依存の裏に潜む孤独
あなたが苦しんでいるその孤独感は、人生で手付かずになっていることやイライラしてしまう何かが原因かもしれません。その孤独をお酒をたくさん飲んだり、ジムでクタクタになるまで運動したり、衝動買いしたりして紛らわせようとする人もいるかもしれません。しかし、それらの後には失望感やそれ以上にひどい状況が待っているかもしれません。
その孤独は意欲喪失、現実逃避につながります。そして、今自分に足りないものは何なのかを考えることから逃れようとしてしまいます。
孤独を埋めるのは簡単なことではありませんが、何かに依存することはその解決方法ではありません。すでにあなたを苦しめている負の感情は、依存によってさらに悪化するだけです。そのうち、まるで底なし沼に落ちていくような感覚に陥ることでしょう。つまり、絶望的な状況に間違った方法で対応してしまっているのです。
すべてを諦めてしまいたくなるとき、人は何かに依存することが唯一の逃げ道のように感じてしまいがちです。本来何の問題もないはずの喜びという感情すら、依存状態の元では危険なものに変わってしまいます。普段の何気ない行動も、どれくらい依存に関わっているかによっては、危ない行動に変化してしまうこともあるのです。
「依存とは心の欠陥、理性の毒である。」フランシスコ・デ・ケベード
孤独からの逃げは、依存状態に陥る危険信号
あまり認めたくはない事実かもしれませんが、人生は何かに頼ることで支えられていることが多くあります。寂しさを埋めるために何かに頼っても、その孤独がまたさらに大きくなり、危険な状態に自分で気付くまで悪循環が続いてしまいます。
もし目の前の問題に対処できないと思ったら、あなたを守るバリアが自分とその問題との間に構築されます。そしてその結果としてさらに中毒状態が悪化するのです。辛い現実から目を背けるために依存状態に陥ってしまう危険信号は以下のようなものです。
- アクティブな活動を避ける
- 常に緊張している
- 体の震え
- 意欲低下
「全て必要なものだから」と言い訳するのも問題のひとつです。必要性から渇望が生まれ、渇望から依存が生まれるため、本当に自分に必要なものは何かを見極めることは非常に大切です。通常の願望には問題はありません。問題なのは、それをコントロールできなくなってしまうことなのです。
「その人が幸福感のために求める物によっては、いつでも満足できない状態に陥ってしまうことがある。中毒症状の人間と同じように、常に摂取していないと気が済まない。たとえ隣の人よりも恵まれていたとしても、本人には関係ないのだ。」
―ミハイ・チクセントミハイ
不足しているものを知るためには、勇気が必要
内側から孤独感を癒すために何よりも必要なのは、自分自身を知るということです。心理カウンセラーの元に行き孤独感を訴える人たちは、多くの場合自分のことを理解できていないのです。何年も前に作り上げた自己評価をアップデートせずに、長い期間過ごしてしまっているのです。
彼らはその何年かで自分が変わったということを頭では理解していますが、今自分が何なのかはわかっていません。プレッシャーに押しつぶされそうになっているのに、自分では何が起こっているのかを自覚していないのです。今こそ解決に向けて動かなくてはいけない、ということにも気づけていません。自分の何かがおかしいということを自覚するためには、勇気が必要です。
自分の心が求めていることを知り、不足しているものを見極める上で大切なのは、物や周囲から何が求められているかではなく、自分が子供の頃から欲しかったもの、自分の人生に必要なものは何なのかを考えることです。満ち足りている人間は、過去の過ちや自分に欠けているものをよく理解しているものです。
自分をポジティブな好意的な目で見ることができて初めて、自分自身を受け入れることができ、願望も常に変化し続けるアイデンティティの一部として捉えることができるのです。