負のスパイラル:睡眠不足と不安の関係

2019年7月3日
睡眠不足と不安には深い関係があります。毎晩十分に眠らないと、慢性的な疲労が起こり、うつ病を含むいくつかの心理的障害が現れる可能性があります。

最近の研究によると、睡眠不足と不安には深いつながりがあります。不眠症だけでなく、よく眠れない場合も同様です。毎日睡眠不足に悩んでいるのであれば、あなたの健康も脅かされている可能性があります。

神経科学は日々進歩し、価値があり興味深い新しい情報を私たちに提供しています。たとえば、30分以内の昼寝は短期および長期記憶の改善に役立つことが最近発見されました。そして睡眠が毒素除去の鍵であることも証明されています。

ほとんどの動物と同様に、人間も眠る必要があります。十分な休息を取らないと、私たちの健康と幸福が危険にさらされます。さまざまな睡眠不足の研究はこの危険性を証明しています。一晩で6時間未満の睡眠は、神経変性疾患のリスクを高めることが実証されています。

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古代ギリシャの悲劇作家ソフォクレスによると、睡眠はどんなものにも効果的な唯一の薬であると述べていますが、確かにそれは間違っていないようです。時に私達は生活習慣の重要性をおろそかにすることがありますが、一晩に少なくとも7~8時間眠ることは、身体的にも心理的にもプラスになります。

「睡眠はそんなに簡単な業ではない:そのために一日中起きていることが絶対に必要なのだ。」

-フリードリヒ・ニーチェ-

負のスパイラル:睡眠不足と不安の関係

睡眠不足と不安

睡眠不足と不安との関係は、近年多くの研究対象となっています。このトピックは、カリフォルニア州サンディエゴで開催された神経科学学会の年次総会で専門家グループによって発表されました。Sleep Research Societyのメンバーであり、この分野で最も優れた専門家の一人であるClifford Saper博士は、次のように説明しています。

  • 睡眠不足と不眠症は違います。1ヵ月の間眠らないで過ごすということではないのです。
  • 多くの人が睡眠の必要性を重視していません。
  • 睡眠不足は、少ない時間眠ることを指しています。たとえば、真夜中に寝て午前2時に起床し、その後午前3時ごろ再び眠り、午前5時に起床するのは睡眠不足にあたります。
  • 私たちの健康を危険にさらしているのは、体が深く休んでいる一方で脳は活動し続け、非常に重要な機能を果たすレム睡眠(急速眼球運動)段階にたどり着かないことです。
負のスパイラル:睡眠不足と不安の関係

睡眠不足と扁桃体

2~3ヵ月の間平均5時間眠っていたと想像してください。私たちはたいてい朝目覚めた時もまだ疲れていますが、それでもいつものように仕事と義務を遂行するでしょう。年をとるにつれて体が変化し、短い睡眠でも大丈夫だと言い聞かせている人もいるかもしれません。

自分自身を納得させることはできますが、私たちの脳はそのような論理に同意しません。深い睡眠段階に達していないということが真実だからです。

  • 睡眠不足と不安が関連しているのは、過度に機能し始める場所があるためです。それは扁桃体です。
  • 扁桃体は、脳がリスクを知覚したときに活性化する脳の領域です。現実か想像上のものかのいずれかの脅威から逃れるために私達に警告して目覚めさせるホルモンを放出します。
  • 扁桃体にとって、睡眠不足は脅威です。幸福のために必要不可欠な有機バランスに対する脳の恒常性を脅かします。
  • 扁桃体の活性化は、私たちに絶望感を与え、不安状態に導きます。

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睡眠障害による悪影響

このように睡眠不足と不安との関係は悪循環に陥る可能性があります。眠る時間が減るにつれ、不安も増すでしょう。そして、不安そのものが睡眠障害をさらに深刻なものにします。

オーストラリアのアデレード大学で行われた研究でも、睡眠障害が不安を患うリスクを高めることが実証されています。また、症状が悪化すると、うつ病を発生する危険もあります。

カリフォルニア大学バークレー校人間睡眠科学センターのEti Ben-Simon博士は、非常に効果的な睡眠療法があることを発表しました。実際、患者の心理的幸福は、質の良い睡眠を取り始めてからわずか数週間で改善する可能性があるというのです。

睡眠不足や不安を治療するための戦略

睡眠衛生の専門家は、2つの方法を勧めています。一つは睡眠習慣を改善することです。もう一つはストレスや不安をより適切に処理する十分なスキルを習得することが不可欠だと述べています。

  • まず医師に相談することから始めるべきでしょう。睡眠障害に影響を与える他の病状を取り除くことが大切です。
  • 次に、睡眠療法の専門家を訪ねましょう。患者のストレスや不安を軽減するための効果的なプログラムと薬を用いて治療してくれます。
  • 睡眠のスケジュールにしっかりと従いましょう。毎晩寝る前に同じ様に日課を行い、同じ時間に寝るようにしてください。
  • 睡眠衛生(食事、運動、睡眠環境など)をしっかり考慮するべきです。
  • 逆説的な意図およびバイオフィードバックについて学び実践するのも良い方法でしょう

今回ご紹介したように、睡眠不足と不安の間には明確な関係があります。よって、睡眠衛生をおろそかにしないことが重要です。一晩の睡眠不足で死ぬことはありませんが、それは確実に生活の質を低下させることを覚えておいてください。

  • Alvaro, PK, Roberts, RM, y Harris, JK (2013). Una revisión sistemática que evalúa la bidireccionalidad entre las alteraciones del sueño, la ansiedad y la depresión. Dormir , 36 (7), 1059-1068. https://doi.org/10.5665/sleep.2810
  • Mellman, TA (2008, junio). Trastornos del sueño y la ansiedad. Clínicas de medicina del sueño . https://doi.org/10.1016/j.jsmc.2008.01.010