新しいクリスマス(クリスマス・ストーリー)
今日はクリスマスの真の意味について考えてみたいと思います。「新しいクリスマス(原題:Transforming Christmas)」という、一人の少年のお話をご存知でしょうか。このお話は、感謝を忘れずあなたの周りで起こっていることに価値を見出すことがいかに重要であるかを思い出させてくれます。
このお話を読むと、日々私たちが手にしているものに対し、たとえそれほど重要でないと思えるものであっても、感謝の心を忘れないようにすることが大切だと分かります。感謝は1年のうちの特別な1日だけするようなものではありません。
毎年、テレビにはあふれかえるほどの、お菓子やおもちゃ、香水のコマーシャルが流れます。私たちの周囲すべてが、クリスマスという、この1年で素晴らしくしかし恐ろしい季節がやってきたことを伝えます。町はライトアップされ、いわゆる集団狂気に近いものが町中を覆います。私たちは、衝動買いを繰り返し、食料棚は食べ物であふれかえりクリスマスプレゼントを買いに走ります。しかし、これが1年に1度のこの日の本当にあるべき姿なのでしょうか。新しいクリスマス―これは、包装紙以外のことに目を向けることができたら可能なのです。
「クリスマスとは、何らかの時節ではなく、心のありようを言う。平和と友好を大切にし、慈悲深くあることが、真のクリスマス精神である。」
-Calvin Coolidge-
新しいクリスマス
5歳になったばかりのオリバーは、自分の周りの世界で起こっていることに対して興味津々です。ある日、オリバーは、町のすべてが変わりつつあることに気が付き始めました。通りは明るい色であふれかえり、そこかしこで歌が常に流れていて、木には様々な飾りつけがされています。テレビでは、お菓子やおもちゃ、ワイン、香水のコマーシャルが流れています…これを目にしたオリバーは考えました…そしてオリバーは、どうしても知りたいことを母親に聞いてみることにしました。
「ママ、クリスマスって何?」
「クリスマスはね、幸運な人だけが楽しめるものなの。いつかあなたも楽しめる時がくるといいのだけど」―オリバーの母親は哀しそうに答えました。
この母親の返事とその時の母親の表情を見てオリバーは悲しくなりました。けれど、オリバーはいつか自分もクリスマスを楽しむことができるんだと、希望は捨てませんでした。それから何日かの間、オリバーは色々調べてみました。そして、クリスマスの朝がやってきました。
朝早く起きたオリバーは走って母親を起こしに行きました。母親がゆっくりと目を開けるとそこには、「ママへ」と書かれたカードを持ったオリバーが立っていました。この再生紙で作られた手作りのカードは、色とりどりのたくさんの絵が描かれた美しいカードでした。そしてそこには希望に満ちたメッセージが書かれていました。「ママ、僕にとっては毎日がクリスマスだよ。だって、ママと一緒で僕は幸せだから」。オリバーの母親は泣きだしました。するとオリバーが尋ねました。
「ママ、なんで泣いているの?」
「だって、お母さん、今までどれだけ自分が幸運なのか分かってなかったから。オリバーが教えてくれたのよ」-オリバーの母親はこう言いながらオリバーをぎゅっと抱きしめました。
「そうだよママ、僕達には毎日がクリスマスだよ!」
「クリスマスはプレゼントを開ける日ではなく、心を開く日である。」
-Janice Marditera-
愛こそが最高の贈り物
この1年に1度のお祭り気分でいっぱいのこの時を変えることができます。オリバー少年は、その純粋な気持ちからこれを実現しました。彼は、自分にとって本当に大切なものが大事なのだと考えました。彼の母親の愛は、間違いなくオリバーが手にすることができる最高の贈り物です。この小さな子供により母親が思い出したように、私たちもこのお話で一つのことを思い出します。それは、私たちは時に、何が一番大切であるかつい忘れがちであるということです。私たちは、お金が足りないから、お互いにそういう関係ではないからといって、周りの人に渡すことができない物について悩んでしまいます。
そして多分、もしかしたらですが、私たちはすでに手にしているもの、そして他の人たちがくれるものを、すべて忘れてしまうのかもしれません。人を愛し愛する人を大切にする―そのような人々に囲まれた人こそ誰よりも豊かなのです。愛する人、そしてその人が愛してくれる―誰しもそのような人、一人はいるのではないでしょうか。そう、特にクリスマスの日に、思い出せませんか?
「もしあなたが愛する人にクリスマスに何をあげれば良いのかわからないなら、その人には愛をあげるべきだ」