色の心理学:色が意味すること

色の心理学:色が意味すること
Valeria Sabater

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Valeria Sabater.

最後の更新: 21 12月, 2022

色の心理学について話すことは、感情を話すことです。それは喜びや幸福、そして活力を呼び起こす言語のようなものです。

これはただ行動を促進するだけではありません。色は幼少期やあなたを象徴する個人の経験を基に出来ており、科学や心理学によって解明を求められたものなのです。

画家として有名なクロード・モネは、世界にある色に毎日一心不乱になっていたと述べました。色は彼を楽しませ、そして苦しめていたのです。芸術家でも色調や色の組み合わせの微妙さを捉える事は容易ではないので、色が人間とその行動に与える影響を定義することはさらに困難でしょう。

「世界に色が生まれる前の人間はどんなものでしょう?世界の色は人間の感情より大きいのです。」
-フアン・ラモン・ヒメネス-

実際に、今は色の心理学を疑似科学と捉えている人もいて、それなりの理由がそこにはあります。なぜなら、色は個人の好み、経験、近況、そして文化的な違いによって異なるからです。

しかし、ここで一番興味深いのが、多くの研究が特定の色に対する人間の反応を説明していたり、どの色が人気かについて語っていることです。

最も面白い本の一つに心理学、社会学者、そしてコミュニケーション論の教授でもあったエヴァ・ヘラー教授が書いた「Psychology of Color: how colors act on feelings and logic」(色の心理学)という本があります。

この本は、何年もの歳月をかけた研究、調査、そして観察の結果であり、彼女の生前生後に実施された多くの研究と一致する興味深いデータが含まれています。

そして、その中に興味深い結論が記されていました。それは、平均的に最も人気の色は青である、ということです。

カラフルな脳

色の心理学の目的

色は私達の脳を様々な方法で刺激します。実際に、エジプト人や中国人は色彩の効果を治癒と結び付け、意識や感情の特定の状態を促していました。

例えば、エジプト人にとって赤は命や土地、勝利、そしてセトやアポフィスのような敵対的な神の怒りを意味しました。

本質的に、色はただの光学現象以上のものです。これは、一つ一つ全てが独自の意味を持っているということで、脳に特別な影響を与えます。そのため色の心理学は、脳科学の立場から消費者心理や行動の仕組みを解明するニューロマーケティングには、基本的かつ必要不可欠なツールなのです。

消費者が特定の色の刺激にどのように反応するかを理解することは高い販売力に繋がります。それが100%正しいものでないとしても、色の心理学が効果的であることを示す反応パターンも存在するのです。

同様に、アートと映画の世界における色の効果を忘れてはいけません。例えば、デイヴィッド・リンチは論理的な世界から離れ、万華鏡のような微妙な感情に没頭した有名な映画監督の一人です。

彼の作品はいつも白と黒のコントラストを使用されています。彼はそれについて、その手法は現実から夢への飛行を象徴すると述べています。

「色は魂に直接影響を与える。色は鍵盤で目はハンマー、そして魂は多くの弦を張ったピアノだ。芸術家は演奏する手であり、魂を震わす為に鍵盤を触っているのだ。」
-ワシリー・カンディンスキー-

ゴッホもまた彼の精神状態を表現する為に意図的に特定の色調を選んでいました。下の絵のように常に黄色と青の鮮やかな色合いを残し、畑や星空を形作っていました。

ゴッホの絵

一つ一つの色が意味するものとその効果

では、これから色の心理学にあなたも飛び込んでみましょう。エヴァ・ヘラー博士の本で紹介された研究に加え、心理学者でスタンフォード大学の教授でもあるジェニファー・アーカー氏の研究も見ていきましょう。最近彼女はニューロマーケティング界で使われている色の興味深い分析についてを発表しました。

  • 青は生産的で邪魔をしないので、オフィスやビジネスで最も幅広く使われている色です。
  • ブランドへの信頼感を表す色です。
  • 青は食欲を抑制することが証明されているので、食品の宣伝には使用すべきではありません。
  • 青は調和、忠実さ、そして同情の色です。
  • これは最も冷たい色ですが、精神やファンタジーという概念にも関係しています。
  • 青は111色の青が存在します。
  • 青は原色の一つで、画家に最も人気の高い色合いは「オーシャンブルー」でした。これは最も高価で絵画に鮮明さを与えてくれます。

  • 赤はマーケティングで最も幅広く使われている色の一つで、他の色より際立ち注目を集めます。
  • 赤は心拍数を高め、緊急性や危険性、または即時性の感覚を引き起こします。
  • また、赤は食欲を刺激するので、購入衝動を促進するために使用されています。
  • 赤は愛と憎しみを表現する色でもあります。
  • 頂点、喜び、そして危険も意味します。
  • 血と人生も表します。
  • 私達の最も攻撃的、または積極的な側面を呼び起こすことの出来るダイナミックで魅惑的な色です。
赤い葉

黄色

  • 黄色はマーケティングでは楽観や若さを表しています。
  • 識別しやすいのでよく棚にある特定の商品に注意を引く為に使用されます。
  • すぐに目を疲れさせるので過度に使用すべきではありません。ですので、店舗の中央よりも周辺の棚に多く使われています。
  • いくつかの研究では、深い黄色の色調は赤ちゃんを泣かせる原因であると言われています。
  • 色の心理学の専門家にとって、黄色は矛盾した色です。これは楽観主義と嫉妬、理解と裏切りなど良い事と悪い事の両方を表すのです。
  • また、黄色は創造性を示します。
  • 黄色は男性の色でもあり、中国では忠誠を象徴します。

  • 緑は成長、再生、そして転生の色です。
  • 健康や自然、新鮮さ、そして平和と関連しています。
  • この色は自由や癒し、静けさを促すので問題解決に役立ちます。
  • ダークグリーンはお金、経済的な問題、高い階級を表します。
  • 緑には100色以上種類があり、中間的な緑色は気分を高めてくれます。
  • また、愛の芽生えも示します。
  • 緑は私達がリラックス出来る色で、うつ病などに悩んでいる人に効果があります。
緑の植物

  • 黒は優雅さ、気密性、謎、そして力に関連した色です。
  • この色は強い感情を生み出す権威のある色です。
  • ファッションの世界では、スタイリッシュで洗練されたものと捉えられています。
  • 50色の黒があります。
  • また、黒は死や喪失などの終わりの象徴でもあります。
  • 過去では黒は司祭を象徴しましたが、現代では保守的な人を表します。
  • 物理学の世界では黒は100%直接光を吸収するのでスペクトルの長さが反映されません。ですので、この長い歴史で黒は危険や悪などに関連しているのです。

「音楽を通して慰めを表現できるのと同じように、色を上手くアレンジするだけで詩をつくることが出来る。」
-ゴッホ-

  • 色の心理学では、白は無実と純粋を象徴します。
  • また、初めや始まりの意志を表します。
  • 白は誠実や空間に対する開放性だけでなく、平和や癒し、そして静けさを表します。
  • 完璧さにも関連しています。
  • 67色の白があります。
  • 服の白い襟はステータスを表しています。

  • マーケティングでは、紫は美容や老化防止などの商品に使用されます。
  • 落ち着きをもたらしてくれます。
  • 多くのブランドが創造性や創造力、そして知恵を表す為に使用しています。
  • 紫には女性や魔法、スピリチュアリティを表します。
  • 41色の紫があります。
  • 多く使用しすぎると、矛盾や迷いを生み出すので、専門家は部屋の壁などに使わないようアドバイスしています。
  • 紫は力を象徴しますが、あいまいさも表します。

オレンジ

  • マーケティングでは買い物の促進に関連しており、感情と暖かさも反映しています。
  • しかし、激しい色調のオレンジが使われていると攻撃性に関連することがあるので、柔らかいオレンジにしましょう。
  • 購入意欲を促すので広告業界では好まれています。
  • また、変化と仏教にも関連しています。
  • オレンジはポジティブな感情だけでなく、「味」の感覚も生み出します。
オレンジ

ピンク

  • ピンクは魅力と礼儀を象徴します。
  • マーケティングでは、消費者が子供やロマンと結びつける傾向があります。
  • エロティックで優しさの影を表します。
  • ピンクは甘い、子供らしさ、そして小さい、などを象徴します。
  • ポンパドゥール夫人のお気に入りの色でした。

もしかすると、あなたはこの色の説明に反対するかもしれませんし同意してくれるかもしれません。序盤で述べたように、一つ一つの色の衝撃はあなたの経験によって異なります。しかし、色の基本は商業的や芸術的に効果的で役に立ちます。

茶色、金色、銀色、グレイなどリストに載っていない色もありますが、今回は芸術の世界やニューロマーケティングで使われている最も影響力のある色を紹介しました。これは気づかれることなく、私達に密かに影響を与えているのです。

参考文献:

Heller, Eva (2004)  Psicología del color: cómo actúan los colores sobre los sentimientos y la razón”. Gustavo Gili: Madrid

Birren Faver (2000) “Color psychology and color therapy”. Express NY

Wong, Wucius (2006) “Principios del diseño en color” Gustavo Gili: Madrid

Images courtesy Sakimichan, Marina Melvik


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