未だに死刑が行われている国
死刑や極刑は、裁判で言い渡される犯罪に対する罰です。重罪を犯したという意味で、「死刑に値する罪」であり、刑事制裁として行われています。
未だに死刑が行われている国々では、内外で多くの論争が行われています。国際社会は、実際、この種の制裁を禁止する新たな規定を出しています。
ここでは、今の世界で死刑が行われるケース、死刑執行を規制する国際標準について見ていきます。
死刑廃止に関する方針
歴史を通して、死刑は執行および適用の両方において変化してきました。死刑は特定の犯罪や地域の主体の間で行われる争いの解決法として適用されてきました。
極刑は、部族社会が元になっています。抑止することにより平和を保つ方法のひとつでした。しかし現在、多くの民主主義国家で死刑は廃止されています。
スペインでは、1978年スペイン憲法が承認されるまで、中世から死刑が行われていました。第15条に「戦争時の軍事刑法で規定されている場合を除き、死刑を廃止する」と定められています。
さらに、1995年基本法第11条により、死刑が行われていた唯一のケースについても禁止されました。今では、軍事刑法も適用されません。
さらに死刑に適用に関し、国際社会は複数の基準を示しています。
- 市民的及び政治的権利に関する国際規約の第2選択議定書は、死刑の廃止を定めています。
- 米州人権条約は死刑の廃止を定めています。
- 人権と基本的自由の保護のための条約第6条および第13条には、あらゆる条件における死刑の廃止について記されています。
国際法では、死刑は国際的に制約されるべきだとしています。また、アムネスティ・インターナショナルなどの多くの機関は、死刑は暴力文化の象徴であり、存在すべきでないと主張します。
死刑が行われている国々
現在、世界の2/3以上の国々が死刑を廃止しています。犯罪者を処刑しない方向へと向かっているのです。20年で、50カ国以上が法律から死刑をなくしました。108カ国がすでに廃止しており、7カ国が基本法の中で廃止、29カ国は執行を延長しています。それでも、未だに55カ国で死刑が行われています。
公式なデータが得られない国々があるため、正確な全体数を出すのは困難ですが、2018年、アムネスティ・インターナショナルは20カ国で690件の死刑執行を認めています。これは、前年より31%少ない結果で、これまでで最も低い数字です。死刑執行が多い国々には、順に、中国、イラン、サウジアラビア、ベトナム、イラクがあります。
事件当時、未成年者だった人に対する執行
犯罪を犯した当時、未成年であった者に対する死刑を行っている国が未だにあります。人権に関する国際法で禁止されているにもかかわらず、それが執り行われているのです。
1990年以降、アムネスティ・インターナショナルは、サウジアラビア、中国、アメリカ、イラン、ニジェール、パキスタン、コンゴ、スーダン、南スーダン、イエメンの10カ国で145件の死刑執行を記録しています。
全体と比較し、子どもに対する死刑執行の数は減っていますが、死刑執行は国際法遵守のための執行者の責任を問うものであり、その重要性はデータを超越するものです。アメリカなどの先進国においても政治運動に大きく影響する、論争の的となるトピックです。ですので、この議論を続けることは重要です。
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- Badinter, Robert (2008). Contre la peine de mort: Écrits 1970-2006 (en francés). Paris: Le Livre de Poche.
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