ヨガとうつ病:その関係とは?
ヨガとうつ病の関係は理解しづらいかもしれません。うつ病の主な症状のひとつが、何事にも無関心になることです。しかしうつ病で苦しんでいる人にとって、ヨガにはたくさんの利点があります。
通常、うつ病の治療は、心理療法と薬物療法を合わせて行います。しかし、うつ病の罹患率が高い上に抗うつ薬には副作用があるため、補完療法が普及し始めています。その一つがヨガなのです。
うつ病とは?
うつ病とは、主に感情面で症状がでる気分障害です。また、認知と身体のバランスがとれないのも特徴です。心理、身体の両方で人に影響を与えますが、特に感情面に影響が大きく出ます。
重度なうつ病の機能別症状:
- 感情面:無気力、過敏、 体調不良、無能・責任を感じる、物事への興味・喜びの喪失、死について繰り返し考える。
- 認知 : 集中力、決断力の低下
- 身体 : 自然な体重の減少または増加、不眠または過眠、精神運動のかく乱または抑制、疲労、エネルギー欠落
うつ病にも色々あります。症状の重さ、どの症状がどのくらいの頻度で現れるかにより異なります。うつ病の人の家族生活、職場、社会性への影響も様々です。一時的なものから慢性的なもの、一部または全体的な障害の原因にもなります。
化学的にうつが与える脳への影響
お分かりいただけるように、うつ病の人は、ある程度全身に影響が及びます。ただの低い自尊心や慢性疲労ではありません―自殺にも繋がりうるのです。
- ノルアドレナリン: ストレスに反応するホルモンで、荒れた状況に体が対処できるよう準備します。常に戦いの状態にあるため、免疫力が低下し、癌やうつ、不安などの病気のリスクが高まります。
- ドーパミン: ドーパミンの欠乏が、無関心や疲労、気分のむら、倦怠感に関係しています。称賛や快楽の気持ちを減少させます。
- セロトニン: セロトニンの低下がうつ病を引き起こすことがあります。やる気がなくなる、食欲減退と疲れの原因でもあり、体温や社会的行動の変化にもつながります。
ヨガの良い所
うつ病の仕組みが分かったところで、この病気とヨガの関係を見てみましょう。ヨガはただの身体運動ではありません。心や精神状態にも関わってくるのです。サンスクリット語「ユジュ」からきており、くびき、団結という意味です。体、心、精神の調和です。ヨガとうつ病の繋がりが見えてきましたか?
ヨガは、心と体の面で自分をより良く知る助けになります。自分の奥深い所まで探索できるようになります。アサナス(姿勢、ポーズ)、呼吸とマントラ(音と言葉)を通じて学びます。
「私の幸せは外ではなく自分の中にある。私にあるのはその一瞬一瞬のための力だけだ。」-タントラヨガ-
人は多次元的です。ただの症状や思考ではなく、相互作用の産物です。考えや行動、心の状態や記憶、体の機能の調和をヨガが教えてくれます。これらがつながっていれば、私達は平和にいられるのです。この系統的なバランスの中で、ヨガとうつは出会うのです。
うつ病に対するヨガの利点
ヨガはインドが発生です。ヨガにより、ニューロンを修復する物質であるたんぱく質の生成を刺激します。これが、経験や学習により、ニューロンの接続を変化させ、創造する力を持つ神経可塑性を高めることにつながります。
また、ヨガはセロトニンやドーパミンの値を調整し、脳への血流をよくし、エンドルフィンを分泌させます。これらすべてが、自然と気分をよくすることにつながります。
また、様々なポーズで筋骨格系を鍛えます。筋肉を柔軟に、強くします。靭帯、腱、筋膜も鍛えられます。
ヨガをすると、より良く深い眠りを導いてくれるリラックス状態を促してくれます。
ヨガが感情面の症状を改善
うつ病の主な症状は感情に関係するものばかリです。ヨガは、そこに直接働きます。緊張をほぐし、即効性があります。
- リラックスし、平穏な状態へ。体の健康の喜びを感じることができるポーズがあります。ヨガは、体のいくつかの部分を刺激し、気分を良くするのをたすけます。
- ストレスや不安と戦う。ゆっくり深い呼吸が心と感情の平和へと導きます。体の数カ所に集中し、瞑想することで、ストレスや不安を軽減します。さらに、炎症を緩和し、免疫力を高めます。
- 内なる世界へ。ヨガは、ネガティブな感情をポジティブに変えます。より難しく複雑な感情をコントロールできるようになります。過敏性、絶望や無関心の思いも減らします。
ヨガは、うつ病やその他の病気と戦うための正真正銘の全身運動になります。ヨガとうつ病には関係性があります。ヨガには多くの利点がありますが、注意も必要です。うつ病の緩和や治療として、ヨガのみを利用することはお勧めできません。薬理学や心理学療法の助けにはなりますが、代わりにはなりません。