仮装することが子どもにもたらす心理学的メリット
お子さんがいる方、あるいはもしかしたら甥っ子や姪っ子がいる方も、子どもたちに服を着せる際、その服がプリンセスやスーパーヒーロー、もしくはその他の子どもが気に入っているキャラクターのコスチュームだったら、いかに着替えが簡単になるかを目の当たりにしたことがあるはずです。子どもはコスチュームなら毎回すんなり腕を通したりするものです(しかも楽しい気分にもさせてあげられます)が、多くの場合それは幼少期を過ぎた後も続きます。この記事を読んで、仮装することによって得られる心理学的メリットについて学んでいきましょう!
子どもたちは大抵、何かに仮装するのが大好きです。子どもはまだレイシズムやセクシズムを理解しておらず、シンプルに気に入ったコスチュームを眺めます。すると想像力を刺激された子どもたちはすぐに、その服に身を包んでテレビや映画で見た魔法のような世界を訪れ、幸せな気分になる自分の姿を思い浮かべるのです。
したがって、お子さんが特別な服装をしたがったら、ぜひそうさせてあげてください。これを、子どもに本当にメリットがある行為として認識しましょう。幼少期という時期を過ごす子どもたちにはぜひとも仮装という経験をさせるべきですし、これによって非常にポジティブな心理学的メリットが得られるのです。このメリットについては、以下で詳しく説明していきます。
ちなみに、子どもに特別な衣装を着せてやる機会をイベントごとの時だけに限る必要はありません。実は、子どものコスチュームは保育園で幅広く用いられているツールなのです。この事実から、子どもに刺激を与えて適切な発達を促すのには、最新テクノロジーなど必要ないことがはっきりとわかります。
仮装:子ども、模倣、想像力
子どもたちは模倣によって多くのことを学びます。周囲のもの全てに注目し、それと同じことを行おうと試みるのです。したがって、もし鳥の衣装を着せてあげれば、鳥のように空を飛べる気持ちになったり、チュンチュンと鳴き声を真似したがったりするでしょう。
子どもたちにとって、ロールモデルとなるのは親たちです。そのため、お母さんやお父さんの衣服を利用すれば、自分のことは自分でやるという精神や責任感の大切さを教えやすくなるでしょう。時には、シンプルに父親の靴や母親のワンピースを着せてやるだけで十分な効果が得られることもあります。
ただし重要なのは、子どもたち本人に着る服を選ばせることです。場合によってはそれが不可能なこともあります。例えば学校行事用の特別な衣装を嫌がっている時などです。そういった場合は、その行事の数日前からその衣装を着る練習をし始めると良いでしょう。
その特別な衣装を着ることの恥ずかしさを軽減させるために、マスクを作ってあげるのもおすすめです。頭からつま先まで全身が変身することで、より落ち着いた気分になれる場合もあります。
“偶然の一致とは、神が匿名でいるための手段なのだ”
-アルベルト・アインシュタイン-
役割の発見
自分だけのパーソナリティを発達させていくという子どもたちの長い旅路は、生まれた瞬間から始まっています。そして自身の置かれた社会的文脈の中でついに自らの声とアイデンティティを見いだすことのできる日が来るまでに、様々な役割を発見します。
そして、人々を守ってくれる勇敢なスーパーヒーローやフレンドリーな動物たち、おとぎ話の王子様やお姫様、責任感が強くて寛大なお医者さんなどといった様々な役柄を子どもたちが発見する上で、コスチュームが役に立つのです。そこから子どもたちは、今後自身のパーソナリティを発達させていくための手助けとなるようなアイディアを得ることになります。
コスチュームは想像力を刺激してくれる
これが最も興味深いメリットです。コスチュームの力で子どもはより一層創造性を磨いていき、想像力を向上させます。衣装を着ることで、前述の通り、実際に自分がパパやママ、子犬、医者、ドラゴン、小鳥などになったかのような気分を味わうことができるのです。
近年では、創造性というスキルがグローバルレベルで大いに必要とされています。ここで言う創造性とは芸術に関する能力だけを指すのではありません。問題を解決したり、人生の浮き沈みに向き合うための公式を創り出せるようになる力は、私生活においても仕事においても、様々な場面で不可欠です。
情緒の発達
仮装することは、子どもの情緒的発達をも促進します。いつもと違う衣装を着た子どもたちは、これまでとは別の物の見方を見つけたり、想像したりできるのです。なぜでしょうか?それは、衣装によって想像の中で自分以外の人の人生を生きることが可能になるからです。自分が成りきっている人物の感情や気持ち、意志を疑似体験することができるので、最終的には自分のものとは異なる世界観に対する共感力が高まります。
恥ずかしさや内気さの予防になる
自分の恐怖心と戦うのに、全ての子どもたちが同じ手法を使うわけではありません。特別内気な性格の子には特に、衣装を着るという方法が有効でしょう。こうすることで、コスチュームの元になっている人物やキャラクターの個性がその子のパーソナリティに取り込まれます。その結果、社交能力の発達や個人的成長につながるメリットが得られるのです。
苦難に立ち向かうことのできない内気な子どもを思い浮かべてみてください。このようなケースでは、スーパーマンやスーパーガールのコスチュームが、ある特定の状況を乗り越えるために必要な自信をその子に感じさせてくれるでしょう。
共感力の発達
コスチュームは、子どもの共感力を発達させるという目的でも利用できます。自分以外のキャラクターの役を与えることで、自分がどう行動し、どう感じ、どう他者と関わり合っているのかを学びます。これにより他人への理解が深まるので、より適切な形で人と交流できるようになり、相手の抱える問題を理解することもできるようになっていくのです。
コミュニケーションスキルの向上
衣装を着て子どもの自信が強まると、コミュニケーションの問題が起きることは少なくなります。これに加えて子どもたちは、自分の演じているキャラクターに合わせてより多くの語彙を獲得していきます。演技を通じて、新しい言葉を学ぶ、普段とは違う話し方をする、新たな問題解決手法を発見する、といった経験ができるのです。
社交性
コスチュームは、子どもと同級生や友達、家族などとの交流においても役立ちます。例えば全員が警察官の格好をしていれば、きっとフレンドリーな会話や協調が生み出されますよね。
このように、仮装は人間の発達において非常にポジティブな要素です。自分以外の人々の観点を学んだり知っていく手段である上、衣装を着ることで子どもたちはその役を演じる楽しさを味わいつつ、職業や貿易や娯楽の世界について、そしてさらには動物や野菜などといった世界について新たな発見をすることができます。
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Castillo Viera, E., Tornero Quiñones, I. (2012). Análisis de los valores que trasmiten los disfraces en la etapa de Educación Infantil y propuesta de modificación para su inclusión en clase de Educación Física. EmásF, Revista Digital de Educación Física. Año 3, nº 14.