歴史を作った犬の物語
私たちをインスパイアしてくれる犬の話はたくさんあります。犬は 、心を動かすような方法で連帯と忠誠を示してくれる親友です。人間のために命をなげうった犬もたくさん存在します。危険な状況では、力が許す限り自分の飼い主や他の人を助けることを躊躇しません。
飼い主にどこまでもついていく犬の話はたくさん存在します。その一方で、子どもが無防備な存在であるということを理解している犬もいます。そのため、子どもを助けて救出するために、危険な脅威に立ち向かうこともあるのです。
犬は、日々、人間に高貴の教訓を教えてくれます。犬は忠実で、愛情深くて、元気な仲間です。多くを期待せずにすべてを与えてくれます。犬は、太古の昔から人間に寄り添ってきました。彼らは値するような注目を得ることがない時もありますが、多くの重要な出来事で中心的な存在を担っています。ここでは、いくつかの素晴らしい犬のお話をご紹介します。
「犬の人生は短い。それが唯一の欠点だ。」
-アグネス・スライ・ターンブル-
ソルティー:勇者になった盲導犬
ソルティーは、9/11のテロに関わる感動的なお話のひとつに登場するラブラドルレトリバーです。盲目のコロンビア人のオマール・エドゥアルド・リベラさんの介助犬でした。オマールさんは、当時、ワールドトレードセンターのタワー1に勤務していました。1機目の飛行機がビルに突っ込んだ時、オマールさんはオフィスにいました。
ソルティーは、緊張したように反応します。そして、廊下から激しく吠えたてました。オマールさんは、ソルティーが逃げるように言っているかのように感じたと話しています。オマールさんはソルティーのガイドに従って、71階のフロアから地上まで降りていきました。その数分後、ビルは倒壊します。ソルティーは、飼い主を地下鉄まで連れていき、自宅まで無事に送り届けました。これは有名になった犬の話のひとつです。
変わった犬の話
チリのプンタ・アレーナスにも素晴らしい犬の話が存在します。この話の犬の名前は不明です。飼い主は、このイヌと強い絆を育んでいた8歳の少女でした。ある朝、女の子の母親が、弟を幼稚園に送っていくために家を出ました。女の子は家に一人で取り残されます。
この少女につきまとっていた男性は、この状況を利用して、ドアベルを鳴らしました。不法侵入をして、自分のことを守れない少女を性的に虐待しようとしたのです。犬は怒ってこの男性に飛び掛かり、男性はすぐに諦めて逃げていったそうです。母親が到着すると、女の子は何が起こったかを話しました。それからすぐに警察が到着し、この小児愛者の血痕を辿ることができました。これがきっかけとなり、警察は犯人を特定し逮捕に至っています。
ボビーと忠誠の力
ボビーは、真の伝説となったスカイ・テリアです。 エディンバラの夜間警備員であるジョン・グレイが、ボビーの里親になりました。彼らはお互いにとって離れがたい存在になっていました。しかし、ジョンは1858年に結核で亡くなってしまいます。彼は、人生最後の数年を、何が起こっているかを理解していないボビーのそばで過ごしました。
ジョン・グレイは、グレーフライヤーズ教会墓地に埋葬されます。ボビーは、飼い主が死んだ後ですら、彼のそばにいようと墓地にとどまりました。これは、犬がいつまでも人間の親友であることを証明してくれる、数えきれないくらいの犬の物語のひとつです。
ボビーの物語には、思わぬ展開が待ち受けています。地元の人が、何があっても飼い主のそばを離れないイヌに気づきました。彼らはボビーの気をひこうとしますが、どれもうまくいきません。こんな状態が9年間続きます。そして、新しい法律が施行され、登録されていない犬はすべて殺処分されることになりました。そこで、ウィリアム・チェンバーズという人がボビーの登録料を支払い、名前付きの首輪を作りました。 現在、この首輪はスコットランドの美術館に展示されています。
ボビーは、飼い主が亡くなってから実に14年後に死亡しました。エディンバラの街はこの犬を称して墓を建て、彫刻家のウィリアム・ブローディーが有名な実物大の銅像を作りました。これは、今日でもエディンバラの街で見ることができます。2000年ごろから、ボビーの墓は神聖な場所として扱われ、ボビーが遊べるようにと棒を置いていく人が後を絶ちません。彼の墓石には次のように刻まれています。「Let his loyalty and devotion be a lesson to us all.(彼の忠誠心と献身を、我々の教訓にしよう)」
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Bonilla, L. (1967). Historia y psicología del perro. Editorial Tecnos.