夜間の睡眠の質に環境がもたらす影響とは?

夜間の睡眠の質を改善するために、私たちは寝室にどんな変化を加えられるのでしょうか?この記事を読んで学んでいきましょう。
夜間の睡眠の質に環境がもたらす影響とは?
Raquel Beneito Vilaplana

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Raquel Beneito Vilaplana.

最後の更新: 21 12月, 2022

色彩心理学では、美意識がいかに休息や精神に影響を与え得るかについての説明がなされています。自分のニーズに応じて明るさや暗さを調節するために、インテリア戦略を採用することもできます。実際に、そのような場合には想像力やクリエイティビティを発揮することが睡眠の問題を解決するのに役立つ可能性もあります。そうは言っても、質の良い休息を取るのに最適な空間を作るためには、周囲の環境が夜間の睡眠にもたらす影響を考慮することが重要です。

スペインでは人口の20.8%の人々が睡眠障害に苦しんでいます。 中でも最も多いのが不眠症です。こういったケースでは、リラクゼーションテクニックや睡眠誘発戦略を採用することが推奨されます。

さらに、心理的要因や行動要因、さらには環境要因までもが睡眠に影響を及ぼします。このため、今回の記事では環境が睡眠の誘発を担当する細胞にどう影響するのかについてお話ししていきます。さらに、ご自身のお部屋で取り入れていただける、良好な睡眠を容易にするような手法もご案内しますよ。

夜間の睡眠に環境がもたらす影響

睡眠障害の中でも最もよく見られるものの一つが不眠症で、この病気により身体の恒常性が変化し、休息を取ることが難しくなります。ストレスや悪い習慣、そして寝る前に電子機器のスクリーンを見ることなどはその原因の一部です。

夜間の睡眠の質 環境 影響

睡眠を誘発する色

信じ難いかもしれませんが、色には感情に関わる脳領域への影響があるのです。心理学者エヴァ・ヘラーは自身の著作『Psychology of Color』の中で調和のとれた優れた休息に導いてくれる色について説明しています。

その中でも白などの純色は、空間に光をもたらして中立で清浄な環境を作り上げます。さらに、緑や茶色、青、ラベンダー、グレーといった自然の中で見つかる色もあり、これらは白などのニュートラルカラーと組み合わせることで楽しげな雰囲気を作り出します。

光、休息の良き友人

光を捉えるのは眼の中の錐体細胞と桿体細胞です。光を感知したこれらの細胞は、新たなサイクルが始まり、覚醒してアクティブ状態でいなければならないことを脳に伝える役目を果たします。この理由から、眠る前に鮮明な色を見るのは制限すべきなのです。

強烈なブルーライトは視細胞を刺激し、メラトニンという睡眠の誘発に関わるホルモンの分泌に負の影響を与えます。一方でかすかな琥珀色のライトはこれと反対の効果をもたらすので非常に有益です。

リラックスできて心地の良い室温

環境が夜間の睡眠にもたらす影響を話題にするのであれば、色の話だけで終わりにするわけにはいきません。実は、部屋の温度も睡眠という活動において重要な役割を果たしているのです。眠る時の室温は体温よりも低い状態でなければなりません。身体の温度は夜の間に若干低下する傾向があることが研究で明らかになっています。

そのため、寝室の温度は約20℃に保つのがいいでしょう。

風水の力を借りて寝室を完成させよう

ご存知ない方も多いと思いますが、風水はストレスを大幅に和らげるのに役立ちます。したがって、良質な睡眠を究極の目標に掲げているのであれば、このテクニックを使って部屋を装飾することは非常に有益なのです。

風水の世界では、自然光を最大限に取り入れることや部屋を広々と整理整頓された状態に保つことが重要だと考えられています。また、木材や金属などの静寂を感じさせる素材が多用されます。色遣いに関しては淡色を用いるのがベストのようです。

夜間の睡眠の質に環境がもたらす影響とは?

良質な夜間睡眠を実現するためのアイディア

これで周囲の環境が夜間睡眠にもたらす影響についてはお分りいただけたと思います。その上で、自分にはどんな対策が取れるのだろう、という疑問も湧いてきたのではないでしょうか。

色彩心理学を用いたり照明や気温を工夫すること、そして風水を取り入れるというコツについてはすでにお話ししました。これらに従っていただければきっと皆さんの睡眠は改善されるはずです。しかし、お勧めしたいアイディアはまだ他にもあるのです。

  • 自然を思わせるような色を使用してください。
  • 寝る場所には暖色系の照明を使用しましょう。強い青色光を避け、できる限り自然光を活かしてください。
  • 遮光カーテンを使い、外部の光が部屋の中に入ってくるのを防ぎましょう。
  • 携帯電話の画面の解像度を低くしてください。
  • 夏の間は、エアコンの設定温度を低くしすぎないようにしましょう。
  • 冬季には分厚過ぎる羽布団は使用せず、過度に暖まり過ぎないようにしてください。
  • 寝室にポジティブなエネルギーを充満させるためには整理整頓と清潔さの維持が大切であることを覚えておきましょう。
  • 風水によれば、木材と水、そして金属が良好なエネルギーをもたらしてくれる三つの自然要素だそうです。ご希望であれば取り入れてみてください。

最後に、睡眠障害の原因は様々で、自分一人の手には負えないという場合もあります。それでも、均衡を取り戻して体を休められるようにするために、一連の対策を取り入れることは可能なのです。思い切って寝室の模様替えをしてみましょう。確実に違いを感じていただけるはずですよ!


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。