レノックス・ガストー症候群とは
レノックス・ガスト―症候群は、てんかんを持つ子供の約3~6%に起こり、女児よりも男児に多く見られます。3歳~5歳ごろに現れ、そのほぼ約半数の原因が不明とされています。臨床的には、てんかん発作に加え、認知障害や棘波が遅くなると言った症状も現れるようになります。ほぼ全てのケースにおいて、認知障害は進行性です。
レノックス・ガスト―症候群の患者には、学習困難や記憶障害、精神運動の変異が見られます。レノックス・ガストー症候群を持って大人になった人の半数には重い障害があり、自立した生活を送れる人はほんのわずかです。この疾患では知的障害がほぼ必ずと言っていいほど現れます。
レノックス・ガストー症候群を持つ患者の約5%が、この病気を患って10年以内にこの病気、またはこの病気による合併症で死亡します。症状は青年期や成人期に悪化することが多く、感情面での問題や障害を多く引き起こします。そのため、現在の治療は、患者の生活の質を向上させることに焦点があてられています。
レノックス・ガストー症候群の症状
レノックス・ガストー症候群は、知的能力の減退や発育障害と共に起こる重度の小児てんかんです。発作は通常、4歳ごろに始まります。発作の種類は様々ですが、以下のようなものが最も一般的です。
- 強直発作:体が硬くなる、目が激しく動く、瞳孔が開く、呼吸が乱れる
- 脱力発作:短時間の意識喪失と筋肉の緊張の消失、そのため突然の転倒を引き起こす(大変危険)
- 非定型欠神発作:ある焦点を見つめつつもぼんやりとした目つき、外的刺激に無反応
- ミオクロニー発作:突然の筋肉の収縮
発作は頻発することがあり、発生しない期間が短いこともあります。レノックス・ガストー症候群で苦しむ子供の多くは、ある程度の知能障害や情報処理障害を経験する他、発達の遅れや行動障害も経験します。
関連障害
レノックス・ガストー症候群は通常、他の重度の行動障害を伴います。
- 多動性
- 攻撃的な態度
- 自閉的傾向
- 人格障害
- 頻発する精神病的症状
頻繁に同発する合併症には神経障害があり、四肢まひ、片まひ、錐体外障害、運動機能発達の遅れなどがあります。発症年齢が低い場合もあり、その場合、ウェスト症候群の延長であるかどうか見分けることが不可能となります。ですが、幼少期でも後期になってからや、青年期、更には成人になって発症することもあります。
この疾患の患者は、脳波図で遅い棘波の波形が見られ、精神遅滞や危機への対処困難を示す他、抗けいれん剤に対する反応が良くありません。子供の場合、精神発達面や危機管理面における予後は不明です。しかし、この病気の元となる病理的原因は一つではありません。レノックス・ガストー症候には様々な原因が存在します。
原因と治療
最も一般的な原因は以下の通りです。
- 遺伝性疾患
- 神経皮膚疾患
- 外傷後低酸素性虚血性脳症
- 髄膜炎
- 脳の先天的異常
- 周産期仮死
- 重度の脳損傷
- 中枢神経系の感染症
- 退行性疾患
- 遺伝性代謝疾患
この病気の30%~50%は原因が不明とされています。慣例的な治療法に対して良い反応を示さないことから、治療は大変難しいです。第一選択薬には、最も頻発するてんかん発作のタイプに応じて、バルプロ酸やベンゾジアゼピン系の物(例:クロナゼパム、ニトラゼパム、クロバザム)が含まれます。
一般的に、症状を減らしたり和らげるために複数の薬剤が処方されます。例えば、ラモトリギン、バルプロ酸、あるいはトピラマートを合わせて摂取したりします。改善が見られることもありますが、通常は時間と共に薬剤に対して耐性ができるため、発作をコントロールし続けることができなくなります。
完治させる方法がないため、治療は一生続きます。治療における主な目標は、てんかん発作の頻度を減らすことを通して生活の質を向上させることですが、完全寛解は不可能です。投薬治療に加えて、他の治療法も存在します。ケトン食療法や迷走神経刺激療法、外科療法などです。
今日、長期予後は悲痛なもので、11歳未満における死亡率は10%となっています。この病気について言える良いことは、研究者たちが日々奮闘してこれを改善しようとしていること、またテクノロジーの進歩のおかげで近年大きな進歩を既に遂げていることです。
その他
専門家たちは、観察してきたこれらの発作のその特異性、頻発性、刺激的特性という点では意見が一致しています。ですが、発作の種類となると、意見は分かれます。事実、発作は短いことが多く、気付かれずに見逃されてしまうことすらあります。
他に常時起こることとして言えるのは、知能と性格の両面において一般的に重度の精神変異が見られることです。ほとんどのケースで、精神遅滞は持続するか悪化します。これは通常、脳萎縮を伴っているためです。脳萎縮は、気脳造影法やコンピュータ断層撮影を使って確認することができます。
しかしながら、学習能力の減退は発作の頻度やてんかん重積状態で混乱状態が長く続くこと、あるいは精神病症状と関連があるようにも考えられます。また、学校環境から離れた状態にあることやあまりに多くの治療を受けていることも言うまでもありません。患者の精神状態は、精神病になる前の性格や精神病による性格の変化、自閉症に影響を受けることも多いのです。
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