性科学の役割と2つの分野
性科学は、行動やアイデンティティ、性的思考、接触を含め、様々な視点から性を研究する科学です。個人的なセクシュアリティのために生じる不快感や制限の問題を解決するために、性科学の専門家が力を入れている側面があります。性科学の役割と2つの分野とはどのようなものでしょう?また、私達は、なぜこれをあまり話題にしないのでしょう?
「証拠に基づく性科学:歴史と今」という記事が、明快かつ簡潔にこの質問に答えています。「性科学は社会の偏見、ステレオタイプ、慣習と闘わなければならない、少し変わった分野です。」とし、先入観により、性的健康は無視され、さらにいつ専門家を訪れるべきか分からなくなっているのです。
性科学の役割:臨床性科学
性科学は2つに分けられます。そのひとつが臨床性科学で、治療的性科学とも呼ばれます。どういったものでしょう? これを専門にする人は何をしているのでしょう? 臨床性科学の専門家は、性的問題や障害の治療に携わっています。
断言はできませんが、性機能障害は精神的問題と関わっていることがよくあります。性科学の専門家を訪ねようとは考えないであろう症状を次に紹介します。
- 膣痙攣:これは、膣の筋肉が不随意に収縮する病気です。挿入が難しく、セックスで痛みを伴います。恐怖心、トラウマのあるセックス、その他様々な原因が考えられます。
- 性的欲求の欠如:これはカップルで問題になりますが、性科学の専門家が解決してくれます。欲求を呼び覚まし、性的刺激を楽しみ、怠惰や回避を克服するためのツールを提供します。
- 勃起障害:フラストレーション、再発への恐怖、「十分でない」ことに対する恐怖を生む、よくある問題です。男性が、一時的に勃起障害を起こすことは異常ではありません。それでも、頻繁に問題が生じるのであれば、また起こるのではないかという不安が大きすぎるのかもしれません。そう考えるだけで再発する可能性があります。問題は心にあり、男性の自尊心が傷つけられるのです。
教育的性科学
臨床性科学について読んだところで、性科学がどのようなものか何となくわかったのではないでしょうか。それでは、性科学に関して考えるべきもうひとつの分野とは何でしょうか?
教育的性科学はどうでしょう?
性教育で知られているように、教育的性科学は大学や高校で情報を提供しています。一般的に子どもが受ける授業との違いを示すために教育的性科学と言います。
一般的なアプローチは、必ずしも教育的ではありません。性的健康に関する情報を送り出そうというものです。
教育的性科学は、性病の予防や機能不全に関しても含まれますが、普段話題にのぼらないようなものも含まれます。
- セクシュアリティの生物学的、精神的、社会的要素
- リプロダクティブヘルスや責任のある妊娠
- 障害者と性
- 虐待や暴力
- 依存やセクシュアリティ
- 誤った信念や噂
- 性的歪み
将来への望み
これらは、教育的性科学が提唱する問題のほんの一部です。目的は、責任のある性を楽しむために健康的姿勢や行動を促すことです。これらの問題は、どんな学校でも優先されるべきですが、残念なことに今は話題にも上っていません。
私達が受ける性教育では、様々な避妊法や性病の予防法が取り扱われます。しかし、お分かりいただけたように、性科学の役割は本当はもっと深いものです。性科学のおかげで、必要とされている変化が起こり始めているようです。
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