アイソレーションタンクの利点

アイソレーションタンクは一般的になってきています。利用した人は、胎児に戻ったような感覚だと言います。心を空にし、深くリラックスできるようです。
アイソレーションタンクの利点

最後の更新: 17 9月, 2019

アイソレーションタンクは、感覚遮断タンク、フローティングタンクとも呼ばれます。このタンクは脳の研究のために開発されたものですが、最近ではリラクゼーションのひとつとして使われています。感覚剥奪体験の提供に特化する会社はたくさんあり、また、スパで体験できる所もあります。

アイソレーションタンクの支持者は、その経験を胎児に戻ったような気分だと表現します。これは少し大げさかもしれませんが、多く利用する人は独特な体験だと言います。究極のリラクゼーションの機会を与えてくれるようです。

一方でこのタンクを批判する人もいます。あるいは不安を抱えながら体験する人もいます。外の世界と完全に切り離されることへの不安を感じるのです。また、アイソレーションタンクを体験した人には、良い経験をするためにはある程度の精神的安定と成熟が必要だと言う人もいます。

「私達の感覚の一部は目の前にある物から感覚器を通じてやってくる。その他(きっと大部分)は、いつも自分の頭の外から発生している(ラザロの言葉)」

-ウィリアム・ジェームズ-

アイソレーションタンク

 

アイソレーションタンクの発明

アイソレーションタンクは、アメリカの精神医学者ジョンC.リリーによって発明されました。タンクを作った目的はビジネスで成功することではありません。そのような目的とはかけ離れて、隔離中に脳でどのような変化が起こるのかを研究しようとしたのです。

1950年代、リリーを始めとする多くの科学者がこの分野で注目を集めました。彼は、「感覚隔離部屋」というものを発明しました。これは感覚を最小限に減らすようデザインされた部屋です

リリーはこの発明で非常に特別な経験ができることを証明しました。その部屋の中にいることで、リラックスでき、若返るというのです。しかし、科学界で彼の研究を真剣に受け止める人はいませんでした。それはリリーの考えが一般的な考えから外れていたためです。また、彼は風変わりで、注目を集めたいだけだと言う科学者もいました

 

新たな研究

リリーのアイデアは当初は注目を集めませんでしたが、時がたつにつれ人々は興味を示すようになりました。研究者はリリーのアイソレーションタンクで実験をし、これがさほどおかしなアイデアではないかもしれないと気づきました。実際、治癒的道具としてのポテンシャルを見出したのです。

まず、軍隊用にこのタンクは研究されました。体と心を鍛えるのに役立つという効果が証明されたようで、数名の海軍が感覚遮断療法を受けました。後に、NASAは宇宙飛行士の訓練の一環としてフローティングタンクを使っています。

70年代に入り、アイソレーションタンクの人気が高まり始めました。トップアスリートが、まず、筋肉の回復のために使いました。そしてスパやリラクゼーション市場でポテンシャルが見出され、サービスに取り入れられました。大きなストレスを抱えた人が生きる世界で、これは良いビジネスのようなのです。

 

アイソレーションタンクとは?

アイソレーションタンクには400~600リットルの水が入っています。そして、その半分はエプソム塩(硫化マグネシウム)です。高濃度の塩により、死海のように自然と体が浮きます。

水温は体温と同じくらいで、冷たくも熱くもありません。中には、完全に閉められるタンクもあります。この場合、暗闇と静寂の中で水に浮かぶことになります。

開いたままのタンクもありますが、部屋の光は明るすぎず音はありません。一般的に、60~120分、タンクの中で過ごします。

アイソレーションタンク

 

アイソレーションタンクの利点

研究員によると、このタンクの利用は脳にポジティブな変化をもたらします。まず、このように感覚が剥奪されると、瞑想をしている時のような活動を脳波が示します。その結果、非常にリラックスした状態になるのです。

このタンクには健康面の利点もあります。筋肉痛を緩和し、片頭痛や生理痛などの慢性的問題を予防します。また、この種のセラピーは、不安による苦痛を抱える人にも効果を示します。

何より利用者はアイソレーションタンクは、創造性を刺激し、知的能力を高めると主張します。この体験はつまらなく、不快であったという少数意見もありますが、これを試した多くの人がリピーターになっています。副作用がみあたらないこのタンクを使ってみませんか?あなたもはまるかもしれませんよ。


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  • Ardila, R. (1970). Privación sensorial. Revista Interamericano de Psicologia, 4, 253.

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