愛する人を失った今、ゆっくりと。しかし、彼女は次のように語っています。「自分の執筆する世界と文章に見るような存在のリズムを見つけました。」
自分の人生を書き直し、未来を受け入れる3つの方法
まず初めに、自分の本の中に空白のページがあることが大事であるとお伝えしました。シミのない、完璧で空白のパージは、新しい機会に溢れた未来を生み出すチャンスです。もっとたくさんのチャプターへの空きです。新しくて、ワクワクして、幸せなチャプターです。
毎日が自分のストーリーを描くことができる空白のページです。
しかし、この価値ある機会、自分を書き直すチャンスを見逃してしまうことはとても簡単です。トラウマになっている子供時代、家族の危機、浮気、大切な人の死は、自分のストーリーが最終章に達したように感じさせます。
次に紹介する3つの方法は、わたしたちの見方を変えるのに役立ちます。
章を再認識し、書き直す
はじめのステップは、いくつかの章を見直すことです。自分の人生の本物で客観的な精査を行ってください。子供時代から現代までです。
はじめの段階では、あなたに起こったことを他人のせいにして責める罠にはまらないようにしてください。責任の押し付け合いゲームはしないでおきましょう。自分自身、人生の要所要所で自分をどのように見ているかにフォーカスしましょう。
第二段階では、過去を洗い流すことはできませんが、それらの過去に対する自分自身の姿勢を改変することは可能です。受け入れ、許すときです。そして何より、現在の自分になるために、過去の痛みの重荷を捨ててください。
このプロセスの3つ目のステージは特別です。自分の人生の本に、空白のページを追加してください。これを可能にするにはたくさんの方法があります。ワクワクしますね。新しい始まり、実験するチャンス、新しいことにチャレンジすることについて話しているからです。新しい友達、新しいプロジェクト、新しい趣味…
年を重ね成熟するとともに、重要なことを学びます。新しい始まりは、生きている人生の一部ということです。
もっとリアルで明白でニーズと調和した幸せを受け入れましょう。勇気を出して、自分の好きなストーリーを描いてください。あなた自身のストーリーです。
イメージ:SIUM と Soizick Meister