受動的攻撃行動から身を守る方法
受動的攻撃行動は、依存と巧みな操作によって特徴づけられます。ネガティブな行動と悲観主義を併せ持つその回りくどい芸術は、非常に強力で相手を深い精神的・感情的疲弊に導きます。同じように、この特徴は反抗的な性格にもつながります。残念なことに、かなりよく見られます。このようなタイプの行動は、ロマンチックだろうが、プラトニックだろうが、家族だろうが、どんな関係をも複雑化します。このような受動的攻撃行動からどのように身を守ればいいでしょうか?
わたしたちの多くがすぐに見分けられるのは、攻撃的な行動です。一般的に、攻撃的なふるまいやコミュニケーションスタイル、優越コンプレックス、明らかな攻撃性など、攻撃な人にはすぐに気づくことができるのです。
「恐怖は大体2つの方法で現れる。攻撃性または従順を通じてである。」
–パウロ・コエーリョ–
しかし、受動的攻撃行動は予測がつきません。カリスマ性と反動性の間を行き来する特定の行動や反応は、認識するのが難しいこともあります。目につくのは、皮肉、嫌味、「良いマナー」に化けた攻撃性です。これは相手を混乱させ、間違いを引き起こさせる性格タイプです。周りは少しずつ、その人が引き起こしている具体的な害に気づき始めます。
数年前まで、受動的攻撃行動はパーソナリティ障害として認識されていました。しかし、DSM (精神障害の診断と統計マニュアル)の第4版ではこのカテゴリーは削除されています。 現在では、行動のタイプ、「非病理学的」性格タイプとしてカテゴリーされています。
90年代には、この「障害」は過剰診断されていました。そのような議論が幕を閉じたのは、反抗性、悲観主義、隠れた攻撃性を病的なものと考える意味があまりないという専門家の意見の一致によります。生涯的に支配的、悲観的、否定的行動が見られる場合のみ「病的」とする診断は適切とされます。
受動的攻撃行動の特徴
わたしたちはみなときに受動的に攻撃的になります。気づいていないかもしれませんが、抑圧された攻撃性、いらいらした不機嫌な反応を生み出してしまう引き金があります。 だから、常に受動的攻撃行動の裏にあるものを理解することが重要です。
よくある特徴をいくつか詳しく見てみましょう。
受動攻撃的発言
受動攻撃的行動は、常に怒りにマスクをかけて隠しています。しかしあまり上手く隠されておらず、特に言葉に現れます。相手を傷つけ突然襲うほのめかしがよく見られます。混乱するような矛盾したメッセージを発することもかなり良く見られます。以下のようなフレーズです。
- 「何を言おうとしているかわからない」―何を伝えようとしているかしっかり理解しているにも関わらず、このような発言をする。
- 「好きにすれば」―こころからの直接的な感情のコミュニケーションを避けるため、いち早く議論を終えようと相手を肯定する。
- 「どうしてこんなことするの?なんでも真剣にとらえすぎ。」―相手を辱め制限する人が受動攻撃的に使うフレーズ。
批判的態度と先延ばし
受動攻撃的な人は、オープンマインドな人に見えるかもしれません。でも、彼らをよく知ればそのイメージは崩れます。それから、彼らの本当の受動攻撃的なサイドが見え始めます。
- シャイで自分の周りのものすべてに批判的。
- 無礼なことがあり、本人はそれを誇っている。自分自身を反秩序的で、反抗的と見ているため。
- すべてにおいて他人に責任を押し付けることに中毒になっている。
- 受動攻撃的な人の心の根幹には、怒りと不満がある。
- 他の人からの権威や提案を嫌う。
この攻撃性と共に、すべてを先延ばす傾向が見られます。約束したことを行わず、物事を始めても終わらせずにそのままにします。忘れっぽくて、物や個人的な関係に関わらず、自分の持っているもののケアをしません。
感情的な依存
彼らの反抗的・攻撃的ふるまいが、他人へのかなりの感情的な依存へつながっているのは面白いことです。
「あなたを見下してるけど必要なの」という姿勢は間違いなく彼らの特徴のひとつです。自分の不安で押しつぶされそうになっている弱い人は、こうすることで本来の姿を隠します。他の人からすべてを必要とし、同時に堅い外殻の冷酷な部分を生きています。
受動攻撃的な人の対処の仕方
受動的攻撃行動の裏にあるものは、様々な複雑な現実です。鬱、不安症、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、低い自尊心、トラウマのある子供時代、生理的または環境的要因などがあげられます。
「攻撃性のコンテストでもめる人は、意味をなしていない。さらに、力を失っている。」
–ジュリアン・マリーアス–
もし自分の日々の行動や姿勢が受動的攻撃行動を引き起こしていると気づいているなら、怒りや苛立ちを理解し放出する方法を見つけるために、良いセラピストを探すことが有効です。さらに、以下の基本的な考え方を常に心にとめておくと良いでしょう。
- なぜこのように行動し反応したか理解しようとする。
- しゃべったり行動したりする前に考えて省みる。
- 自分に影響を及ぼすもの、不安にさせるものを特定し、それに立ち向かう。
- ネガティブに打ち勝つ。
- マインドフルネスを行う。
- 心の知能を養う。
受動攻撃的な人に対処しなくてはいけない場合、自分たちへの影響を弱めるために一番良い方法のひとつは無視です。一般的に、受動攻撃的な人は、とても低い自尊心を持っており、感情的な積極性に欠けています。自分の行動が機能していないときどのように行動したらいいかわからない人たちです。
彼らの言葉やふるまいにわたしたちが影響を受けていると彼らが思えば思うほど、彼らは力を増します。わたしたちが気にしていないそぶりを見せると、それ以上何も行わず、わたしたちにおよぶ彼らの心理的影響は和らぎます。 しかし、すでにお話ししたように、このような行動の裏にあるものを知っていることは大事です。もし受動攻撃的な人が身内なら、専門家に相談することをすすめることができます。
最後に、初めてこの言葉が使用された起源に関する興味深い事実をご紹介します。第二次世界大戦中、軍事精神科の集団が多くの兵士がある反抗的態度を見せているときに気づきました。兵士たちは、命令を実行することに対する受動的でネガティブな反抗を見せていました。このような兵士の行動の本当原因は、心的外傷後ストレス障害だったのです…