精神的自傷とそれを防ぐ方法
「自傷」と聞くと、身体的に体を傷つけることを思い浮かべるでしょう。しかも現在では怒り、苦悩、フラストレーションの(劇的な)表現法として自発的に行われる自傷がますます増えています。しかし、話題にのぼることが少ない、別のタイプの自傷行為が増えているのは大変ショックなことです。それが、精神的自傷です。
言葉は、身体的な攻撃と同じまたはそれ以上に人を傷つけうるということはご存知でしょう。外から受ける精神的痛みがどんなものかは皆さんご存知でしょう。それは誰もが侮辱されたり、いじめられたり、怒鳴られたり、騙されたりした経験があるためです。
それでは自分が自分に対して課す痛みについてはどうでしょう? 「精神的自傷」というものは、本当に存在するのでしょうか? その答えはとてもシンプルで明確です。精神的自傷は存在し、しかも珍しいものでもないのです。あなたも気づかぬうちに、頻繁に精神的自傷を行っているかもしれません。さらにこの傷は非常に深刻な結果を伴います。
自分で自分の自尊心を傷つけ、尊厳を直接的に攻撃することは可能で、このことが苦悩や不安を生みます。そして少しずつ傷が感染症を引き起こし、うつ病につながるかもしれません。精神的自傷につてい詳しく見ていきましょう。
精神的自傷とは?
自分の精神的幸福や健康に害を与える、自分についての思考、行為、姿勢が精神的自傷です。これにより自分がどれだけ傷つくかが分かると、この「傷」についてより考えざるを得なくなるでしょう。
ナイフや凶器を使い、多くのティーンエージャーが行う様々なタイプの自傷に関しては関心が向けられていますが、私達が意識すべきことはそれだけではありません。
精神的自傷は幅広い気分障害と関係します。ティーンエージャーあるいはその他の人が日々自分を傷つけていると、深刻な問題に発展する可能性があります。
次に、精神的に自分を傷つける様々な方法を見ていきましょう。
容赦のない内的批判
精神的に自分を傷つけ侮辱する内なる声は、誰にでもあります。内なる声は、自分はある特定のことが得意ではないと思い込ませようとします。そしてあなたを不安でいっぱいにし、過去のミスを思い出させ、ポテンシャルを抑え込みます。
内なる声の後ろには自分がいるということを忘れてはいけません。自分を苦しめているのは自分なのです。さらに、低い自尊心から生じるネガティブな内なる対話、不合理な考え、意味のない恐怖、思考を通して、その声を大きくしているのも自分です。内的批判は多くの精神的傷の原因になっています。
繰り返される精神的自傷
行動、姿勢、思考が同じパターンを繰り返すこともよくあります。人は、同じ事を何度も繰り返し考える傾向があるのです。これと精神的自傷にはどのような関係があるのでしょうか? この質問に対する答えには、あなたにも身に覚えがあるかもしれません。人は、同じタイプの感情をもつパートナーを求めがちです。自己陶酔的、虐待的、自分を依存的にする人などを相手に選びます。
これは、同じ石に何度もつまずいているのに、それを覚えておこうとしたり、避けようとしないのと同じです。ここからフラストレーションや苦しみが生まれます。有害な人間関係の痛みを感じるだけでなく、同じような人に何度も恋をした自分を責めてしまうのです。
境界線を引かなければ、他人のなすがままになってしまう
人に親切で大きく広い心を持つ人はたくさんいます。親切心には制限がないように思えるかもしれません。しかしこのような人は、自分を守ることに関し何もしていないのです。
これは非常に危険なことです。いつも人に、すべてを尽くし助けようとすることは、とても素晴らしいことです。しかし潜在的な虐待から自分を守り、必要な時「ノー」と言えなければ、精神的な傷を作ることになります。
人の親切心を利用したり、人の気持ちを踏みつけ、取るに足らないもののように扱う人はたくさんいます。ですので、そうさせないためにできることは何でもしましょう。そうでないと、自尊心を大きく傷つけることになりかねません。
情熱やモチベーションのない生き方
仕事をすること、ルーティンをこなすことだけが人生ではありません。また、相手をどんなに愛していても、その人を喜ばせることがすべてではありません。真の人生には、情熱、達成すべきプロジェクト、希望、喜びが必要です。好きなことをして、自分が成長できる、感動するような経験をするために時間を使うべきです。
これらの要素がなくては、精神的に自分を閉ざしてしまうことになります。喜びや希望のない日常は、誰にも見えない小さな心の傷を作ります。そしてこの傷を通し、希望や夢、魂までもが抜け出してしまいます。
義務と喜び、仕事と夢、パートナーと自分の間で、かすかで繊細なバランスを見つけなければなりません。
さいごに、私達の多くが心にたくさんの傷を抱えていますが、その傷を癒すことは可能です。自分の時間を作り、自尊心を高め、セルフケアを行うことで、痛みを癒し、勇敢で強い自分を生み、さらに幸せに向けてより力を発揮できるようになります。