ジェンダー・イシュー:現代社会にはびこるセクシズム

2019年11月30日
性差別やジェンダーバイアスについては近年、かなり研究が進んできました。その中でも特に注目すべき最近の理論のいくつかが、心理学者のスウィン、アイキン、ホール、そしてハンターによるものです。

セクシズムとは、女性は一つの集団として劣っていると人々に思い込ませるような思想で、数多くの社会学的理由から、歴史を通して根強く生き残り、発展を続けてきました。しかしセクシズムにより、ただ女性であるという事実だけが抑圧される原因となってしまうような状況が作り出されてきたという現実があります。それは現代社会でも同じです。

近年の西洋社会では、このような思想をおおっぴらに表現するような人を目にする機会はおそらくないでしょう。それは、多くの機関がセクシズムを防ぎ、これに対抗するための働きかけを行っているためです。とは言え、セクシズムは西洋諸国そしてその他の国々でいまだに深く根付いています。

セクシズムに関する研究は、過去数十年間でかなり進んできました。その中でも特に注目すべき最近の理論は、心理学者のスウィン、アイキン、ホール、そしてハンターによって発表されました。

ジェンダー・イシュー 現代社会 セクシズム

現代社会におけるセクシズムについての最近の理論

まずはじめに、従来のセクシズムと現代のセクシズムの違いについて知っておきましょう。古くからあるセクシズムというのは、女性は男性よりも劣っている、という考え方です。一方で現代のセクシズムは、どちらかというとフェミニズムの要求と対立するもの、という性格が強いと言えます。これは、女性たちはもはや差別されてはおらず、よってフェミニズムという思想ももう必要ない、という考え方から生まれたものです。

また、最近新たにネオ・セクシズムと呼ばれる現象も現れ始めています。このセクシズムは、女性に関する平等主義的な価値観と、自分たちが女性たちより優れた存在であるという男性たちの変わらぬ考え方との現代社会にはびこる対立を反映した思想です。

心理学者のグリックとフィスケは、セクシズムを現代のレイシズム理論に用いられるのと似たような観点から考察しようとしました。しかし最終的に、男女間の関係の特異性により、レイシズムの理論をセクシズムに適用することは困難でした。

セクシズムには、基本的な矛盾があります。男性と女性は常に主従関係で結ばれてきた一方で、そのせいで男女間に親密な絆が形成されなくなるということはありませんでした。男性は嬉々として女性たちを仕事上で拒絶し、しかし家に帰ると妻を抱きしめるのです。この点が、セクシズムをレイシズムとは全く異なるものにしています。

両価的なセクシズム理論

グリックとフィスケによって展開されたこの理論(1996-2001)は、現在までで最も影響力のあるセクシズム理論です。その名の通り、これは両価性に関するものです。男性と女性の関係性には、過去も現在も含め、依存状態というものが大きく関わってきました。その枠組みの中で、セクシズムは二つの基本タイプに分けられています:

  • 敵対的セクシズム。女性を劣った集団であるとみなします。男性が女性に対して持つ支配力を正当化する手段となっています。
  • 好意的セクシズム。こちらは、女性たちに妻として、母として、そして恋愛対象として素朴なイメージを抱くタイプのセクシズムです。しかし、これもまた女性は劣っている、という考え方に基づくものであり、女性には守ってくれて世話をしてくれるような男性が必要である、という理解がいまだに存在しています。

好意的セクシズムでは、ある特定の枠組み内でのみ、女性を好意的にみなしています。敵対的セクシズムは、女性を様々なネガティブな特性と結びつけて考えます。しかしつまるところ、両者ともその最終目標はジェンダーに基づく不平等を正当化し、強めることなのです。

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フェミニズムと平等のための戦い

近年、多くの国(主に西洋諸国)での基本的権利の確立を受け、フェミニズムや平等を求める戦いが盛り上がってきています。

フェミニズムは、18世紀末に始まった社会的・政治的ムーヴメントで、その目標の一つが、人々への周知を広めることです。集会で女性たちは家父長制社会の中で自分たちが受けてきた抑圧や服従状態、そして搾取などについて声をあげます。フェミニズムは女性たちの解放を目指すものなのです。

この不平等は、現代社会においても今尚大きな問題となっています。セクシズム、ジェンダーに基づく暴力、そしてその他の性に由来する犯罪が、毎日世界中で起きています。だからこそ、この現実に目を向け、事態を変えていけるよう行動を起こすことが非常に重要なのです。

多くの法的機関が、ジェンダーやセクシュアリティに関連するヘイトクライムを防ごうと奮闘しています。しかし、罰則を設けるだけではそれほどの効果はありません。これに加えて、人々を教育することも必要なのです。まだ若い年齢のうちから尊敬や寛容さ、平等などが基本的権利であると子どもたちに教えていかねばなりません。そうすることで、セクシズムの存在しない先進社会を作ることができるかもしれません。

  • Vázquez Botana, Alexandra; Gómez Jiménez , Ángel. Editorial Sanz y Torres. Psicología social.
  • Género e igualdad de oportunidades: la teoría feminista y sus implicaciones ético-políticas. http://www.biblioteca.uma.es/bbldoc/tesisuma/1676206x.pdf