ヴィクトール・フランクルに学ぶ人生の意味の見つけ方

人生の意味は、「私に」意味を与えてくれる何かを探し求めることにこそあるのです。
ヴィクトール・フランクルに学ぶ人生の意味の見つけ方
Gema Sánchez Cuevas

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Gema Sánchez Cuevas.

最後の更新: 09 3月, 2024

先のことはわからないにしても、現在の状況を有意義に楽しむ能力があることを忘れ、私たちは状況を変えることに集中してしまいがちです。この考えを強く唱える一人に、オーストリア人の神経学者であり精神科医でもあるヴィクトール・フランクルがいます。

彼の著書「生きる意味を求めて」では、フランクルが言語聴覚療法を作り上げるに至った経緯を語っています。言語聴覚療法(スピーチセラピー)とは心理療法の一つで、生きる意味を見いだすことが、人生における最大のモチベーションであるという観念に基づいています。長年を獄中で過ごしたヴィクトール・フランクルは、裸の存在こそが、真の存在であると感じたのでした

長年の獄中生活で、どのようにしてフランクルは人生の価値を見出したのでしょうか?全てを失い、大切にしていたものが破壊されていくのを目の当たりにし、寒さと飢え、終わりの見えない残忍な行為に耐え、死もそこまで迫っていたことでしょう。しかし、そんな状況の中でも、フランクルは自身が存在することの意味を見いだすことができたのです。

「生きる理由がある人は、どんな時であろうと生きる方法を見つけ出すものです。」

ニーチェ

精神科医でもあるフランクルは、人生の意義を見つけ出すことが、人生の目的であると言います。人はそのことに気づくと、人生の意味を見出そうとしている同じような人を探し出すのだそうです。

自分の存在が、何かもどかしく意味をなさない時は、権力に憧れを抱きます。力と喜びを欲し、その欲望はやがて行動までをも支配します。幸福の探求はそれ自体に終わりがあるので、余計に自己の存在がうやむやになってしまうのです。

ヴィクトール・フランクル

ヴィクトール・フランクルに学ぶ、どうしたら自身の存在を変えられるのか

幸せをもたらしてくれる事の一つに、自分が設定した目標を達成することがあります。幸せを探すこと自体が、私たちに幸福をもたらしてくれるのです。幸福へのドアは外開きになっていて、そのドアを無理にこじ開けようとすると、かえって閉じ込められてしまうことになります。

フランクルの考えで重要なのは楽観性です。彼の哲学では、人生は反応するべき機会に溢れているとしています。人生で最良の選択を探し求め、与えられた状況で頑張ることが必要です。人生の価値を見いだす時に「何」といったもので人生を測る人もいますが、フランクルは「どのように」が人生においてもっとも大切であると言います。

情熱の他に人生の意味などない、とあなたは信じますか?情熱はいつしか心や魂、肉体さえも満たし、死ぬまで燃え続けるです。その情熱に生きていたなら、無意味な人生なんて送っていないでしょう。

マーライ・シャーンドル

ヴィクトール・フランクルの野望

フランクルによると、愛とは人間が切望する、人生における最高のゴールです。この基盤となる信念は、人生において失敗に終わった努力、決断、行動など全てを埋め合わせてくれるものです。フランクルにとって、最も重要なのは人生が投げかける問いに、私たちがどのように応答するかであり、何を問われるか自体は重要でありません幸福とは、意味を持った上での結果なのです

フランクリンの理論で基盤となるのは、価値です。特に重要な価値は、態度、創造、経験、その中でもの経験です。

これらの価値によって、精神の旅が可能になるのです。この旅に出るにあたり、未来と、愛を見出し、人生の意義を見つけ出す可能性を信じることが大切です。

この内側の強さ(価値、信念、愛、意義)と未来の繋がりが個々を確立するのです。これにより、自分がユニークな存在であることに気づきます。

自身を評価することが、人生の意味を見つけるスタート地点である。

ヴィクトール・フランクル

太陽を囲む手

フランクルの言う内の態度とは?

内の態度とは自分の選択の結果です。なりたい人になる自由のことを言います。この態度により、人間の身体的な限界をも超えることができるのです。

最良の態度を作り上げるに、フランクルは基本的なテクニックをいくつか勧めています

フランクルの9つの大切な考え

  • 選択して望みをもつ。自分がおかれている状況を変えることは、いつでもできることではありませんが、どんな状況下であれ、自分の態度を選ぶことは可能です。状況を変えられない時こそ、自分自身を変えられるかが試される時です。
  • 自分の疑問を知る。なぜ生きているのか?自分に問いかけてみましょう。毎日、目が覚めたら、自分はなぜ目を覚まし、ここにいるのか?自分自身に問いかけてみましょう。このなぜ?と問う人は、人生のどんなことでも乗り越えることができるでしょう。
  • 泣くことを学ぶ。涙は弱さの象徴ではありません。壊れることを恐れない魂から湧き出るものです。「涙を恥じることは全くありません。人が苦しみに立ち向かう勇気があることの証明なのですから。」
  • 落ち着いて、世間に馴染もうとしない。世界はよくわからないものです。みんながやっていることがとてもおかしい事もあるでしょう。「奇妙なことに、奇妙な反応を示すのは普通の事です。」
  • 感情と生きる。人生が問いかける質問に対して、どう答えるかで私たちは人生に意味を生み出します。人生は人それぞれに挑戦をしかけます。その挑戦には、人それぞれ自分自身の反応で答えなければなりません。
  • やさしさを行動にして日々を過ごす。優しさには目的があります。小さな利他的な行動をとる機会は毎日たくさんあります。これらの行動が自分の人生を満たしてくれ、意味をもたらしてくれる事でしょう。
  • 自身を超えて物事を見る。自分の限界を超えた時、私たちは真の意味を見いだすことができます。自分を忘れてしまうほど、何かに一所懸命になったり、人のために頑張ると、結果的に自分が人として大きく成長するものです。
  • 他人の痛みを感じる。どれだけ他人の問題が関係ないように思えても、苦悩は痛みを伴います。どんな時でも、たとえ他者の悲劇が自分には関係ないにしても、他人の痛みに共感できるようにしましょう。
  • 人生が困難な時でも自分は変えることができる。私たちは有意義な人生を送ることができます。意味と愛、目的に満ちた人生をです。

私は自分なりの楽観的な考え方を持っている。もしドアを開けることができなかったら、別のドアを開ければいいし、別のドアを作ることだってできる。現在がどんなに暗いかどうかに関係なく、なにか素晴らしいことは絶対に起こる。

ラビンドラナート・タゴール

 


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。