認知的完結欲求:あなたは不確かさに耐えられますか?
人生においては不確かなものと向き合わなければならないことが多々あります。皆がこれを経験します。予測のできなかったようなことが起こったり、過去の経験がまったく、あるいはほとんど役に立たないこともあるでしょう。しかし、不確かなものに対する人の反応は様々です。認知的辺獄のような状態を比較的楽しめる人と、できるだけ早く安定した元の状態に戻りたがる人がいます。この違いを測ることができるのが、認知的完結欲求(NFCS)尺度です。
周りの人を観察すると、決断力がない人、未来志向の人、意見に忠実な人などがいることがわかります。あるいは順序、ルーティン、具体的な意見を強く求める人もいます。
ここでは、自分がどのカテゴリーに入るかを測る認知的完結欲求尺度についてお話します。興味がある方は、ぜひ続きを読んでみてください!
認知的完結欲求とは?
この概念は、ある問題や出来事に対する明確な答えを求めたり、保持しようとする衝動性のことを指しています。これは混乱、不確かなもの、曖昧さに対する嫌悪から生じます。
私達の反応は外的な状況に影響されますが、誰もが比較的安定した連続性へ自分の居場所をもつ傾向があります。
また、認知的完結欲求には2つの傾向があります。
- 切迫傾向:不確かな状況に対する即時の答えを求めるものです。例えば、「いつ仕事を得られるか」などです。切迫傾向のある人は、決断が早い傾向にあり、物事が詳細に分かっていない時、不安を覚えます。
- 永続傾向:自分が得られた認知的完結を維持し、継続したいという強い思いがあります。その答えを安定させ、それが本物であるとする必要性を感じ、この安定性を及ぼす可能性のある新しい情報を避けようとします。
認知的完結欲求尺度
自分の認知的完結欲求がどの程度かを測ることができます。認知的完結欲求尺度には42の質問がありますが、ここでは簡略化したものをご紹介します。
簡略化版には14の質問があり、自分にもっとも適する数字、1(全く当てはまらない)~6(とても当てはまる)を選び、判断します。
認知的完結欲求尺度の質問
- 不確かな状況で、それがどんな状況であっても早く決断したい
- 複数の選択肢がある時、迷わずすぐに1つを選ぶ
- 決断に迫られる時、決断について注意深く考えるより、最初に出てきた解決法で決断する
- 自分の周りのものが所定の位置にないと不安になる
- 曖昧あるいは論争になるような話題の討論には参加しない
- 問題と向き合う時、あまり考えず、自分を疑うことなく決める
- 問題を解決しようとする時、通常あらゆる視点から考えることをしない
- 自分と意見や好き嫌いが同じような人と一緒にいることを好む
- 一般的に、ある解決法がある場合、他の解決法を探そうとしない
- 自分が向き合っている問題に即時の答えが出ないと不安になる
- 不確かな状態が続くより、どんな方法であっても問題を解決したい
- 何をどのように行うべきかはっきり分かっている活動を好む
- ある問題に対し解決法が見つかると、他の解決法について考えるのは時間の無駄だと感じる
- 知らないことや予測できないことよりも、慣れていることを好む
結果
結果はすべての数字を合計するだけで得られます。点数は0~84の間にあるはずで、点数が高ければ高いほど認知的完結欲求が高いということになります。
認知的完結欲求は、人生において生じる解決法への代替案や仮説を考える時に影響します。また、判断や決断などにおけるあなたの共感性、寛容性、柔軟性とも関係します。
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