責任感が強すぎるとどうなる?
私達は毎朝、「すべきこと」や「今日必要なこと」についてあれこれ考えます。責任や義務という重荷を誰もが抱えているのです。では、責任感が強すぎるということはありえるでしょうか?
責任を持つことはいいことです。また、責任を持たずに生活をすることは不可能です。しかし、責任に関してよく知らなければ、害のある思考や行動パターンの罠に陥りやすくなってしまいます。
実際、責任を抱えすぎることは多くの問題と関係します。不安、うつ病、強迫性、摂食障害、コミュニケーション障害などは、責任を負いすぎることから起こりえる問題です。
責任感が強い人の特徴
責任を持つということは、自分の果たすべき義務に意識を向け、それを実行することです。しかし物事に責任を感じすぎる人には、精神学的問題が隠れているかもしれません。
完璧主義
責任は、義務を果たしたいという思いと関係します。多くの人が、役に立ちたいと思い、良い結果を出したいと考えます。しかし中には、完璧さに囚われる人がいます。
ここで問題になるのは、完璧という概念が主観的であることです。つまり、個人の理想に基づいています。完璧主義の人はハードルを上げ、そこに到達するまで自分の仕事は終わっていないように感じます。
その結果、目的を果たすために時間をかけ、厳格に行動することになり、本質的には統制的な方法をとるようになります。一方で、目的を達成するまでの間は目的を果たせていないことに本人は苦しみます。同時に、不安になり自信を失います。完璧主義の人が満足することは少なく、小さなミスも自分の失敗だと考えてしまいます。
あまりにも多くを要求する
責任感が強い人は、多くを求めすぎる傾向にあります。これが「正しいやり方」だと考え、一度にいくつものことを行おうとします。自分に対し非常に厳しく、どんな逆境も乗り越え、すべての義務を果たそうとし、無理な要求をするのです。
求めすぎることや責任をもつことには、罠があります。義務を果たすことが目的ではなく、自分や人と張り合うことになります。こうなると何か問題が起きたり予期せぬ結果が出た時に、フラストレーションを抱え恥や罪悪感を感じることになります。
期待
責任を持ち義務を果たすということは、期待に応えるということです。義務には、大事な仕事を終わらせる、家族の荷物を取りに行くなど様々ありますが、どれもあなたが何かしてくれることが期待されています。責任感があり、完璧を求める人であれば、これらを忘れることはないでしょう。
責任感の強い人は、自分に高い期待を課します。これまでお話してきたように、良いことのように見えるこの特徴にも影があります。高い期待が、目的を果たすのに役立つことは間違いありません。では目的を果たせなかった場合、どうでしょう? 思い通りにいかないことは多く、時間と努力を費やしたのにもかかわらず期待が満たされない場合、そのダメージは大きいものです。
影響
責任感により、私達は何が正しいかに関しより柔軟でない考えを持つようになります。そしてこれがさらなる心配にもつながります。責任感が強いほど、うまく処理されなかった場合の害は大きくなります。
責任感が強すぎることにおける精神的影響
心配とは、単に未来を想像することです。自分が成功するか、いい結果が得られるか、障害を乗り越えられるかのみを気にしていると、不安になります。
広島大学とセントラルフロリダ大学の共同研究によると、責任感は全般性不安障害や強迫性障害(OCD)の共通の性質です。
責任には主に3つのタイプがあることがわかりました。人を守り大切にしたいという主観的ニーズ、問題を解決するための努力、罪悪感(すべてに責任を感じる)の3つです。
中でも、最後の一つが最も不安を大きくすることが分かっています。自分の行動が人に与える影響について常に考えることで心配が増え、より責任を感じることになるのです。
社会的影響
前にも言ったように、責任感が強すぎる人は自分に多くを求めます。そして人にも多くを求める傾向があります。
自分が正しいと思っている厳格な信念や狭い考えを、皆が持つべきだと考えます。自分と違う行動を理解することが難しいのです。ですが、その期待に応えられる人はほとんどいません。
まとめると、責任感が強すぎる人は存在します。責任感が非常に強い人は、現実に対し狭く歪んだ感覚を持っています。存在しないかもしれない義務を抱え、自分の成功を求めます。もしあなたにもこれらの特性が当てはまるのであれば、自分が何を果たすべきか、現実的に何ができるかを認識し、優先順位を付けることが重要です。自分の限界を知らないと不安になってしまい、周りにも不安を与えることになってしまいます。