レンズ核:学習とモチベーションの支柱

レンズ核は、大脳基底核のその他の構造とともに働きます。この繋がりは、スキルの獲得や向上に大いに関連しています。
レンズ核:学習とモチベーションの支柱
María Alejandra Castro Arbeláez

によって書かれ、確認されています。 心理学者 María Alejandra Castro Arbeláez.

最後の更新: 22 12月, 2022

私たちの神経系は神秘で満ちており、レンズ核もその中の一つです。これは脳の皮質下の構造で、何よりの特徴が、モチベーションや学習の出どころだという点です。しかし、レンズ核について話すとなると、ピンポイントで構造に触れるのではなく、全体のひとまとまりとして扱われることが多いようです。

この記事では、レンズ核と関連するパーツ、特徴、そして機能について説明していきます。さらに、最もよく見られる問題やその影響についてもお話しします。最後に、いくつか興味深い事柄もご紹介しようと思います。では始めていきましょう!

レンズ核 学習 モチベーション

レンズ核の様々なパーツとは?

まず、レンズ核という名前はそのレンズ型の形から来ています島皮質の下にあり、ベアーズ、コナーズ、そしてパラディソによる『Neuroscience: Exploring the Brain』という本によると、三つの部位からできており、これが主に二つの構造に分けられるということです。以下がその二つの構造です:

  • 被殻。形は円形で、レンズ核の中で最も外側に位置しています。黒質と淡蒼球を結びつけており、これが大脳基底核と大脳皮質、そして視床の間の情報のやりとりを可能にしています。
  • 淡蒼球。古線条体としても知られており、二つの部分、外節と内節に分けられます。線条体から情報を受け取り、視床や大脳皮質に出力します。内側の部位と外側の部位が存在しています。

従って、レンズ核は二つの構造の連合体だと言うことができます。灰白質から成り、くさび形をしていて内側と外側に被嚢がついています。この中には、GABA神経伝達物質、アセチルコリン、そしてエンセファリンペプチドが存在しています。

では、大脳基底核を構成するレンズ核以外の構造はどんなものがあるのでしょうか?

  • 視床
  • 黒質
  • 尾状核
  • 側坐核
  • 視床下核

これらの結節は、大脳辺縁系と第三脳室を取り巻いて位置する相互に連結された核の集まりです。その機能には、計画立てや統合、気分の調整、学習、そしてモチベーションなどが含まれます。ただし、脳のそれぞれの部位は解剖学的に区分されているとはいえ、各部位が一つの機能のみに関わっている訳ではないことを覚えておきましょう。

レンズ核の働き

レンズ核にはたくさんの機能があります。以下が主なものです:

  • モチベーション。レンズ核は情報を統合し、知識と刺激とを結びつけます。素晴らしいと思いませんか?
  • 学習。主に手続き学習を行うのに加え、分類分けプロセスにも関わっており、情報の組織化を容易にします。また、スキルの獲得や向上にも介入しています。
  • 動作。レンズ核は適応などの様々なプロセスに介入するため、動作の自動化と関わりがあります。さらに、姿勢の維持や運動協調性のコントロールにおいても重要な役目を果たしています。そして被殻は顔や四肢の筋肉の動きにも関わっています。

こういった機能を実行するために、レンズ核は大脳皮質と視床核との間の結びつきを確立します。またこの伝達は双方向的です。

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疾患

レンズ核は皮質下認知症に関連することがあります。例えば、パーキンソン病やハンチントン病によって引き起こされる認知症です。こういった病気により、動作を協調させたり実行するのが不可能あるいは困難となり、実行機能や記憶に欠陥が出てきます。

さらに、心身症との関わりもあります。その具体例の一つが、再びパーキンソン病です。これは、大脳基底核が影響を受けるためです。また、運動失調症やトゥレット障害、チックなどの運動障害にも関連しています。

そして、レンズ核は強迫性障害などの精神疾患の中枢でもあります。これは尾状核と被殻の両方が活性化し過ぎた時に起こります。加えて、レンズ核の異常機能はモチベーションや学習の妨げとなり、チックの表出を助けてしまうため、注意欠陥・多動性障害(ADHD)にも影響があると見られています。

簡単に言うと、レンズ核は私たちにとって欠かすことのできない脳構造です。運動スキルや注意力など、多様な機能を担っていることが確認できましたね。これに加えて、情報の蓄積や想起をより組織化されて構造化されたものにするのにも役立っているので、学習力を向上させてくれる存在でもあります。しかし何か不具合があると、私たちの健康やクオリティオブライフに直接悪影響がもたらされてしまうこともあります。


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  • Bear, M. F. Connors, B. W., PAradiso, M.A. Nuin, X.U., Guillén, X.V & Sol Jaquotor, M.J. (2008). Neurociencias la exploración del cerebro. Wolters Kluwer/Lippicott Williams & Wikins. Kandel, E. R., Schwartz, J. H., & Jessel, T.M. (2001). Principios de neurociencia. Madrid: McGrawHill Interamericana.


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