モチベーションに潜む罠にはまらないようにするには?

2020年3月3日
モチベーションが失われると、途方に暮れて不安になり、自分の目標が不確かに感じられてしまいます。そして何より、やる気が起こるのを待っている状態になってしまうのです。しかしロス・ハリスによると、この時人は混乱しているそうです。今回の記事では、モチベーションが湧いてくるのを待ってしまうのは何故なのか、そしてどうすれば待つのを止められるのかを学んでいきましょう。

やる気にみなぎっている状態をよく思わない人などいるでしょうか?前進を妨げるのは感情の爆発です。人はモチベーションを持つことで夢を叶えようという思えるようになり、それが欲しいものを手に入れるために戦い続ける手助けになります。

そしてやる気のある時に感じるインスピレーションは魅惑的に思える場合があります。モチベーションがみなぎっていると全てが実現可能かのように思えるのです。しかし、以前ほど力強さや幻想を感じられない状態になると、多くの人がモチベーションに潜む罠にはまってしまいます。そしてモチベーションが失われると、自分自身に疑いを持ち始め、何かをやろうとしてもどこから始めればいいのか分からないことに気付くこととなるでしょう。

“成功への決意が十分に強ければ、決して失敗することなどない”

オグ・マンディーノ

やる気 下げる罠

モチベーションとは?

イギリスの心理療法士のロス・ハリス博士は、何をするにしてもモチベーションは必要になるため、モチベーションがゼロになることはあり得ないことだ、としています。ある意味では、何かを手に入れたりどこかに行ったりする目的のために何らかの行為が行われるということです。

自分では気づいていないとしても、会話をすることやカップケーキを食べること、車を運転すること、誰かに体調の悪さを伝えること、電話で人と話すこと、ソファに座ること、本を読むこと、あるいは誰かと何かについて話すことには目的とモチベーションが伴っています。

ではモチベーションとは何なのでしょうか?ハリスによれば、モチベーションとは何かを行いたいという願望だそうです。モチベーションを感じている状態というのは、あることを行えるようにさせる魔法でもなく、神聖なインスピレーションでもありません。モチベーションとは、シンプルに何かをやりたい、という気持ちを指すのです。

仮に、これまでに1ヶ月間小説を書き続けていましたが、今はそれを続けるモチベーションが無くなってしまったとしましょう。執筆に充てられる時間がなく、仕事から帰宅するといつも疲れています。そのため、自由時間にはインターネットを使ったりおしゃべりをしたり、あるいはただソファに寝そべって過ごしています。

このシチュエーションでは、ソファにただ寝転がりたい、という願望が執筆欲よりも大きいのです。最初に考えることになるのが、小説を書き続けたいがその時間も願望もない、ということなのでしょう。それくらい疲れているのです。しかし、「ソファに横たわったりただネットを見て過ごしたりすることの目的は何だろう?」と自分自身に問いかけてみるべきです。

おそらくそれは、短期的に考えればリラックスしたり快適さを感じたり、気分の良さを感じることなのでしょう。なぜならそうすることで執筆のことを心配せずに済むからです。しかし長期的に見ればそれらは夢を叶えるための役には立ちません。したがって、やる気が起こらないというのは、自分にとって重要なことをやりたいという気持ちはあるものの、それを行うためのエネルギーや自信、幸福感などが欠如している状態を意味するのです。よって、疲れや不安、惰性を感じていると物事に取り掛かり始めるのが難しくなります。

“勝利したいという意志、成功への願望、自らの潜在能力を完全な状態にまで高めたいという思い…これらが、個人としての優秀さへの扉を開くカギなのだ”

-孔子-

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モチベーションの罠とは?

モチベーションを感情として捉えていると、行き詰まりを感じてしまいます。気楽で陽気な状態でいられれば、「自分にはやる気がある」と言うことができるでしょう。しかしこのように感じられない場合には「やる気が出ない」と思ってしまうのです。なぜでしょう?

その答えはシンプルです。モチベーションを感情として考えると、何かをやり始める前にその適切な感情を経験しようとしてしまう罠にはまってしまうためです。このせいで行き詰まりを感じてしまったり、それらの適切な感情が現れるのをただ待とうとしてしまいます。これが「モチベーションの罠」として知られているものです。

モチベーションを感情としてではなく願望として捉えると、行動を変えることができるはずです。自分の心が望むものが何なのかを認識することができ、何が自分にやる気を出させるのかを理解できるでしょう。さらに、自分にとって有害な願望と目標達成のために役立つ願望とを区別することも可能になります。

物事を避けながら生きる人生を選ぶのか、もしくは自分の価値観に従った人生を選ぶのかは自分次第です。人類の基本的な本能の一つが幸せを感じたいという願望であることを忘れないでおきましょう。そのためこれを克服するのは困難かもしれません。しかし人は自らが信じることに基づいた行動を選ぶことができます。モチベーションを感じる必要などありません。ただ自分が行なっていることに積極的に取り組めば良いのです。

ハリスによると、積極的な取り組みこそがメインで、モチベーションはその後に来るものだということです。よってまずは行動がありきで、その後に感情が湧いてきます。自分の価値観やルールに従って行動できることの方が満足感が得られ、豊かな気持ちになれるやり方なのです。常に情動や感情を先に感じてから動かなければならないというわけではありません。感情は何の保証も与えてくれないからです。

モチベーション 罠

心の声が伝え続けていること

モチベーションの罠はソーシャルメディアや一部の書籍、そしてモチベーションを感じるための戦略を常に編みだそうとしているような人々によるメッセージとともに仕掛けられています。「熟練」と「意志の力」という、おそらく皆さんも頻繁に耳にするであろう二つのコンセプトが存在しています。しかしそれを信じてしまうとモチベーションの罠にはまってしまうのです。

こうなると、行動を起こそうと積極的に取り組む代わりに、モチベーションを感じるための魔法のような公式を探し出そうとしてしまうでしょう。そしてそれを見つけられないと、自分には自制心が足りないと感じ、自分にとって重要なことをするのを止めてしまいます。

そのことについて考えてみれば、自制心を持ち意志の力を持つということは自らの価値観に積極的に従う方法であることに気づくことができるでしょう。それは、必ずしも常にやる気を出せないとしても、欲しいものを手に入れるために必要なことを行うことなのです。

「やる気がいつか突然湧いてくる」という思い込みは捨て去る必要があります。代わりに目標を果たすための積極性を養っていかねばなりません。今現在どのような感情を持っていようとも、自分の信条と首尾一貫した態度を取る必要があることを忘れないでください。その習慣を確立することができれば、常にそれを実行するための自制心あるいは意志の力を持つことができるでしょう。

したがって、やる気が起こるのを待つのは止めて、今こそ目標達成を目指して行動を起こすべきなのです。そうして初めて前進したいという願望や、夢を叶えるために一生懸命頑張りたいという意欲を持てるようになります。

  • Harris, Russ (2012). Cuestión de confianza. Del miedo a la libertad. Sal Terrae.