子どもに感謝を教える方法
子どもに感謝を教えるということは、単に「ありがとう」と言うことを教えるだけでなく、もっと深いものです。感謝の心をもって生活するということは、また全く別のものなのです。感謝は単なるマナーではありません。それは、心の持ち方、素質、生き方です。
子どもは皆、感謝の気持ちをもつことができます。感謝の気持ちは人が自分のためにしてくれることに気づく力を与えてくれます。さらに寛大さ、親切心など、感謝にはポジティブな特徴を伴います。感謝できる子どもは、自己中心性が低く、よりよい態度をとり、人と仲良くでき、長い目で見ると生活をより楽しむことができます。
「感謝は人生の充実を解き放つ。今あるものを充分とし、それ以上のものにする」
-メロディー・ビーティ-
子どもに感謝を教える方法
いくつもの研究により、感謝することには次のような利点があると結論が出されています。
- ポジティブな感情を引き出す
- うつ病のリスクを下げる
- 人間関係の満足度を高める
- ストレスの多いライフイベントから回復する力の向上
子どもに感謝することを教えることは、彼らと周りの人への贈り物にもなります。今あるものを大切にし、感謝することを子どもに教える効果的な方法を次にご紹介します。
1.良い手本を示す
親やその他のロールモデルには、子どもにふるまい方を示す責任があります。親がおおらかで、自分に起こる良いことを大切にし、楽しんでいるところを見ると、子どもはそれを手本として同じようにします。
一方で、親や他の大人がいつもグチを言う、失礼な行動をとる、どんなことにも満足しないところを見ていると、子どもはイライラを感じ、感謝することの意味を理解することが難しくなります。
2.人のニーズの理解を助ける
小さな子どもが自己中心的なのは普通です。世界は広く、自分や自分の欲求を中心に回っているのではないと子どもに説明するのは困難です。生物学的に、人のニーズを考慮する能力は時間とともに獲得するものですが、周りの大人はその過程で子どもを支えることができます。
誰にでも自分の欲求があり、その欲求は人と相反するものであったり、矛盾することもあるという事実を子どもが理解できるよう支えることが重要です。その欲求を満たせない場合、フラストレーションがたまって今あるものから注意がそれてしまいます。
3.共有することを教える
共有することを学んだ子どもは、今持っているものを大切にすることを学びます。物の所有だけでなく、まわりの頼ることのできる人のことも大切にできます。共有とは、人のことを考え、自分の視野を広げることなのです。
4.「ありがとう」と言う大切さを強調する
子どもに感謝を教えるには、「ありがとう」を言うことの意味を理解させる必要があります。プレゼントをもらったときに言わなければならないものだという自動的なものであっていけません。はじめは、ただの一言かもしれませんが、その意味を学ぶ必要があります。ありがとうの習慣は、少しずつ感謝の心をもつ意味について考えるのに役立つでしょう。
5.子どもに良い行いをした時は、ありがとうと伝える
子どもに良いことをしてもらった時、感謝をし、その姿勢を示すことが大切です。子どもしてほしい姿勢を示しましょう。これが、ロールモデルになることのひとつです。
こうすることにより、子どもは自分の行動は重要であり、簡単なことで人を喜ばすことができると学びます。これと同時に、簡単なことが人にとってどう意味するかを理解するようになります。
6.子どもが感謝している物事について話す
子どもが何に感謝しているか尋ねると良いでしょう。批判することなく耳を傾けてあげ、特定のできごとが出てこなかったからと言って叱ってはいけません。子どもに自分を表現させると、子どものことをよりよく知り、感謝の実践を強化するためにどこに働きかけるべきかが分かります。
また、子どもと一緒に大人も自分が感謝していることについて話しましょう。これにより子どもの視野を広げ、自分に起こる良いことを大切にするよう話をすることができます。
感謝することの重要性
ご覧の通り子どもに感謝を教えることに力を入れることは、非常に価値があり、やりがいがあります。問題は、感謝は必ずしも自然に生まれないことです。
失望、憤慨、恐怖など、生活の中のネガティブな部分がポジティブな物事を隠してしまうことがあります。ポジティブな物事に焦点を当てられないと、感謝の実践は難しくなります。感謝を研究するロバート・エモンズは、感謝の心を意図的に発展させると、人生における全体的な満足度を高めることができると語っています。
子どもに感謝の実践を教える時、人生で起こる良いことは、私達は運がよく、その贈り物をいただいているのだと考える姿勢を築くことが大切です。感謝の習慣をつけると、生活での感情の状態が変化し、喜んだり人とつながったりするための心の余裕が増えるのです。
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Reklau, M (2019). El poder de la gratiud.