自分を大切にして他人の世話をする
責任を持って誰かの世話をするのは簡単なことではありません。
自分以外の誰かの世話は、多くの時間、献身、努力、そして責任感が必要です。また他人の健康が自分の手に委ねられるほど責任のある世話、つまり介護などを担当する場合は、自分のエネルギーや時間を多く消費することになり、最終的に自分自身が疲れて健康を害するリスクがあります。
責任を持って誰かの世話をするときには、自分自身の健康にしっかりと注意を払い、適切なサポートを受けながら自分を第一に考えて大切にする必要があるため、自分のためだけの時間を作ることも欠かせません。
不可避なものを受け入れる
健康な人がわずか一晩で誰かに頼らなくてはいけないような介護生活へと転落することがほとんどないのと同様に、一晩で誰かのお世話をするヘルパーへと変身することはなかなかできません。
家族の誰かが病気や怪我などで介護が必要となった時、その役割が自分に回ってきたら、新しい役割を理解して受け入れるための時間やプロセスが必要となります。
世話や介護をする側は、この新しい状況を受け入れるまでにいくつかの段階を必要とします。
毎日の生活で介護を必要とする家族がいて、その世話を自分がすることになれば、まずは拒絶する人が多くいますが、拒絶は一般的な行動です。
しかし最終的にはどれだけ拒絶しても家族は介護が必要であるため、状況を受け入れなくてはいけません。
どれだけ拒絶しても、助けを必要としているのは愛する自分の家族です。そのため、徐々にその役目を受け入れ、情報を集める段階へと入ります。
まずは、家族が発症している病気などについて、病気の進行状況や必要なケアなどについて調べる人がほとんどです。
この段階では悲しみや罪悪感、怒りや苛立ちなど、自分の中で処理するのが難しいほどの感情が生まれますが、次第に自分の新しい役割と責任を受け入れ、スケジュール調整や、ケアが必要な人のための様々なケアやサービスの情報を手に入れます。
人生の新しい段階に自分を合わせようと努力する期間、ということができます。
疲労困憊-休息が必要な時
他人のお世話を必死になって行う時、ついつい自分のことを後回しにしがちです。
しかし、自分を後回している兆候を示す危険信号があり、これらに注意を払うことが大切です:
- 慢性的な疲労感と疲労困憊
- 孤独感
- 薬の過剰な服用や中毒症状
- 気分の上下や頻発するイライラ
- 集中力の欠如
- 職場でのミス
これらの兆候が現れたら、自分を大切にして、休息をとったり自分のためだけの時間を設けてください。
誰かの世話をするためには自分のケアが大切
自分の心身のケアをしっかりと行うことで、自分以外の人の世話が初めてできます。
心身のバランスと健康を維持するための習慣をいくつかご紹介します:
- 自分の時間を調節する:自分のするべきことや自分の好きなことに使う時間を優先してください。また休息時間をしっかり取るなど自分だけのために使う時間を必ず確保することが大切です。
- しっかりと休息をとる:就寝前にはリラックスする時間を設け、十分な睡眠時間をとりましょう。忙しい毎日の中でも立ち止まり休憩する時間を作ることが大切です。
- 健康維持:中強度の運動とバランスのとれた食事が健康維持には効果的です。エネルギーを確保して、精神的な緊張感を解消するためにも運動と健康的な食事を心がけてください。
- 自分の感情を表現する:自分の感情、良い感情と悪い感情のどちらも表現することが大切です。ポジティブな感情は他人との関係を密接にし、快適な環境を作り出します。またネガティブな感情を表現することで、これらの感情が蓄積されて精神的な苦痛へと変換される前に解消する効果があります。
- 社会的な繋がりを維持する:友人や家族との繋がりは私たちの健康に欠かせません。サポートが必要な時は遠慮せず助けを求めましょう。また辛いことがあった時は電話やメールなどでその気持ちを相手に聞いてもらい、孤独感や「捕まって隔離されている」ような感覚を持たないように気をつけてください。
長期間にわたり誰かのお世話をした後、何をしても治らない慢性疲労のスパイラルに陥ることがあります。
人生のリズムが狂ってしまった時は、周りの人や専門家の助けを借りることが必要になります。
自分の人生を無駄にすることなく誰かのお世話をするためには、まず自分のケアを欠かさないことから始めてください。